- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312161
感想・レビュー・書評
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@ricopinnbottleさんに薦められた本。
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ダイヤモンドで紹介されていていたので読んでみた。 各国の状況と日本を対比させながら生活保障について論じている。 日本の生活保障を充実させていくには、政治・行政への信頼を高めてからでないと始まらないと思う。
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社会福祉というと、面白くもない議論と思っていたが、
この本に関しては論点がすっきりしていて
文章と理論も筋が通っていて読みやすかった。
そして、分析に終始するのではなく、著者なりの提案もなされていて
新書として100点に近いと思う。
蛇足だが、この本は北大での宮本太郎先生の授業の副教材に指定されているが、
内容は授業の濃縮エッセンスである。
他方、指定教科書は同先生の「福祉政治」で、これは授業の一部にしか触れていない。
なぜ「生活保障」のほうを教科書に指定しなかったのか不思議である。 -
停滞している日本の国民生活。この現状に対して雇用と社会保障を結びつけた生きる場、生活保障の必要性をといている。
日本がなぜ将来に希望を持てない不安な国になったのか?諸外国の福祉はどうなのか?それぞれの課題に対して生活保障の必要性を知ることができる。 -
とにかく書き方が上手。これからの日本の福祉のあり方を考える上で、非常に示唆を与えてくれた。
ちなみに生活保障とは、著者の定義では雇用と社会保障が上手く連動した社会のことであり、流れとしては今までの日本の福祉のありかたから、それがなぜ行き詰っているのか、そしてどうして改革が進まないかまでが明快に書かれている。そのうえで北欧諸国を中心とした他国の福祉のありかたを見ていき、後半では分析を超えて提言にまで踏み込む。
雇用をどう創出していくかについては説得力が低いと感じたが、筆者が考える日本の生活保障のグランドデザインがはっきりと見えてくる一冊となっている。 -
前半はいい。
日本の社会保障のどこにほころびがあるのか、そしてスウェーデンのモデルを紹介する。企業や業界に基づいた制度では、流動的な労働スタイルに対応できない。
後半は筆者の仮説が多い気がした。
労働はやはり義務なのだろうか。 -
生活保障とは何か?
それは、雇用と社会保障を結びつける言葉であると著者は説く。
人々の生活が成り立つためには、一人ひとりが働き続けることができて、また、何らかのやむを得ぬ事情で働けなくなったときに、所得が保障され、あるいは再び働くことができるような支援を受けられることが必要でるとしている。
そして、「生活保障」という言葉を切り口として、改革ビジョンのあり方を論じている。
悲しいかな日本型生活保障では立ち行かなくなってしまっていることを論じ、スウェーデンにおける生活保障の実践を検証し、そのスウェーデン型をもってしても、転機を向かえざるを得なかったと論じている。
新しい生活保障とアクティベーションについて述べ、排除しない社会の形を提示し、本書を締めくくっている。
一貫して丁寧な説明であり、非常にわかり易い生活保障にかかわる著作であった。