清水次郎長――幕末維新と博徒の世界 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312291

作品紹介・あらすじ

「海道一の親分」を謳われた清水次郎長を措いて幕末維新のアウトローを語るに他はない。本書は歴史学の手法を駆使して、血で血を洗う並み居る強敵たちとの死闘を勝ち抜き、時代の風を読んでしぶとく生き残った稀代の博徒の実像に迫る。巷間知られる美談仁侠の虚像からは異質な無頼の武闘派のしたたかな生き様が浮かび上がってくる。

感想・レビュー・書評

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  • 清水次郎長の歴史的な実像を明らかにしている本です。幕末から維新にかけての時代の変動の中で、清水次郎長をはじめとする博徒たちが果たした役割について論じています。

    平岡正明の本で浪曲師・広沢虎造の魅力を教えられ、清水次郎長について知りたいと思って本書を手に取りました。ただ、本書はあくまで歴史的な事実に基づいて、清水次郎長の「実像」を紹介することに終始しており、私が知りたかったような、日本近代におけるメディアの中での、いわば虚像としての「清水次郎長」を知りたいという目的に答えてくれるものではありませんでした。

    とはいえ、幕末・維新の動乱期を稗史の方から眺めるという本書の試みそれ自体も、興味深いものだと思います。

  • 図書館本。58

  • 幕末明治を生きた清水次郎長の生涯を、
    その歴史的枠組みや関連する博徒のエピソードを絡めつつ描く書。
    話が次郎長に留まらないためどうしても論旨が多岐にわたり
    固有名詞を把握しきれずついて行けないこともあるが、
    巻末の年表と照らし合わせつつ、維新史の中で
    次郎長がどのように生きたのかを見るのがよいように感じた。

  • 次郎長が岩波新書になるとは思ってもいませんでした。
    静岡市と合併して、清水市がなくなっていくので、記念碑のようなものかもしれません。
    歴史は苦手なので、書かれていることは、なるほどという感じです。

    ps.
    静岡県には、政令指定都市が、静岡市と浜松市。
    浜松は、YAMAHA,SUZUKI、KAWAIなど、音楽とバイクの街として有名。
    テレビの発祥である浜松フォトにクスなど、著名な産業がある。
    それに比べて、静岡and/or清水は、漁業など、影が薄い。
    次郎長が生きていたら、嘆いていたかもしれない。

  • 名前は知っているが、具体的に何をした何者なのかをよく知らなかった清水の次郎長。その生涯がドキュメンタリーっぽく綴られている。清水次郎長とは、清水港の廻船業・山本次郎八の子供の長五郎のこと。幕末から明治の動乱期に、東海道筋をブイブイ云わせた比類なき人物なのは、よくわかったが、博徒、無宿者、侠客といった概念について、漠然としたイメージしか予備知識がないと、読み進めるのに苦労した。行為の善悪を問わず、大きなコトを起こす大きな人物は、天性の才能や気性に加え、運と人脈に恵まれているのは、時代を問わない真理のようだ。数多の歴史譚が入りまみれるこの時代に、表の正史に現れない、もう一つの歴史(稗史というらしい)もまた、大きな変革の波にゆられていたのが生々しく感じられた一冊。

  • 任侠の世界もまた、幕末、明治の激動に翻弄されていたことを知りました。いつの世も「闇の世界」は常に「表の世界」とつながっていること、それなくしてはまた、表の世界も成り立たなかったことを知った。

  • [ 内容 ]
    「海道一の親分」を謳われた清水次郎長を措いて幕末維新のアウトローを語るに他はない。
    本書は歴史学の手法を駆使して、血で血を洗う並み居る強敵たちとの死闘を勝ち抜き、時代の風を読んでしぶとく生き残った稀代の博徒の実像に迫る。
    巷間知られる美談仁侠の虚像からは異質な無頼の武闘派のしたたかな生き様が浮かび上がってくる。

    [ 目次 ]
    第1章 博徒清水次郎長の誕生(清水港の次郎長;三河の次郎長)
    第2章 清水一家の親分次郎長(嘉永游侠列伝;次郎長激動の三年;次郎長一家の形成)
    第3章 清水次郎長と黒駒勝蔵(黒駒勝蔵との対決の構図;黒駒勝蔵との血戦;尊皇倒幕の黒駒勝蔵と左幕の清水次郎長)
    第4章 明治維新の明暗(戊辰戦争と博徒の命運;清水次郎長と黒駒勝蔵の明暗)
    第5章 大侠清水次郎長(維新の揺れ戻し;山岡鉄舟との邂逅と次郎長の「改心」;博徒大刈り込みと次郎長)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 【推薦文】
    幕末時代、日本を変えたのは坂本竜馬や勝海舟だけではない。
    歴史の表舞台には出てこない、日本の歴史に影響を与えた男。
    (推薦者:知能システム科学専攻 M1)


    【配架場所】
    大岡山:本館1F 一般和図書 081/Id/1229
    すずかけ台 :分館3F 一般図書 289.1/Si

  •  清水次郎長の伝記。ただ単なる伝記ではなく、当時の日本の歴史の中に次郎長を位置づける。幕末において社会の流動化が進展していく中での博徒の活動の活発化、そして博徒はその武力を評価され、幕末の騒乱に巻き込まれていく。次郎長のライバル黒駒の勝蔵は官軍に吸収され命を落とす。対して次郎長は中立を維持することによって畳の上での大往生を迎える。その対照的な人生模様が資料豊かに描かれる。
     幕末の英雄だけが歴史を作ったのではない。歴史の大きな流れの中で様々な主体がそれぞれの役割を担っていた。そんな歴史の別の側面を垣間見させてくれる著作である。

  • 2010.02.21 日本経済新聞で紹介されました。
    2010.03.14 朝日新聞で紹介されました。

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