ヴァレリー――知性と感性の相剋 (岩波新書)

著者 :
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感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312369

作品紹介・あらすじ

二十世紀前半のフランスで「最高の知性」として知られた詩人・批評家ポール・ヴァレリー。この明晰な「知性のひと」は、生涯に少なくとも四度の大恋愛にのめりこみ、愛欲に惑い続けた「感性のひと」でもあった。その相剋に彼の本質をみさだめ、人物像に新たな光を当てる。手紙や作品の豊富な引用とともに綴られる、魅惑的な伝記。

感想・レビュー・書評

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  • ・若き日に遠くから見つめ続け吐口のない恋に焦がれたロヴィラ夫人、異性の中に初めて見出された統一へと向かわせる十分な知性としてのカトリーヌ、気持ちのベクトルがベクトルとして形作られ固定化された故の関係性に気づきながらも盲目であり続けたルネ。そこに差し出された据え膳のようなエミリー。心の平和を見出しながらも、年齢の差ゆえに終わりへと向かっていったジャンヌ。彼女らとの感性、情感、主に性愛をプロットとして繋ぎ出されヴァレリー像を見つめる。

  • 彼の思索のエンジンにガソリンさながらに動力を与えた女性遍歴(除:奥さん)、特にカトリーヌとの関係のくだりが興味深かった。

  • 何人かの愛人たちに宛てた生涯3千通以上の手紙。例えば、愛において、自我の本質的な部分をたがいに交換するような往復書簡。官能的であることと知性的であることが合一するようなひとつの「比類ない語彙」を求めるような文通。偉人の途方もない思索と作品群をさっぴいてみて思うに、満足いくほどの関係性を作れる時間は人生にはなさそう。

  • 極私的には、最良の啓発所でした。

  • 《知性のひと》として知られるポール・ヴァレリーの、激しい感情に揺れ動かされ葛藤する姿に焦点をあてて綴られた伝記形式の入門書。

    たびたび詩や書簡からの引用がなされていますが、どれも流麗な日本語に翻訳されていてうつくしいです。

    奇抜な想像や憶測におちいることなく、資料や史実に基づいて丁寧に語られていて、学ぶところも多く、好感が持てました。

  • [ 内容 ]
    二十世紀前半のフランスで「最高の知性」として知られた詩人・批評家ポール・ヴァレリー。
    この明晰な「知性のひと」は、生涯に少なくとも四度の大恋愛にのめりこみ、愛欲に惑い続けた「感性のひと」でもあった。
    その相剋に彼の本質をみさだめ、人物像に新たな光を当てる。
    手紙や作品の豊富な引用とともに綴られる、魅惑的な伝記。

    [ 目次 ]
    序―「感性のひと」の側面
    1 最初の危機―ロヴィラ夫人をめぐって
    2 レオナルド論とムッシュー・テスト
    3 ロンドンと『方法的制覇』
    4 詩作の再開と第一次世界大戦
    5 愛欲の葛藤―カトリーヌとの出会い
    6 胸像彫刻にはじまって―ルネ・ヴォーティエと『固定観念』
    7 崇拝者からの愛―エミリー・ヌーレの場合
    8 最後の愛―『わがファウスト』と『コロナ』と『天使』

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    [ 参考となる書評 ]

  • 立ち読み:2010/8/4

  • 読みやすく、おもしろかった。この感性があればこそ、ヒトは詩人になれるのかなぁ・・・。

  • 「知性の人」と言われてきたヴァレリーが、実は恋多き男だったという事実は、何となくホッとさせられる。
    ヴァレリーはフロイトの理論を好まなかったらしいが、この伝記を読んでいると、皮肉にも彼の知性は性のリビドーによってその輝きを増したのではないか。そんな気がした。

  • 知性の人ヴァレリーは感性の人でもあった。つまりかなり激情で、色情だったということ。

    『ムシュー・テスト』を妻からの視点で書いた作品(『マダム・エミリーテストの手紙』)があるという。興味深い。

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