ヴァレリー――知性と感性の相剋 (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1236)
- 岩波書店 (2010年3月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312369
感想・レビュー・書評
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《知性のひと》として知られるポール・ヴァレリーの、激しい感情に揺れ動かされ葛藤する姿に焦点をあてて綴られた伝記形式の入門書。
たびたび詩や書簡からの引用がなされていますが、どれも流麗な日本語に翻訳されていてうつくしいです。
奇抜な想像や憶測におちいることなく、資料や史実に基づいて丁寧に語られていて、学ぶところも多く、好感が持てました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
二十世紀前半のフランスで「最高の知性」として知られた詩人・批評家ポール・ヴァレリー。
この明晰な「知性のひと」は、生涯に少なくとも四度の大恋愛にのめりこみ、愛欲に惑い続けた「感性のひと」でもあった。
その相剋に彼の本質をみさだめ、人物像に新たな光を当てる。
手紙や作品の豊富な引用とともに綴られる、魅惑的な伝記。
[ 目次 ]
序―「感性のひと」の側面
1 最初の危機―ロヴィラ夫人をめぐって
2 レオナルド論とムッシュー・テスト
3 ロンドンと『方法的制覇』
4 詩作の再開と第一次世界大戦
5 愛欲の葛藤―カトリーヌとの出会い
6 胸像彫刻にはじまって―ルネ・ヴォーティエと『固定観念』
7 崇拝者からの愛―エミリー・ヌーレの場合
8 最後の愛―『わがファウスト』と『コロナ』と『天使』
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[ 参考となる書評 ] -
なかなかです。
ヴァレリーを初めて知る人にもわかりやすいでしょうし、私のように好きな人にも改めてヴァレリーを簡潔に。
視点を変えているところも、清水さんならでは?