ヴァレリー――知性と感性の相剋 (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1236)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312369

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  • 《知性のひと》として知られるポール・ヴァレリーの、激しい感情に揺れ動かされ葛藤する姿に焦点をあてて綴られた伝記形式の入門書。

    たびたび詩や書簡からの引用がなされていますが、どれも流麗な日本語に翻訳されていてうつくしいです。

    奇抜な想像や憶測におちいることなく、資料や史実に基づいて丁寧に語られていて、学ぶところも多く、好感が持てました。

  • [ 内容 ]
    二十世紀前半のフランスで「最高の知性」として知られた詩人・批評家ポール・ヴァレリー。
    この明晰な「知性のひと」は、生涯に少なくとも四度の大恋愛にのめりこみ、愛欲に惑い続けた「感性のひと」でもあった。
    その相剋に彼の本質をみさだめ、人物像に新たな光を当てる。
    手紙や作品の豊富な引用とともに綴られる、魅惑的な伝記。

    [ 目次 ]
    序―「感性のひと」の側面
    1 最初の危機―ロヴィラ夫人をめぐって
    2 レオナルド論とムッシュー・テスト
    3 ロンドンと『方法的制覇』
    4 詩作の再開と第一次世界大戦
    5 愛欲の葛藤―カトリーヌとの出会い
    6 胸像彫刻にはじまって―ルネ・ヴォーティエと『固定観念』
    7 崇拝者からの愛―エミリー・ヌーレの場合
    8 最後の愛―『わがファウスト』と『コロナ』と『天使』

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    [ 参考となる書評 ]

  • なかなかです。
    ヴァレリーを初めて知る人にもわかりやすいでしょうし、私のように好きな人にも改めてヴァレリーを簡潔に。
    視点を変えているところも、清水さんならでは?

著者プロフィール

清水徹(しみずとおる)
1967年生まれ。技術者としてメーカー勤務。退社後フリーカメラマンとして活動を開始。フォトスタジオ「肖像館」代表を務めて、ポートレートから取材、物撮りまで幅広いフィールドに精通。現在はその知識を生かし様々なジャンルの撮影を手掛け、写真雑誌等の執筆やソニーαアカデミーの講師を務めている。ライフワークは日本各地とヨーロッパの古い街並み、スイスの大自然と街を撮り歩いている。

「2022年 『作品づくりのためのSONY α7Ⅳパーフェクト撮影BOOK』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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