社会主義への挑戦 1945-1971 シリーズ 中国近現代史 4 (岩波新書 新赤版1252)
- 岩波書店 (2011年1月20日発売)
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感想 : 29件
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784004312529
みんなの感想まとめ
政治、経済、社会、国際情勢といった多角的な視点から、中国の激動の歴史を描いた通史です。国共内戦や大躍進政策、文化大革命といった重要な出来事が、冷静かつバランスよく解説されており、読者はその背景にある複...
感想・レビュー・書評
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社会主義への挑戦 1945-1971
シリーズ 中国近現代史 4
著:久保 亨
岩波新書 新赤版1252
本書は、太平洋戦争後、日本が撤退したあとの内乱の時代から、文化大革命、再び米、日と和解までの中国を描く
この時期の中国は、疲弊した日中戦争から、国共軍事衝突、朝鮮戦争にて、疲弊し、また、軍の近代化もさけばれていた。文化大革命とは、こうした中国の国力を向上させて、欧米に比肩できる国家を建設することであった。
気になったことは、以下です。
1945年国共両軍は、アメリカの仲裁で、停戦し、8月から10月まで重慶で会談を開催した。これを政治協商会議という。
その後も何度か、アメリカの仲裁で内戦を停止させようとしたが、軍事衝突は止むことはなかった。
中共軍は、ひそかに、東北に軍を移動させて、要衝を占領するようになっていく。
国民政府が政治的に孤立していくようになるのは、中国の財政経済政策の失敗だった
外国に市場開放と、貿易自由化を行った結果、アメリカから多量の商品が輸入され、消費財を中心とする輸入品の増大は、国内生産の回復にはつながらず、むしろそれを妨げた。
国民政府を窮地に追い込んだのは、アメリカ製品の多量の輸入と、米国兵士による暴行事件などが発生したことだった。また、日本への復興支援にくらべて、中国のそれは見劣りし、中国民衆はアメリカに対し不満を感じるようになっていく
1946/06 国共両軍の衝突が全国に広がっていく
アメリカは当初日本の占領政策を急いではいなかったが、やがて、ソ連や中国共産党の脅威に対する防波堤として日本を考えるようになり、戦後復興を優先することで対日援助を増大させる戦略に転換していく
結局1947年までに、米英ソ中の4国は、朝鮮統治について38度線を境に、北をソ連軍が、南をアメリカ軍が統治することとなり、冷戦体制が確定した。
中国では、国民政府の長であった蒋介石は、1948年ごろから、台湾へ亡命する準備を初めていて、広州陥落を機会に、台湾へ撤退した。国民政府の残りのメンバーは、アメリカや香港に移住した。
1949年10月01日、中華人民共和国が建国され、中国大陸は、共産党に統一された。
当初は経済復興に協力するために、共産党だけではなく、国民政府のメンバーが相当数参加していた
1950年北朝鮮軍が38度線を超えて韓国に、攻撃を開始し朝鮮戦争が勃発する。北朝鮮は、事前にソ連と相談を行っていた。釜山周辺まで米軍を追いつめたが、その後、押し戻される。
鴨緑江まで撤退したとき、中国の義勇軍の大軍が米軍を食い止めた。当初17万程度であった中朝国境の軍は、130万に達していて、朝鮮戦争は中国には重い経済的な負担となった。
英米仏日などの西側は、ソ連、東欧などの社会主義諸国向けに、戦略物資輸出について、COCOMという貿易統制をおこなっており、最先端の武器は、中国にはわたることはなかった。
また、1951年中国は、チベットへ侵攻し、ダライラマ政権を弾圧した。
1952年から53年にかけて新民主主義を掲げる中国は、社会主義化のために政策を強行した
毛沢東は、近代化が遅れていた軍を強化するために、工業化を加速すべきであるとの方針を打ち出した。
これを大躍進運動という
1957年中国は再び、独立を宣言したチベットへ侵攻、ダライラマはインドへ亡命した。当初チベットに自治をゆるしていたが、次第に固有の宗教信仰、風俗習慣を尊重するという約束は守られることはなかった。
1959年中印に武力衝突が発生するも中国がインドを圧倒する。
1964年から、第3次五カ年計画が策定された。
1965年にプロレタリア文化大革命(文革)の政治運動が荒れ狂い、政治経済は大混乱に陥った。
文革とは、中国指導部内部の抗争であったが、それが一般の民衆や党組織を巻き込んで、社会秩序が崩壊した
造反有理というスローガンのもと、それまで指導部を担ってきた党多数派を資本主義の道を歩む実権派として批判していく。
1966年上海で武力抗争が発生するに至った。
文革の呼びかけに忠実であった紅衛兵は、破四旧(四つの古いものを破壊する)というもと、社会主義以前にあった中国の伝統的な文化風俗習慣などを打ち壊そうとした
中国が文革の混迷にいた期間、日本、韓国、台湾は高度経済成長を謳歌し、中国との経済格差はますます大きくなり、中国の危機感が募っていく
結局この混乱を収拾したのは、軍であった。毛沢東も内戦の回避を宣言し、軍の主導下で、革命委員会が設立され、秩序回復に努めることとなった
1971年に、中ソの接近を拒むべく、キッシンジャーが秘密裏に、北京を訪問し、周恩来と会談をする。
日本の田中政権下、中国との国交回復を含めて、西側と中国とは新しい時代に入っていく。
目次
はじめに
第1章 戦後復興の基望と混沌
第2章 冷戦のなかの国づくり
第3章 急進的社会主義路線「大躍進」の頓挫
第4章 試行錯誤する社会主義
第5章 急進的社会主義への再挑戦「文化大革命」
第6章 転換を迫られる文革路線
おわりに
あとがき
参考文献
略年表
索引
ISBN:9784004312529
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:272ページ
定価:820円(本体)
2011年01月20日第1刷発行詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
各指導者の失脚や死去、毛沢東個人のキャラクターといったある意味ドラマチックな部分は軽く触れるにとどまる一方、政治・経済・社会・国際情勢に目配りされており、バランスの取れた通史。
国共内戦における共産党勝利の背景には、予め東北に軍を集中させていたという共産党の戦略とともに、旧日本軍の装備接収をソ連が黙認していたことや国民党政権の経済政策の失敗(その原因の一端は米が日本の戦後復興を優先させるため対中賠償が減額されたことにもあった)に対し民心が既に離反していたこともあった。また、朝鮮戦争は台湾の武力制圧の道を閉ざしたという両岸関係への影響のみならず、中国国内でも戦時体制が敷かれ、三反・五反政策へとつながった。このように各要素が複雑に絡んでいたことが分かる。 -
戦後、革命から文革まで、激動すれ中国を冷静な目で一瞥する本です。やはり、この時代を経験した人で、この時代に戻りたい人はいない様な気がします。
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国共内戦、大躍進政策、文化大革命などの重要な歴史的事件について大まかに知ることができた。
政治、経済、思想、国際関係など複数の視点から簡潔に書かれており、大変読みやすかった。
あまり長い期間を対象にしても記述が薄すぎ、かといって細かすぎても退屈してしまうので、本シリーズくらいの時代区分はありがたい。 -
朝鮮戦争をきっかけに社会主義への道を邁進。そして中ソ対立。内政では大躍進と文革の失敗。この辺の歴史の流れをざっと押さえるには良本に思う。現代中国は毛沢東批判できずにズルズル・ダラダラと誤魔化し続けているが、ここをハッキリさせない限りは変われないだろう。
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中国の現代史を知りたい。
・国共内戦(1945-1949)
・大躍進政策(1958-1960)とその失敗
・文化大革命(1967) -
戦後中国が外交上、最優先課題としたのは戦災からの復興と国内統一に向け世界各国から支持をとるつけることだった。
朝鮮戦争はたんに軍事的対決にとどまるものではなく、朝鮮戦争を契機として東アジアは冷戦が広がり、中国の対外関係と国内政策は大きな制約を受けることになった。西側諸国との貿易が大幅に制限された。
大躍進政策の失敗を認めるようになったとはいっても、失敗の主要な原因は自然災害にあったとされ、大衆動員に依拠した高度経済成長政策に対し根本的な批判が提議されたわけではなく毛沢東も共産党の中で党主席としてトップの地位を保持していた。 -
国をつくるためには様々な社会実験が必要になるのであるが、中国の場合は「大躍進」や「文化大革命」を経験した。人間は悲しくなるほど愚かなものを考えつくものだ。それにしても中国は長い歴史を持つ国だが、今までこの世界にとって大いに役立った誇れるものをなにか残してきたのだろうかと、ふと思ってしまうのです。 日本、中国、韓国、北朝鮮はこれからまたどのような社会実験を繰り返し、どこへ行こうとするのだろうかと、少しく不安をおぼえるのです。
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9784004312529 209+2p 2011・1・20 1刷
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大戦後の1945年から国連復帰の1971年までの中国史を描く。
朝鮮戦争やベトナム戦争、米ソとの大戦に対する危惧等については
記載が物足りなく感じたが書面の都合上仕方のないところか。
その反面、反右派闘争から大躍進、文革までは
当時の社会の流れを順に追って分かりやすく説明されており、
理解しやすかった。 -
なぜ中国は「社会主義」を選択したのか? 終戦から中華人民共和国の国連加盟までを扱った本書のテーマである。この時期の混迷は毛沢東個人の資質に帰されることが多いが、本書ではそうした立場を取らずに、できるだけ多面的な分析をおこなおうと試みている。資料的な制約も多い混乱期の叙述だけに、隔靴掻痒の観もなきにしもあらずだが、大躍進、文化大革命の時期にもそれ以前からの民主主義的な思想水脈が途絶えることはなかったとする著者の視点は一貫している。
当該期をテーマにした中国の映画や文芸作品なども、端々で紹介されているのも有益だ。関心のある読者は、たとえばホウ・シャオシエン監督の「非情城市」を見て台湾の「二・二八事件」を、「黄色い大地」の監督チェン・カイコーの「私の紅衛兵時代」を読んで文革期の少年たちの心情を知ることができよう。 -
1945年から1971年までの26年間。中国は国民党と共産党との内戦、共産党の政権、急進的な社会主義化、そして文化大革命と、たった26年の間に、様々な変化(混乱)がおこっている。
そんな現代中国の歴史を「グローバルな視野の中で位置づけ、現代日本の歴史と重ね合わせて捉え」て著述されている。
分かりやすく、読みやすい。特にその時代時代を題材とした映画を紹介しているところが自分好みだった。これらの映画を端から全部観てみたいと思った。 -
日本の戦後から高度成長期に、中国は何をしてきたかが明確にわかります。戦勝国となったがための苦しみと、先を急がんためのあせりが空回りしていたようです。
21世紀こそ、あせらず、あわてず、着実に世界を見据えた中国国家を形成していってもらいたいものです。 -
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