開発主義の時代へ 1972-2014 シリーズ 中国近現代史 5 (岩波新書 新赤版1253)
- 岩波書店 (2014年8月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004312536
感想・レビュー・書評
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開発主義の時代へ 1972-2014
シリーズ 中国近現代史 5
著:高原 明生
著:前田 宏子
岩波新書 新赤版1253
本紙で、ついに、中国近現代史は、習近平にたどりつく
6巻目は、清末から現代までの振り返りなので、歴史を追う旅は5巻で終わる
本書の時代区分については、違和感があった、どうも国家主席での時代区分ではないらしい
本書の時代区分を追うと以下のようになる
そして、鄧小平時代に形成された官僚群が、党と政府を含めて、強力な牽引役となっていく
一時、北京閥、上海閥とよばれていた、高級官僚群であり、以後は、そのリーダシップのもとに改革開放を推し進めていくこととなる。中国は、再び世界の大国の1つとなったのである。
<各章を分かつもの>
1982 第12回党大会で、主席制が廃止、総書記が党最高職位となったが、トップの権限を弱め、集団指導体制の制度を進めることであった
1992 鄧小平は、上海から武漢を経由し、広東省の経済特区に向かった。いわゆる南方談話である
ここで、鄧小平は、地方幹部を相手に大胆に改革と開放を加速せよと強く訴えた
2002 第16回党大会の前に、党や政府、軍のポストを独占していた江沢民の去就が注目の的となる
2012 第18回党大会で、習近平政権が誕生、習近平は幸運にも、当初から軍事権をもあわせもつ協力な指導者としてスタートを切ることができた
<中国最高指導者と、著名な事件>
1972-1976 毛沢東時代
1972 日中国交正常化
1976 四五天安門事件(周恩来死去)
1976 文革終了
1976-1978 華国鋒時代
1979 米中国交正常化
1978-1989 鄧小平時代
1989 六四天安門事件(胡耀邦死去)
1989-2002 江沢民時代
1997 香港返還
1999 マカオ返還
2002-2012 胡錦濤時代
2008 北京オリンピック
2012-2024 習近平時代
目次
はじめに
第1章 革命から発展への転換 1972-1982
第2章 改革開放をめぐる攻防 1982-1992
第3章 社会主義の中国的変質 1992-2002
第4章 中核なき中央指導部 2002-2012
終章 超大国候補の自信と不安 2012-2014
おわりに
参考文献
略年表
索引
ISBN:9784004312536
出版社:岩波書店
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:780円(本体)
2014年08月20日第1刷発行
2021年10月15日第2刷発行詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
対象時期の通史。まず、本書では改革開放は1978年の第11期三中全会が発端との立場を取らない。文革中の70年代初からプラント輸入の動きはあった。また78年の三中全会でも、鄧小平は華国鋒との権力闘争に勝ったとは言え、政治路線転換は不徹底だった。
その後も90年代初まで改革開放をめぐる攻防は続く。この過程で、80年代、鄧小平など長老グループを単なる保守ではなく、市場化と対外開放には基本的に賛成し、行政の効率を高め大衆の意欲を喚起する限り政治改革も必要だとする「独裁重視型の政治改革論者」と位置づける。趙紫陽ら「協商重視型の政治改革論者」とは異なるが、両者とも政治改革論者ではあったということだ。
90年代は「社会主義の中国的変質」という語で評される。アジア金融危機には各部門内の党組織を強化して統制する、という極めて社会主義的な手法で対処したものの、2000年には「三つの代表」論により、中国共産党は「開発主義とナショナリズムに拠って立つ政党であることが明らかに示された」とある。確かに、改革開放以降の中国は社会主義とも資本主義とも言い難い。「開発主義」という語がよりふさわしいのだろう。
なお、中国の経済路線を見るにあたり、改革か保守か以外に、中央集権か地方の自主権かという視点もあった。改革開放初期、広東省に自主権を認めるにあたり、太平天国の乱や孫文の革命運動まで挙げて南北の緊張関係を説明している。21世紀に入っても、中央のマクロコントロールと地方経済の活性化の争いが記述されている。 -
改革開放から習近平路線までの開発政策を辿る。出版後6年で新たな動きも当然多々生じているが、約50年の歴史をおさえることで現状の理解が深まる。
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毛沢東の行動、特定の個人やグループが影響力を持つようになると、常にその力遅いでバランスを取ろうとする。
鄧小平、韜光養晦政策 能力を隠し、低姿勢を保って時を待つ、
愛国主義教育、現代の中国では愛国主義と社会主義は本質的には一致する。
社会主義制度と市場化との矛盾を内包
資本家の共産党円の入党、中国共産党は、社会主義ではなく、開発主義とナショナリズムによってたつ政党
政権の求心力を強化する上では対日闘争が有利に働く。現場への不満と将来愛の不安を募らせる国民をまとめていくためには、今林国との闘争が1番手っ取り早く、かつ有効である。 -
12月新着
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毛沢東以降から現時点までの中国現代史を振り返る。
全体的には広く浅くの内容であり、
分かりづらい表現もあったが、せめぎ合いつつも
徐々に改革開放路線へシフトしてゆく流れを
細かに解説しており、また第二次天安門事件以降
高まった愛国主義教育についても興味深く読めた。 -
1972年から2014年までの中国現代史を扱ったシリーズ第5巻。第4巻出版からだいぶ間が開いたが、執筆のご苦労は並大抵ではなかったように思う。それだけ、とくに最近の中国情勢はわかりにくい。
本書は2名の著者による共著だが、全体にバランス良く叙述されており、読みやすかった。鄧小平時代に導入された「社会主義市場経済」と言っても、マクロ政策(財政金融政策)重視派や生産重視派がある一方で、依然として中央統制派の力もあったことなど、詳細に分析されていて興味深かった。
近年の動向でもアベノミクスと並んでリコノミクスと呼ばれた李克強総理の経済政策についても「鄧小平よりも毛沢東に似ている」とされる習近平体制の中で影をひそめているが、その辺りも非常に不透明だ。
いずれにせよ、「超大国候補の自信と不安」を抱えた現代中国を知る上で必読の好著だと思う。 -
ホントに・・・中国はどこへ行くんでしょう。
漢民族のそもそもの性格なのか、それともまだまだ精神的には発展途上にあるのか・・・・。
「品生」をもう少しつけていただくといいのですが。 -
文革時代は経済成長もした。賃金がほとんど上がらないから、消費を抑えて、投資にまわすことができたから。
70年代半ば、マレーシア、タイ、フィリピンと国交を正常化した際、中国は華僑、華人の二重国籍を否定し、中国籍を保留した華僑に対しても現地の法律の順守と風習の尊重を要望する旨を表明した。
友好的な対日政策を打ち出す時の政権は比較的安定しており、厳しい対日政策を取りがちになるのは権力基盤が不安定な時だった。 -
222||Y8||Ch=5
著者プロフィール
高原明生の作品
