グランドツアー 18世紀イタリアへの旅 (岩波新書 新赤版1267)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312673

感想・レビュー・書評

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  • 18世紀に流行した、イギリスからイタリアへの旅を語る。人、自然、遺跡そして絵画の世界へ。古典主義、ロココそしてルネッサンスへのイタリア文化への文字で訪ねる旅。可成り専門的、興味深いテーマだけに再読を目指す。

  • ii サロンなどの文芸的公共性

    18 ハーバマス 文芸的公共性

    56 ピチャレスク

    122 ディドロ

    156 ゼウス神殿

    162

  • 本書を読むまでグランドツアーという存在自体を知らず、
    題名を見て『岡田さんの歴史解説を兼ねた紀行文かな?』と思い購入した。

    ティッシュバインの《ローマのカンパーニャのゲーテ》と
    ジョセフ=マリー・ヴィアンの《キューピッド売り》は、
    グランドツアーという文脈を得て新鮮な気持ちで見ることができた。

    神話的風景画を打ち破ろうとしたトーマス・ジョーンズの、
    日常の風景であるが故にもはやナポリと言われても分からないような硬派な絵が印象に残った。
    イタリアが浪漫的な影響ばかり与えた訳ではないというのが面白い。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】 
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705876

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000680953

  • もしも私が18世紀イギリス貴族の令嬢だったら、
    グランドツアーに行きます、ぜったいに。

    アルプスの山々を超えて、イタリアに点在する湖に立ち寄ります。

    マルモレの滝、崇高の感情。
    カンパーニャでは神話の神々や古代の英雄たちの霊が出没しています。

    ローマで遺跡めぐりは言うまでもありません。
    ポンペオ・バトーニに肖像画を描いてもらいます。
    バックにはトライアヌスの記念柱とパンテオンを希望。

    イタリアで会いたい人はチチスベイとカストラート。
    ちょっとだけ、アマゾネスにも会いたい。

    ナポリで、ヴェズービオ火山、近くで見ましょう。
    イギリス公使ウィリアムハミルトン卿のサロンに入れていただけますか。
    ゲーテやヴィジェ=ルブランに、ぜひ、お会いしたいです。


    そんな妄想を楽しめる本でした。

  • ローマが次々とヨーロッパ大陸を支配下に治めるまで、イギリスも
    フランスも蛮族が暮らす地域だった。

    威容を誇ったローマ帝国が滅びて後の18世紀。今度は当時の先進国
    となったイギリスやフランスから、良家の子弟、芸術家や知識人が
    イタリアを目指した。

    グランドツアー。数か月をかけてイタリアを回る。ローマ帝国は消滅
    しても、そこは自然や芸術に恵まれた国だった。

    江戸時代の日本人がお伊勢参りをしたように、イタリアも腕は一種の
    流行になっている。

    本書は「人」「自然」「遺跡」「美術」の4章からグランドツアーを解説
    している。

    「君よ知るや 南の国」と書いたのはゲーテだったか。

    イタリアの話を読むたびに、このフレーズを思い出す。行きたいのに、な
    かなか行く機会が作れないイタリア。そりゃ、知りたいさ。南の国を。

    グランドツアーのように数か月は無理だろうけれど、せめて2週間くらい
    は滞在してあっちこっちと行ってみたい。

    アッピア街道を歩き、コロッセウムの前に立ち、ポンペイの遺跡を見、
    ナポリで海を眺め、ヴェネツィアで「海との結婚」を見て。

    あぁ…誰か私に資金をくれっ!

  • イタリアにある一定程度の知識や理解がなければ本書を楽しむことは難しいと思われる。資料などは豊富なのかもしれないが、当時の旅(グランドツアー)の臨場感は伝わってこない。

  • タイトルに反して、グランドツアーそのものの本ではない。
    グランドツアーの対象のひとつであった当時のイタリアに焦点をあてた本。
    ということで、グランドツアーについては全然出てきません。

  • 20年以上前に大学受験で勉強した知識だけでは、この本に書かれた結構な量の知識を整理しきれず、集中して読むのが難しかった。

    著者が読者の興味を引こうと、エピソードの並べたり、並べたエピソードに関連する絵画などの芸術作品の写真を掲載しているのでなんとか興味を持ち続けて読み進められる。

    専門的に地理や歴史を勉強してる人、旅行慣れしている人には物足りないのかもしれないが、イタリアや歴史に一般教養程度の知識も怪しい私にはお腹いっぱい。
    イタリアに旅行に行きたくなったので、実現したら出発前に読み返そう。

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著者プロフィール

1954年、広島県に生まれる。2020年、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を退職。現在は、京都大学名誉教授、京都精華大学特任教授。専攻は、西洋美術史。
 著書に、『キリストと性』(岩波新書、2023)、『反戦と西洋美術』(ちくま新書、2023)、『ネオレアリズモ──イタリアの戦後と映画』(みすず書房、2022)、『フロイトのイタリア──旅・芸術・精神分析』(人文書院、2008、読売文学賞)、『モランディとその時代』(人文書院、2003、吉田秀和賞)など多数、
 訳書に、ジョルジョ・アガンベン『創造とアナーキー──資本主義宗教の時代における作品』(共訳、月曜社、2022)、同『王国と楽園』(共訳、平凡社、2021)など多数がある。

「2024年 『アートの潜勢力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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