希望のつくり方 (岩波新書 新赤版1270)

  • 岩波書店 (2010年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004312703

みんなの感想まとめ

希望というテーマに対して多角的にアプローチし、現代社会における希望の重要性を探求する内容が魅力的です。著者は「希望学」の研究を基に、希望とは何か、どのように生まれるのかをわかりやすく解説しています。読...

感想・レビュー・書評

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  • 希望とは何か。欲望よりはクリーンで、期待よりは自力的な語感がある。志望の方がより具体的か。ただの言葉。しかし、その輪郭を認めなければ、つくり方など語れない。残念ながら、輪郭も金型もよく分からない。

    希望的観測。楽観視、つまり未来は明るいという予感。○○を希望する。その状態を欲する。そうなるとやはり、その世界観が正しいか正しくないかで、希望をつくる価値が変わる。ファシストの希望は叶えられるわけにはいかない。希望は必ずしも、善人の思想ではない。

    本著で何かを得られたかというと、残念ながら、新しい事はない。自問自答、言語ゲームによる定義の暗中模索に終始。やや残念。

  • 近頃感じている言葉にならないモヤモヤした気持ちを理解するための一助を求め近所の書店の棚を見ていたとき、ふと目に留まった本。
    東大経済学の玄田教授が、自身が中心となって進めた「希望学」の研究で得た知見の概要を簡潔に記してくれている。

    本書を読むことで、客観的には幸せな状況にあるはずの自分がなぜこんなに漠然とした不安や欠落感を感じているのか、その一端が見えてきた気がして気持ちが少し楽になった。

    家族にも仕事にも経済的にも恵まれている自分が幸せだという実感はある。
    それでもう十分だと思いたいし、それ以上を求めたくない。でも心は正直で何か満たされないものを感じている。
    というのが今の私の状況。

    本書を読んで少し見えてきたのは、自分には「幸せ」は足りているが「希望」が足りていないのかもしれないということ。
    だから満たされないものを感じているのだ。(これまで人間が目指すべき到達点は「幸せ」であり、「希望」やその他の要素は「幸せ」のための一要素だと思っていたが、どうやら違ったようだ。)

    ではどうしたら十分な「希望」を持つことができるのだろうか。

    そのヒントになったのは、本書に書いてある「幸福は持続を求める。希望は変化を求める」という言葉だ。
    「希望」を感じるためには「変化」が必要で、それはある程度自ら生み出す必要があるが、その変化を起こせていない自分に苛立ちを感じているのだ。

    一言でいえば「攻めよ!さすれば希望はおのずと見えてくるはずだ。」といったところか。

  • 「希望」という言葉に対し様々な方面からアプローチし、希望が失われていると言われる現代日本の中で、それでも希望を見出す事は出来ないのかと模索する話。

    書かれたのが2010年で東日本大震災の前であり、当時は格差も現代ほど酷くなく、国際的立場も安定していた時期だったから2022年現在を著者が見たらまた違う事を考えたかもと思った。

    とは言え、希望を主観的のみに捉えず客観的に捉えなおして、出てきたアウトプットは私たちの日々に活用できると思うし、素晴らしいと思う。

  • 希望学の「希望とは何か?」「希望はどうやったら生まれるのか」「希望の機能とは?」をわかりやすく解説した本。

    学問書ではなく、あくまで語りかけるような内容になっている。大学生などをイメージして書かれているかもしれないが、今社会に出ている20代半ばの人が読んでも十分に得ることはあるだろう。

    すくなくとも、待っているだけで希望が降って湧いてくることはない。また、大人の役割も重要だ。

    今希望が見当たらないならば、なんとか作っていくしかないし、また作りやすい環境を整えていくことも重要。

  • 仏教の経典には「希望」という言葉は出てこない。その一方で、キリスト教では「希望」を持つことの大切さが述べられる(死は貧しい者にとっては希望であり、豊かな者にとっては恐怖だ(内村鑑三著『代表的日本人』日本能率マネジメントセンター、2019年、p.189))。表面的な違いこそあれ、両者に共通しているのは「人間は困難の中で生きざるを得ない存在であることを認めている」という点である。その困難を避けようとするのか(日本)、直視するか(西洋)の違い--これは、日本人と西洋人のメンタリティーの違い(日本人の危機管理の弱さ、「水に流す」文化、辞任で事態の収束を図ろうとする体質)に繋がっているようようだ。

    "Hope is a Wish for Something to Come True by Action (with Others)" 希望はこのように4つの柱から成り立っている。つまり、希望とは、変化に必要なものである。しかし、自分たちが守るべき(誇りを感じる)アイデンティティがはっきりしていてこそ、新しいことにも挑戦する気持ちや行動が生まれるものである。「希望」の有無には、いくつかのファクターとの「関係性」、他者との「関連性」がある。しかし重要なことは、集団(職場)の内外との "Weak Ties" により、お互いの違いを持ち寄り、共有することで新たな希望のある発想や可能性が生まれてくることである。つまり、立場を超えて「話し合うこと」である。 そして、失敗や無駄を恐れず、「自らの挫折を物語として語れる人ほど、明るい希望を持つ」という。
    勉強が「分からないことに慣れる練習である。しかし、簡単に諦めないための練習でもある」という筆者の考え方に、何か目から鱗が落ちる思いであった。

  • 情報の正確さ、証拠不足を感じさせる。そのため、説得力に欠けていると思った。とくに宗教については、知識不足が感じられあまり深く学ばれていないように思う。希望に関することだけではなく、宗教についても深く研究し、書き直したほうがよいと思う。

  • 希望学という言葉が気になったので読みましたが
    ちょっと内容があっちに行ったりこっちに行ったりで読みにくかったです。

    ただ一つ。2006~2008年に行われた岩手県釜石市での調査というのがとても興味深く、詳しく知りたくなったので、「希望学」の2巻、3巻(東京大学出版会)は読んでみようと思います。

  • 当たり前と言えば当たり前なのだけれど、希望について考えるためのヒントがつまっていた。

    希望は物語のかたちをとる。
    現在が苦しいから、かなうかどうかにかかわらず、希望を持つ。
    希望を持てるための条件として、挫折を乗り越える経験、無駄を切り捨てない遊び、ウィーク・タイズなどが挙げられていた。地域の活性化という側面からの研究にも興味を持った。

    実践的なことでいえば、前々から気になっていた「頑張れ」と「大丈夫」の使い方については参考になった。

  • 2016 奈良教育大学 教育学部 学校教育教員養成課程 教育発達専攻 特別支援教育専修
    2022 広島大学 教育学部 第一類(学校教育系) 初等教育教員養成コース 小論文 後期文科系・後期理科系
    2023 大分大学 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース  心理学コース  理学療法コース 小論文 前期

  • 2016 奈良教育大学 教育学部 学校教育教員養成課程 教育発達専攻 特別支援教育専修
    2022 広島大学 教育学部 第一類(学校教育系) 初等教育教員養成コース 小論文 後期文科系・後期理科系
    2023 大分大学 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース  心理学コース  理学療法コース 小論文 前期

  • わかった様な、わからない様な。
    核心に触れた様な、触れない様な。

  • 「かつて、希望は前提だった」。
    とても印象に残る出だしで、ついつい読んでしまった。
    "希望とは何か" を突き詰めて希望学を生んだ著者の唱える論理は、なかなか咀嚼できない。
    でも希望は「無駄」を全てなくしたら、失われてしまうという話は面白かった。

    オススメ度:
    ★★★☆☆

    ノブ(図書館職員

    所蔵情報:
    品川図書館 304/G34

  • 超斜め読み

    Hope is a wish for something to come true by action

  • 希望は、良い将来を思い浮かべて試行錯誤することから生まれる。
    プロビット分析
    わからないものを理解不能として切り捨てず、予測できないもの、としてそのまま扱う。
    壁の前でちゃんとうろうろする、すると誰かが助けてくれたり、どこか隙間が見つかったり、地震で壁が壊れたりする。

  • 304

  • ある種、(ライトであるが)哲学を論じているような本で最初は少し取っつきづらくページの進みも遅かったが、中盤から一気に読めた。筆者は「希望」という観点について、丁寧に優しく文脈にも繋がりをもってまとめられている。かなりの時間を割かれて深く深く研究されたものを、私のようなこの種の本にあまり触れなかった平凡な人間にとってもわかりやすさを意識して執筆されたと推察。2010年に刊行された本であるが、まさにコロナ禍の今、手にしてよかったと感じた一冊。さまざまな言葉、さまざまな事例。とっておきたい一冊。そして、伝えたい一冊。どこか改めて感想を記しておきたいなあと思えた。

  • 希望を学問として研究されている方が書いた本
    希望を定義し、希望が失われた背景、希望を取り戻すためのヒントを紹介しています

    筆者が現実的な希望は、仕事の打ち上げをすること と書かれていたことに、とても共感しました 

  • 無駄もいいじゃん。自分がまだ気づいていない何かに出会うためには、無駄に見えるものをすることが、積極的な行為になる。無駄がその人に豊かな魅力をもたらす。

    壁にぶつかったら、壁の前でちゃんとウロウロする。ちゃんとウロウロしていれば、いつか壁の向こうにいける何かが起こる。無駄を恐れない。

    絶望の反対は、ユーモア。ユーモアさえあれば、事態は好転する。遊びと無駄を大切に。

  • 遠回りして、無駄を無駄と思わずに無駄なことをやっていれば希望に巡り合う。

  • ★本書のメッセージ
    困難に直面したときに「希望」は訪れる。希望は、探しつつづけることに価値がある

    ★読んだきっかけ
    好きな本である「働く理由」に紹介されていたため

    ★本の概要・感想
    労働経済学者である弦田氏による「希望」の研究。希望とは何か、どのようなときに希望は訪れ、そして去っていくのか。
    東日本大震災前に書かれた本。ただ、読んでいると自然と震災のことをイメージする。どんな困難にあっても、人々は希望を必要とし、そのために前向きに歩み続けたい。

    ★本の面白かった点、学びになった点
    *希望は「探し続けること」が大事
    ・当初の希望が無くなったり、打ちのめされたりすることはあると思う
    ・しかし、これまで仕事上に大きなやりがいを感じてきた人たちは皆「希望を修正させてきた」という人。当初の希望を達成させたわけではない
    ・だから、希望は探しつづけよう、求め続けよう

    *大学や学部を選ぶときには、自分が得意そうだという基準で選ぶことをお勧めしない
    ・むしろ、よく分からないんだけど、気になって仕方がないことを専攻に選んだ方がいい
    →分かりたいけど、分からない、そういう仲間と出会うことができるから。そういう仲間と出会えるのはとても貴重なことだから

    *日本では仕事に希望を求める人が多いが、仕事に充実感を抱いている人の特徴として、仕事以外のつながりが多いと分かった
    ・仕事以外の「弱いつながり」こそが、普段の仕事を充実させる
    ・だからこそ、弱いつながりは重要。逆説的に仕事に良い影響を与える
    ・仕事以外に居場所があると、より心を豊かにして安心して取り組めるのだ

    *希望は挫折から生まれる
    ・岩手県釜石市ほど、希望について話を聞けるところはない
    ・自然災害や経済の変化によって、町の産業は何度も衰退したが、そのたびに復活を遂げてきた
    ・そのような、何度も挫折を経た場所こそ、希望について語る人が多い

    *希望は修正できる
    ・無駄な努力などない、すべての経験と事柄に意味があると考えている人のほうが、希望を持って生きている

    *大学の4年間くらいは、すべての人が幸せに生きるためにはどうすればいいのか、考えながら学生生活を送ってほしい

    *人生で大きな壁にぶつかったときに、大切なことは一つ。ウロウロすること
    ・大きな壁や問題を乗り越えようとしなくていい
    ・時には、逃げたりすることもいいだろう
    ・そんなときに、逃げるタイミング、回り道を探すために、大事なのは、ウロウロすることなんだ

    *今、人生に希望が持てないのだとしたら、希望を作るための4要素を思い出そう
    ・気持ち
    ・何かー自分にとって大切な何か、事柄
    ・実現ー達成ビジョン
    ・行動

    ●学んだことをどうアクションに生かすか
    ・大きな壁にぶつかったときに、ウロウロする
    ・また、苦しい時、辛くなった時に、読み返したい、希望を持ち直したい
    ・弱いつながり、友人や家族を大切にしたい。そして、柔軟に希望を変更し続け、生き続ける

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著者プロフィール

東京大学社会科学研究所教授

「2020年 『地域の危機・釜石の対応 多層化する構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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