太陽系大紀行 (岩波新書)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004312796

作品紹介・あらすじ

はやぶさ、ボイジャー、かぐやなど、多くの探査機が惑星やその衛星、小惑星などを訪れ、私たちの想像をはるかに超える姿を伝えてきた。活火山が火を噴く木星の衛星、無数の細い環からなる土星の環、強風が吹き荒れる金星の大気、水の流れた痕のある荒涼とした火星の大地など、太陽系グランドツアーへのご招待。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい文体とあふれる宇宙への愛でとてもワクワクしながら楽しく読むことができた。

  • (2014.07.28読了)(2012.10.26購入)
    小惑星探査機「はやぶさ」が地球に戻ってきたのは2010年6月13日のことでした。せっかく戻って来たのに、本体は、大気圏突入の際に燃え尽きてしまいました。小惑星イトカワの微細なかけらの入ったカプセルは、オーストラリアの砂漠に落下し無事回収されました。
    あれから4年過ぎたのですが、持ち帰った微細なかけらから何がわかったのでしょう。発表が待たれるところですが、聞いてもわからないことばかりかもしれません。
    この本は、1957年に人工衛星が打ち上げられてから「はやぶさ」に至るまでの間に、太陽系の惑星やその衛星にどのような探査が行われ、どのようなことが分かって来たのかをまとめたものです。
    その時々で話題になったことではあるのですが、まとめて読んでみると、ああそんなこともあったなあ、とか、ええっ、そんなことがあったのと、知らないこともあります。
    惑星探査に興味のある方にお勧めです。

    【目次】
    まえがき
    第1部 宇宙への船出
    第1章 月をめざす
    第2章 宇宙人へのメッセージ
    第3章 ボイジャーのはるかな旅
    第2部 惑星の素顔に迫る
    第4章 本格派探査機の登場
    第5章 二一世紀の宇宙探査
    第3部 私たちの太陽系
    第6章 大地をもつ者たち
    第7章 ガスにおおわれし者たち
    参考資料
    付表 太陽およびその惑星
       惑星・準惑星の主な衛星
       その他の天体など
       太陽系探査略年表

    ●惑星探査(ⅰ頁)
    1957年に初めての人工衛星が打ち上げられてから50年あまり。地上の望遠鏡がとらえたぼんやりした写真と物理的なデータ以外、私たちが手にすることのできなかった太陽系内のほかの惑星・衛星などに関する情報は、探査機がその天体の間近まで行って観察することで飛躍的に増大した。新たに探査機が飛ぶたびに、目の前のベールが一枚一枚めくれていくように、想像もできなかった惑星・衛星の姿が明らかになっていった。
    ●中国とインド(ⅱ頁)
    アメリカとソビエト(現ロシア)の二大国が先導した太陽系の探査は、80年代半ばに日本とヨーロッパが参加し、21世紀に入って中国とインドが月探査に乗り出すなど、大きく様変わりしつつある。
    ●アポロ計画(21頁)
    アポロ11号からアポロ17号まで、合計六回12人を月面に着陸させることに成功した。そして、400キロ近くの月の石を持ち帰った。
    ●太陽系(136頁)
    太陽系は、恒星である太陽と、そのまわりを回る、八つの惑星、五つの準惑星、200以上の衛星、何百万もの小惑星、無数の太陽系外縁天体と彗星、そして太陽系内を漂う惑星間チリで構成されている。主に水素とヘリウムからなる太陽は太陽系の質量の99.86パーセントを占め、核融合反応によって水素をヘリウムに変換することで、大量のエネルギーを生み出し、明るく輝いている。
    ●地球型惑星、木星型惑星(136頁)
    八つの惑星は、地球型惑星(水星、金星、地球、火星の四つで、内惑星と呼ばれる)と、木星型惑星(木星、土星、天王星、海王星の四つで、外惑星とも呼ばれる)の二つのグループに分けられる。地球型惑星はいずれも岩石質で、金属でできた中心核、ケイ酸塩などからなるマントルと地殻で構成される。一方、木星型惑星は、中心に岩石質の核はあるが、そのまわりをガスが取り巻き、固い表面を持たない巨大ガス惑星である。木星型惑星はいずれも環をもっている。
    ●地球(151頁)
    十分な質量があるおかげで大気を引きとめておくことができ、太陽からちょうどよい量のエネルギーを受け取る位置にある地球は、液体の水が存在できる唯一の惑星である。そして、多様な生命が生息可能な環境に保たれた、奇跡のような惑星である。さまざまな条件がわずかでも違っていたら、地球は今とはまったく違った惑星になっていたかもしれない。

    ☆関連書籍(既読)
    「君について行こう(上)新装版」向井万起男著、講談社+α文庫、2010.09.20
    「君について行こう(下)新装版」向井万起男著、講談社+α文庫、2010.09.20
    「クイズ宇宙旅行」中冨信夫著、ブルーバックス、2007.02.20
    「はやぶさ」吉田武著、幻冬舎新書、2006.11.30
    「小惑星探査機はやぶさの大冒険」山根一眞著、マガジンハウス、2010.07.29
    「小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡」的川泰宣著、PHP研究所、2010.10.05
    「小惑星探査機はやぶさ物語」的川泰宣著、生活人新書、2010.10.10
    「小惑星探査機はやぶさ」川口淳一郎著、中公新書、2010.12.20
    「はやぶさ、そうまでして君は」川口淳一郎著、宝島社、2010.12.24
    「ハレー彗星の科学」的川泰宣著、新潮文庫、1984.03.25
    「月をめざした二人の科学者」的川泰宣著、中公新書、2000.12.20
    「小惑星地球異常接近」金子隆一著、光文社、1994.06.30
    ☆野本陽代さんの本(既読)
    「星は生きている」野本陽代著、筑摩書房、1987.08.25
    「あなたも宇宙人」野本陽代著、筑摩書房、1990.11.05
    「ハッブル望遠鏡が見た宇宙」野本陽代・R.ウィリアムズ著、岩波新書、1997.04.21
    「続ハッブル望遠鏡が見た宇宙」野本陽代著、岩波新書、2000.09.20
    (2014年8月2日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    はやぶさ、ボイジャー、かぐやなど、多くの探査機が惑星やその衛星、小惑星などを訪れ、私たちの想像をはるかに超える姿を伝えてきた。活火山が火を噴く木星の衛星、無数の細い環からなる土星の環、強風が吹き荒れる金星の大気、水の流れた痕のある荒涼とした火星の大地など、太陽系グランドツアーへのご招待。

  • ロマンがあふれる文章で素敵だった。だって、太陽系大紀行だよ。もうタイトルからしてロマンチック。

  • この書籍では、人類の宇宙進出黎明期から「惑星探査機 ボイジャー」逸話から「はやぶさ」の「小惑星イトカワ」なども書かれ、また、少ないが太陽系の惑星の話が書かれています。

  • 2010年刊行。準惑星群、土星の衛星タイタン、エンケラドス、金星が興味深く、新しい知見が多そうである。太陽系の全体にわたっての記述があるので、手近に取ってみるには有益な一書。

  • 第3週 1/25(水)~1/31/(火)
    テーマ 宇宙の不思議

    ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00173231

  • 文庫本なのでカラー写真などに制約があるのはしょうがないですが、写真・図解を上回る文字によって分かりやすく解説されています。米ソの宇宙開発競争から各惑星探査の歴史、太陽系を構成する天体の特徴まで一冊で網羅しているので楽しく読むことが出来ます。

  • 「あかつき」による日本の金星探査は失敗に終わったけど、宇宙への冒険は続けてほしい。が、それもカネ次第。どんなにロマンあふれる冒険でも、予算がなければ、実現できない。

    この本は人類の太陽系探求の歴史を記しているが、研究と予算の駆け引きも生々しい。探査機の最終目的地は土星なのに、航行中の予算カットにより、木星で打ち止め。そんなプロジェクトもある。ロマンとカネは表裏一体なのだ。

  • ニュースからの断片的な情報や、学習による知識が改めて整理できた。
    知っていたようで知らないこともあり、宇宙については未知のことが多いことも改めて知りました。

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