中国エネルギー事情 (岩波新書)

  • 岩波書店 (2011年1月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004312895

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プレミアム

みんなの感想まとめ

中国のエネルギー事情に関する詳細な情報が豊富に集められており、特にエネルギー供給の現状や課題についての理解が深まります。石炭に依存するエネルギー供給や、国土の広大さからくる資源の分布の難しさ、さらには...

感想・レビュー・書評

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  • 2011年刊行。著者は帝京大学准教授。中国の現代エネルギー事情を、外交、資源獲得競争、リスク分散、電力安定供給、経済発展と必要な資源、国内事情と絡め、石油・天然ガス・石炭・その他再生可能エネルギー・原子力など資源毎に検討。提言的叙述は少なく、現状を淡々と解説し、好奇心を駆り立てる書ではないが、情報として一読に如くはないかも。ただ、電力安定供給の要請と電気料金の自由化を連環して論じる点は違和感。電力価格の低廉化は、複数の電力供給会社による価格競争を要するが、インフラ的に現代中国がそこに到達しているかは疑義。
    なお、本書はフクシマ前の書だが、事の是非はともかくとして、中国はおそらく原子力発電の導入スピードを緩めることはないだろう。それほどエネルギー事情は逼迫している。格差の逓減・石炭を軸とする化石燃料依存による環境負荷の逓減・経済発展による安定的な国政運営(はっきり言って権力側の都合という面は大)の必要性という点を淡々と述べる本書からは、そう伺える。

  • 「経済学において、エネルギー資源は最も重要な生産要素の一つである」——これは本書のあとがきの最初のセンテンスだけではなく、この本を書く理由及びエネルギーに対する研究の意味の所在でもあろう。

    本書は中国の経済の高度成長及びそれによるエネルギー政策から語り、伝統的なエネルギー資源(石油、天然ガス、石炭)から、再生エネルギー(太陽光、風力、水力)、原子力まで分析してきた。図表、データ、経済発展の事例をたくさん書いてある本であるから、読者によるつまらないと感じる可能性もあると思う。そうだとしても、自分はこの本を選んだ。『ポスト戦後社会』のプレゼンテーションはその原因であろう。当時、自分は資源開発と環境保護についての部分を担当した。だから、この本を見て、中国の場合はどうだったかなと思って、読み始めた。

    少し気になった内容は二つある。一つは、第九章第五部の「原発「大国」から原発「強国」へ」である。原子力は確かに効率のよいエネルギーであるが、今まで米国、ソ連、日本三国の原子力発電所で事故が発生した。米国の場合は設備の問題で、ソ連は人為的なミスが原因となり、理論的には回避できる可能性がある。しかし日本の場合は、予測不能の災難である。丁度この本の出版日は東日本大震災のおよそ2か月まえである。もし著者が東日本大震災をみていたら、原発「強国」への意欲は変化するのではないかと私は思っている。

    もう一つは、本の中に中日関係について「日中エネルギー・環境協力は、両国のエネルギー安全保障のためだけではなく、両国の持続可能な社会経済発展ひいては信頼・共生関係を築くための重要なステップでもある。(中略)さらに将来的には東アジア共同体の構築・実現を推進することにつながろう」と書いている。もちろん、東アジアの国々は様々な歴史的問題、領域問題があり、経済のために政治を放置するのは難航であるが、すでに欧州連合の実例があり、東アジア共同体の構築は不可能とは言えないと思う。

    過去だけを見つめていると、前へ進めないに違いない。

  • 中国では良質なエネルギー資源が不足し、エネルギー供給は石炭に依存し供給能力の拡大が困難。国土が広大で資源の分布が難しい。
    中国は世界しだいの原油生産、供給先である中東かrの原油輸入をますます拡大せざるを得ない。
    中国はエネルギー安全保障の観点から見る必要がある。

  •  中国のエネルギー事情の情報が結構細かく集められている。

     ただ、深い情報となるとそこまで細かく記されていないのが難点、具体的に言うと原油の国内市場価格と国債市場価格について、電気料金、パイプライン輸送に踏み切った理由、ビジネス的な利益が望めるからなのか、外交的利益を重視したのかなど。

     ただ、情報量はものすごいので読んで損することは絶対にありえない。

  • 中国のエネルギー事情について詳細な記述が淡々と続く。

    あまり読み物として面白いものでもないような・・・

  • ゼミの課題で読みました。
    いろいろな話が載っており、今まで興味のなかった話にも関心を持つことが出来ました。

  • 巨大国家中国の動向が世界経済に与える影響は大きく、特に中国のエネルギー事情の影響は計り知れない。
    奇しくも東日本大震災で原発事故が起きて、中国のエネルギー政策はどう変わるのだろう。
    考えさせられる。

  • amazonをよく利用している友人の紹介で、購入しました。 ちょうど子供が卒業論文を書いているところで、電車の中で一気に読ませて頂きました。 豊富なデータ及び分からなかった中国のエネルギー事情をよく紹介してくれました。大変参考になりました。 

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号501.6/Ka28

  • 事実というか数値データの羅列ばかりで読みづらいところが多々あります。そういう部分はポイントだけを文章にし、あとは表などで見せればよいと思いますが、延々と文章で書いているのでかなりくたびれます。その割に分析的な部分が少なく、もう少しそういうところを読みたかったです。ただ、日本人のやや感情論に流されがちな一部中国ウォッチャーの論著に比べると、冷静な記述だったと思います、若干、中国に甘いきらいは感じるものの。ただ、なによりも、これからのクリーン・エネルギーにとって最も重要な原子力が、東日本大震災のせいで、白紙に戻ってしまっているのではないかということが気になります。著者に責任はありませんが、震災前の著作なので、この点は見通しが楽観的すぎるのかも知れません。

  • ちょっと読みにくかったです。特に数字が漢数字で書かれているので、イマイチ数として把握しにくかったです。中国の石油に関する記述は初めて知りました。国土が広大であるため、自国で石油は膨大に取れると思っていましたが、消費量も膨大であるため、石油輸出国であると同時に石油輸入国であることを知りました。また、石炭の使用率がとても高いことにも驚きました。日本では、現在はもうあまり石炭を使っていませんが、中国ではまだまだ使っているということを知りました。今現在、中国は原子力発電に力を入れていて、世界各国からの商品及び技術をまるまる輸入していることを知りました。今はまだ技術が劣るかもしれないけれども、今後国家戦略を帯びているこの事業では台頭するかもしれません。

  • 申し訳ないが「斜め読み」をした。データはグラフ・表で充分。データを全て文字にする必要はない。要するに「自慢」と「弁解」が主題。もちろん、経済における中国の戦略的手法を日本は大いに学ぶ必要はある。、

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著者プロフィール

郭 四志(かく・しし):1958年、中国・大連生まれ。大連外国語学院(大学)日本語学部卒。吉林大学大学院国際経済研究科修士課程修了。法政大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了(経済学博士)。現在、帝京大学経済学部教授。専門は国際経済、中国経済、エネルギー経済。著書『産業革命史』(ちくま新書、2021年)、『中国エネルギー事情』(岩波新書、2011年)、『中国原発大国への道』(岩波ブックレット、2012年)、『米中摩擦下の中国経済と日中連携』(編著、同友館、2019年)など。

「2023年 『脱炭素産業革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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