赤ちゃんの不思議 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 200
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313113

作品紹介・あらすじ

無邪気な笑顔で周囲を魅了する赤ちゃん。脳科学・認知科学の研究が進むにつれ、その驚くべき能力が明らかになってきた。生まれた直後に母親を認識できるのか。テレビやロボットはどう捉えているのか。早期教育は有効なのか…。「赤ちゃん学」の最新の知見を紹介し、激変する養育環境が、乳児の発達にどう影響するのかについて論考する。

感想・レビュー・書評

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  • この本は赤ちゃんがうちにいる今こそ読むべきと思い手にとった。赤ちゃんは意外といろいろわかっているということを、薄々は感じていたのだが、確信に変わった。例えば衝立などで視線を遮りその向こうに積み木を1つ置く、そこにもう一つ追加する様子を見せて、衝立を外す。そこにあるの積み木の数はもちろん2つ。これを仕掛けで1つだけにして見せると赤ちゃんは不思議がる。あれ?2つじゃない、と思うのだ。言葉も喋れない赤ちゃんが(もちろん数の概念も言葉ではわからない)どうやって知るのだろうか。うちにいる10ヶ月の赤ちゃんも毎日様子が変わる。表情、仕草はどこからくるのだろうか。ほんとうに赤ちゃんは不思議。

  • 赤ちゃんをアカデミックな観点で見るのはなかなか難しいが、その行動や反応について根拠があるだろうものは、知っておいたほうが良いと思う。

  • この50年ほどの赤ちゃん研究でわかっていることがまとめられている。まず、赤ちゃん学は、地道な研究とともにゆっくりと進んでいる。脳と心の関係がこの本の時点で最新である。赤ちゃんという研究対象は協力者がいてこそ成り立つが、その環境をつくることにまずは多大な努力を要すること、それがわかった。

    研究を拡大解釈して、巷に出回っている事例などはその真偽に惑わされないために役立つ。また、研究成果が実際の子育てに還元されて行くのは、これからである。

  • 赤ちゃんに関する研究などをまとめた本。世の中でもっともらしく語られていることも、実はまだ研究途中なことが多く、それに縛られる必要はないのだとラクになれる。■何もわかっていないような赤ちゃんでも、実は多くの能力をすでに備えているようで、これからの研究に期待したい。

  • ☆3.5
    納得できる本。
    特に、実験方法の問題点も隠さずちゃんと書いているところに、著者の科学者としての心意気が感じられ好感が持てる。
    ひとつ前の「赤ちゃんと脳科学」という本はエビデンスに乏しく、根拠の薄い著者の「意見」が多かったのに対し、こちらはデータも新しく、根拠が明確だよ。

    ただ、著者の主張は「赤ちゃんと脳科学」と共通している。
    つまり、赤ちゃんを「真っ白」なキャンバスと親が思い込み、親の好き勝手に色を塗りたくっていくのではダメ。
    産まれた瞬間から、色とりどりの滲んだ色がふんわり乗っているキャンバスを、親がよく観察して、小筆で輪郭を描き足していくようなもの。より鮮やかな色は、赤ちゃんの側からどんどん溢れ出てくる。
    それが、子育ての良い方向なんじゃないかと。

    うまれつき描かれてあるイメージを捉えて、大人になって素晴らしい絵に仕上がるよう、活かすこと。何も見ずに上書きして、台無しにしないよう注意しないとなあ、と強く思ったよ。

  • 専門的な研究デザインの説明は少し読み辛かったけど、6カ月児が利他的行動をとる対象を好んだり、5ヶ月児でも永続性の概念があるかも…等々興味深い内容でした。乳児を抱っこする時、母の左側に頭がくるようにするのは、無意識に心音を聞かせようと思っての行動だと思っていたので、右胸心でも左抱きが多い事にビックリでした。

  • 脳科学、認知科学の方法論。
    赤ちゃんを研究対象にすると一つ一つのデータを如何に解釈するか、独特の検証方法を他の実験結果とどう紐づけるか難しいです。

    真っ白な赤ん坊は万能の可能性を秘めてるなんて早期教育の勧めもあるけど、生きる為に必死に新しい世界に順応しようとする子供に親のエゴは押し付けたくないなーと思ったり。

    生まれて初めて五感を通じて受ける刺激を一生懸命処理しようとしてるんだなー。偉いなー凄いなー。
    とまぁ、検証と実験中心の本だけど、色々と考えるきっかけを貰いました。

  • けっこう難しい本というか、赤ちゃんてこんなすごいんだよ!という感じでなく、その結論のための、赤ちゃんの認知に関する研究方法が分かる。
    赤ちゃんが何を考えてるか、何を分かっているかを見極めることは、確かに少し考えればわかることだけどけっこう困難。そこで取り入れられてる方法が、一条件だけ変えた複数の対象に対する注視時間の差異の分析や心拍などの生理的な変化をみる方法。注視時間は特に指標として用いられることが多いけれども後の章ではこの方法の限界も解説されている。
    馴化ー脱馴化法の仕組など理解をがんばらないとならない言葉も幾つかあったけど、赤ちゃんが映像と現実を区別している幾つかの実験結果や、他者の表情から受ける影響、生後6ヶ月頃までは日本人の赤ちゃんもLとRを聞き分けられるけどその後聞き分けられなくなるなど、いろいろ面白い。実験方法やその限界まで記述してくれてるので、一つの結果からどこまで言えるかということも考えられて、よい。ほかにも、妊娠中には(ラットやサルによる研究によれば)学習能力が上がるという話や、赤ちゃんの脳の発達の様子など(胎生5ヶ月まではシワはなく滑らかな脳の表面だけど6ヶ月の今頃から少しずつシワができてくらしい)、面白かったです。

  • 自分が10歳の時に初めて甥が出来て、今ではもう6人目となります。ちょっと会わないうちに首がすわる、立って歩く、また喋ったりと成長がとても早く感じます。ランドセルを背負う頃には何か寂しい気持ちになりますね(笑)。こんな時赤ちゃんの成長がふと気になってこの本を買いました。自分的にはか弱い存在である赤ちゃんが物凄い学習能力を持つことを知って、非常に驚かされました。赤ちゃんの前で下手なことは出来ないですね(笑)。まだ多くの謎が残されていますが人間の優れた能力を垣間見えたような気がします。

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プロフィール

開 一夫
開 一夫:東京大学大学院総合文化研究科教授


「2016年 『脳波解析入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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