- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313113
作品紹介・あらすじ
無邪気な笑顔で周囲を魅了する赤ちゃん。脳科学・認知科学の研究が進むにつれ、その驚くべき能力が明らかになってきた。生まれた直後に母親を認識できるのか。テレビやロボットはどう捉えているのか。早期教育は有効なのか…。「赤ちゃん学」の最新の知見を紹介し、激変する養育環境が、乳児の発達にどう影響するのかについて論考する。
感想・レビュー・書評
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赤ちゃん学に関する網羅的な内容。赤ちゃん学の本を初めて読む人には良いのだが、個人的には各研究や実験についてもう少し踏み込んで記載してあるとよかった
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赤ちゃん科学がどれだけ発展してきたか
どんな課題が残っているか
そんな研究の状況が割と詳しく書かれてた
氏か育ちか
赤ちゃんの能力は計り知れないと改めて思った
備えているものもあれば、
生まれた後の経験によって削られ磨かれてくものもある
大人になると自分の限界を勝手に決めてしまうけど、
赤ちゃんには無限の可能性があると思ってしまう
希望を持ちつつ、押し付けすぎないように気をつけよ -
生まれたての赤ちゃんでも、想像以上に認識できることが多くて驚きました。
自分と同じ行動をするものを好ましく思ったり、いじわるなキャラクターとそうでないキャラクターの区別が出来たり、そういったものは環境やしつけの中で身につく後づけのものかと思っていたけど、社会的動物である人間には本能的に身に付いているものなんだなあ。
大人は赤ちゃんは真っ白なキャンバスでこちらから何かを与えないと何もできないと思いがちだけど、赤ちゃんが(人間が)本来持っている力を信じて、親たちが肩肘張りすぎないのも大事かもしれない。放っておいても(実際には無理だけど)健やかに育って行くかもと思ってなんだか気持ちが軽くなりました!
興味深かったことは読書メモ参照 -
申し訳ないです。新しく得られるものがありませんでした。
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赤ちゃんの能力を様々な研究から紹介。
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日進月歩する赤ちゃん学に関する諸説をまとめた新書。
模倣と共感に関する考察が個人的には印象に残っている。
以下引用。
赤ちゃん時代から幼児期,学童期にいたるまでの発達過程において「模倣」はネガティブなものではなく非常に重要な意味を持ちます。
(中略)
新たな行動やスキルの獲得は,主に「模倣する」側だけに着目していますが,コミュニケーションの側面から考えると,「模倣される」側の視点も重要となってきます。
pp115-117 第4章「わたし」はいつから「私」なのか
しかし,(高次の)模倣は,真似しようと思えば真似できるのに対して,共感の場合は,共感しようとしてもできない場合もあります。
pp121 同上
筆者は,「共感を不可避的であり自分自身の意志でコントロールできないもの」とまとめている。
つまり,「氏か育ちか」の側面でいえば,「氏より」の感覚なのであろう。
しかし,私は共感も「育ち」の部分である程度カバーできると考える。
先程の筆者の言葉を借りるなら,「共感しようと」することで,相手のことを思いやる素地が養われ,またその経験を重ねるうちに少しずつ共感の意味を見出せるのではないか。
私自身も共感する力の低さを覚えている。
近年言及されている「主体的」の本質を捉えられるようにしたい。 -
「3歳児神話」の嘘と真を見極める、の項目が興味深かったです。「赤ちゃん学」の最新の知見が紹介されていますが、2011年の発行なので、今はもっといろいろなことが明らかになっていることでしょう。続編を期待します。
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赤ちゃんをアカデミックな観点で見るのはなかなか難しいが、その行動や反応について根拠があるだろうものは、知っておいたほうが良いと思う。
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この50年ほどの赤ちゃん研究でわかっていることがまとめられている。まず、赤ちゃん学は、地道な研究とともにゆっくりと進んでいる。脳と心の関係がこの本の時点で最新である。赤ちゃんという研究対象は協力者がいてこそ成り立つが、その環境をつくることにまずは多大な努力を要すること、それがわかった。
研究を拡大解釈して、巷に出回っている事例などはその真偽に惑わされないために役立つ。また、研究成果が実際の子育てに還元されて行くのは、これからである。 -
赤ちゃんに関する研究などをまとめた本。世の中でもっともらしく語られていることも、実はまだ研究途中なことが多く、それに縛られる必要はないのだとラクになれる。■何もわかっていないような赤ちゃんでも、実は多くの能力をすでに備えているようで、これからの研究に期待したい。