感染症と文明――共生への道 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313144

作品紹介・あらすじ

感染症との闘いは人類に勝利をもたらすのか。防疫による封じ込めは、大きな悲劇の準備にすぎないのか。共生の道はあるのか。感染症と人類の関係を文明の発祥にさかのぼって考察し、社会が作り上げてきた流行の諸相を描き出す。共生とは理想的な均衡ではなく、心地よいとはいえない妥協の産物ではないのだろうか。

感想・レビュー・書評

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  • 「疫病と世界史」の副読本第二弾として読んだが、
    わかりやすかった。

    「疫病と…」と同じく歴史の流れに沿った章立てであること、
    具体例が丁度良い数とボリュームなことが、
    その理由と思われる。
    もちろん、
    大著である「疫病と…」に比べると物足りない感はあるが、
    副読本としては最適。

    一番印象的だったのは、
    1875年のフィジー諸島での麻疹の流行。
    オーストラリア公式訪問で感染したにもかかわらず、フィジーの王と王子は各地の族長と帰国を祝い、
    その族長たちが10日間の祝いの席から帰郷したことにより、
    フィジー諸島全体に全域に麻疹が広がることになった。
    その致死率25%、太平洋最大の悲劇だそうだ。

    しかし、この種の本をあまりに立て続けに読んだせいか、
    血を吸って赤く光るノミが、
    無数に部屋にいる夢を見たのには閉口した。

  • 勉強用。

    共生とは理想的な適応ではなく、決して心地よいとはいえない妥協の産物なのかもしれない

    心地よくない妥協の産物だとしても、共生なくして、私達人類の未来はないと信じている。

    基本再生指数=

  • 中々考えさせられる内容であった。結局イタチごっこに近い面があり、本当の意味での感染症に人類が勝利することはないのかもしれない。

    ただ、多くの地域で寿命が延びているのも事実だし、根絶された感染症もある。本書を読むまで、なんとなく人類は病に対して勝利を収めつつあるのかと思っていたが、そんなに単純なものでもないのを初めて知った。

  • k

  • 普段読むのとは全く違った畑の新書でしたが、わかりやすくて面白かったです!

    狩猟採集民の頃の方が感染症が少なかったと思われるのは本当に驚き。
    今の方が人間生きにくいのかも知れないですね。

  • S493.8-イワ-R1314 300165263

  • 感染症の歴史と、文明に与える影響について記述した一冊。
    これまでの歴史書の中で、感染症について細かく記述したものはなかったので、非常に勉強になった。

    そして最後の「共生とは、理想的な適応ではなく、決して心地よいとはいえない妥協の産物なのかもしれない」という一文が、とても印象に残った。

  • 新書だから、と軽く読み始めたら思いがけず内容が濃くて、読むのに時間がかかってしまった。古代から現代までの感染症の歴史と、今後人類は感染症とともにどう生きるべきか、という壮大なテーマ。

    狩猟採集から農耕へという暮らし方の転換から始まり、領土拡大や戦争、交易、そして開発といったような「人が大量に移動すること(しなくなること)と」感染症の関係の深さ、ウィルスの「適応」機能が高度でかつ洗練されていることが印象に残る。

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著者プロフィール

長崎大学熱帯医学研究所・国際保健分野主任教授。1990年長崎大学医学部卒業。長崎大学大学院博士課程病理学系専攻修了(博士医学)。東京大学大学院医学系研究科博士課程国際保健学専攻修了(博士国際保健学)。京都大学、ハーヴァード大学、コーネル大学、および外務省勤務等を経て現職。著書に『ハイチ――いのちとの闘い』(昭和堂)『感染症と文明』(岩波新書)『新型インフルエンザ』(岩波新書)ほか、翻訳書にジャック・ペパン『エイズの起源』、マーティン・J・ブレイザー『失われてゆく、我々の内なる細菌』、マイケル・L・パワー/J・シュルキン『人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学』(以上みすず書房)ほかがある。

「2017年 『人はなぜ太りやすいのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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