福島 原発と人びと (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 177
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313229

作品紹介・あらすじ

全世界に衝撃を与えた福島第一原発のメルトダウン事故。発生直後から現地取材を重ねてきた著者が、地元住民、事故処理に携わる作業員、避難した人びと、放射能の不安のなかで暮らす子どもたちの声を、克明に報告する。政府・東京電力は何を隠したのか。チェルノブイリ事故からいま学ぶべき教訓とは何か。写真多数。

感想・レビュー・書評

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  • 震災直後の混乱がだんだん整理され、事態の骨組みだけが記憶に残って行くのだろうか?被災者の人々、事故処理に携わった人々の証言が超混乱の時期を思い出させる。チェルノブイリとの比較があるが、被害の実態は長い年月を経て明らかになってくるのかと思うと、改めてこわい。昨年八月の発刊。その頃に比べても事態は変化している。

  • 2011年12月
    ・福島原発事故の影響を,周辺市民の方々目線や著者の視線で描いている.一般の方々が如何にこの事故を受け止めておいるかが分かった.
    ・所謂”安全厨”(国や政府,””御用学者”など)の判断を痛烈に批判し,各自で判断する事の重要性を説いている.
    ・著者は科学の判断に疑問を呈していると私は感じた.確かに医学(統計学)や工学を超えた問題を福島事故は我々に突き付けており,日本人はその問題を緩和する方策を発見しなければならない.

  • 故郷、福島で被災した当時はライフラインが止まっていたため、原発の情報はラジオだけでした。そのとき本当はどんな状態だったのか...それを確かめたくてこの本を読みました。
    正直読んでいて涙が出ました。
    震災から半年以上が経っても原発のことで心の傷が深くなっている気がします。
    この本を読んで、当時の状況を知ることが出来て良かった反面、つらい現実も知りました。

    福島の人も、その他の県の人も是非とも読んで欲しい本です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「つらい現実も知りました。」
      政府も東電も頑張っていると思いたいけど、、、実際は、どうなの?と問いたいです。
      「つらい現実も知りました。」
      政府も東電も頑張っていると思いたいけど、、、実際は、どうなの?と問いたいです。
      2013/03/19
  • カテゴリ:図書館企画展示
    2016年度第9回図書館企画展示
    「災害を識る」

    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

  •  チェルノブイリ原発事故の取材と救援活動を20年以上つづけてきたフォトジャーナリストが、福島第一原発の事故直後からの現地取材をまとめた、迫真のルポルタージュ。

    《役場の周辺で、私の測定器は振り切れてしまった。
     私は一九八九年三月以来これまでおよそ五○回にわたってチェルノブイリ周辺の取材を行っているが、この測定器が振り切れるという経験はない。》

     ――これは、震災3日目に双葉町に入った際の記述。

     写真も多数収録しており、その分文章量は少なめだが、ちりばめられた現地の人々の言葉が重く、読み流すことを許さない。言葉の一つひとつ、写真一枚一枚が心に引っかかり、じっと見入ってしまうのだ。

     たとえば、避難区域となり、無人と化した浪江町の路上で息絶えた猫をとらえた写真がある。
     その死骸を、元は飼い犬であったろう黒い犬が見つめている。何の言葉も要さずに原発事故の無惨さを伝える、見事な一枚である。

     著者は本書で一貫して市民の側に立ち、その悲しみと怒りの声を丹念に刻みつけていく。
     生活の糧を奪われてしまった、第一次産業従事者たちの慟哭。
     県民の間でさえ原発に対する態度が二分され、コミュニティに深い亀裂が入った現実。
     そして、さまざまな場面で福島県民に向けられる、あからさまな差別……。一つひとつの言葉に血がにじんでいるようだ。

     たとえば、東京で献血しようとしたら、いわき市から来たことを理由に、「遺伝子に傷がついている可能性があるのでお断りします」と拒否されたという男性のエピソード。

    《翌日、厚労省に問い合わせると、作業員で一○○ミリシーベルトを超える被曝を受けている人は、輸血できないと指導しているとの答えだった。当然、彼はあてはまらない。日本赤十字にそう言うと、「指導が行き届かず申し訳ありませんでした」との答えだった。
    (中略)
     ネットに輸血を拒否されたことを書くと、「死ね」「輸血テロ」「人殺し」とたたかれた。》

     よく似た差別の事例は、私も福島取材で何度か耳にした。福島は地震・津波・原発事故の「三重苦」だと言われてきたが、いまや差別も加わって「四重苦」になりつつあるのだ。

     また、全8章のうちの一章を割いて、チェルノブイリの被災者が歩んできた道のりが紹介される。それは、福島の未来の姿かもしれない。

  • 84 86

  • 東日本大震災から五ヶ月後に書かれた新書。福島第一原発のメルトダウン事故後、地元住民、事故処理作業員、避難した人々、子供たちの声を丁寧に拾いあげている。政府と東電が何を隠したのか、現在の進展状況と比較しても大差がないように感じました。

  • 3.11後、すぐに現地に入ったジャーナリスト、広河隆一氏のルポ。
    直後の現場の状況やいかに現地で情報制御されていたかがよくわかる。
    避難時の対応などチェルノブイリとも比較し、政府・東電が後手後手に回っているさまがよくわかる。
    さきに読んだ原発収束作業日記では原発現場の内側からの状況が分かったが、外ではどうだったか。 合わせて読むと、全体が見えてくる。

  • 目をそむけずに知ってほしい声


    先日、福島へ除染ボランティアに行ってきた
    これまで、暗い気持ちになることがいやで意図的に避けてきた現実
    そこから一歩踏み出すことができたということに私はなんとなく満足していた

    しかし、本書によって改めて事故の深刻さを実感した

    地元住人、原発作業員、避難してきた人々、そしてチェルノブイリの被害者達への丁寧な取材

    事故の被災者達の声が切々と伝わってくる

    同じ過ちを二度と繰り返さないように 

    私達が真剣に考える問題が本書にあると思う

  • この本の中身をすべて信用することはできないが(他のメディアと同じ、という意味で)、どうしても東電や政府の対応は、被害者への賠償やその他のコストを抑えようとして動いているとしか思えない。チェルノブイリと同様、30km圏ないし放射能汚染がひどい地域は立ち入り不可とし、住民は集団移転させて十分な賠償と生活保護をする方が、効果の現れにくい除染に大量の資金を投入するより被害者を直接支援できるので効果的であると思うのだが。私はアウトサイダーなので心情までは完全に汲み取れないという前提で。

    こういう対応があるので、原発運営は外側からちゃんと管理・チェックができないという推定をしてしまう。

    ストレスになるほど福島を支援するとか、福島を拒否するとかしない方が良い。原発事故での収入減は賠償されてしかるべきであるのだから。

    どうしても、「福島の人たちはかわいそう、助けてあげたいけど自分のコストは支払いたくない」というのが政財界の主流意見なのだろう。管理できない危険な原発は止めて、コストが上がっても火力その他の発電をすべき、というのが私の今の意見。原発事故の被害者は、原発周辺の住民が過度にかぶるのに対し、発電コスト増は受益者全体が負担するのであるから、平等性がより高いと思われる。コストを支払いたくない人は、リスクを原発周辺住民に負わせる方が良いので原発稼働を支持するのだろう。周辺住民も雇用なり補助金なりで受益していたが、リスクとリターンは見合ってるのか?

    パニックをあおるから報道をしない、発表をしないとはどういうことだ?パニックになって逃げ出した方が被害が大きくなったと思っているのだろうか。何も知らないまま周辺住民を被曝させておいたほうが日本全体では利益が大きい、という判断か。知って不安になる方が知らずに不安でいることより精神衛生上ベター(少なくとも私にとっては)。

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