老いの歌――新しく生きる時間へ (岩波新書)

著者 : 小高賢
  • 岩波書店 (2011年8月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313274

作品紹介

「老いたら私はどうなるのか」、誰もが感じる不安である。だが先例のない超高齢社会とは、裏返せば、人類にとって未知の、広大な可能性ではないだろうか?"私"を歌う文学である短歌にヒントを求め、"老い"という新たな生の豊かさを探る。短歌はもはや"青春の文学"ではない、老いの文明を生きる私たちの力強い伴侶である。

老いの歌――新しく生きる時間へ (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 超高齢化社会における短歌の効用を説いた作品。
    老いをテーマに短歌を解説したもの。
    短歌は自己肯定が基本というのをおもしろく読んだ。 茂吉の『つきかげ』が老いの歌として再評価されている。宮柊二亡き後の英子夫人や齋藤史らの女性の歌には、つきぬけたおもしろさがあって惹かれた。
    俳句や短歌の短詩系表現に関心はあるのだが、自分で作ってみようという気にはなかなかならない。

  •  超高齢社会における「老い」の歌の味わい深さを歌人が紹介。

    「要介護などと認定さるるとも俺は生きるぞよろしいか妻」とは竹山広。こころの円熟が巧みなユーモアを生んだ。「老いてこそこころ淋しく園内婚96歳かがやいており」(中辻百合子(辻の「しんにょう」は点が二つ))は、施設のなかで同居する男女を祝福した89歳の歌。「寮母の名目隠しをして当てさせるこの時ばかりあちこち触る」(諫山健剛)は91歳。清らかなエロスの日常詠がある。

    「生き方を変へたいつてそれは無理だらうやうやく老いの深くなる淵」は83歳の岡井隆。同い年の馬場あき子も、「雪降る音竹のささやき聞く夜は油断ありふと年を取るなり」。ともに、老いの外にいる自負をもつ。

     俳句は人間の時間を超えようとする傾向にあるが、短歌は「私」に執着すると考察。「老いぬれば股間も宙や秋の暮」と永田耕衣の老いは自分の股間を覗きこみ、宇宙を感じている。経験の幅が広がる本。

    (「週刊朝日」 2011/10/7 西條博子)

  • 配架場所 / 新書
    請求記号 / SHIN@911@K100@1
    Book ID / 80100436595

  • 岩波新書:新赤版 911.1/Ko17
    資料ID 2011101856

  • 老いというテーマと短歌をうまく融合させて語られていて、おもしろかった。短歌の口語表現が俵万智あたりから広まったことを知った。きっとこのとき、思いっきり敷居が低くされたのだろう。俳句で表現することは難しい。短文や小節もまた大層だ。短歌ならば、一息で自分の思いが伝わるかもしれない。しかも口語で・・・・。年老いてこそ、短歌・・・・ということだろうか。

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