心と脳 認知科学入門 (岩波新書 新赤版1331)

  • 岩波書店 (2011年9月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784004313311

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間の認知の仕組みや心と脳の関係を探求する内容が魅力的です。認知科学の研究史を振り返りつつ、脳科学や心理学、言語学などの多様な分野からの視点を広く紹介しており、特に哲学に興味がある読者にとっては貴重な...

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、心とは何か、人間とは何かから始まり、脳や心にまつわる研究がどのように発展してきたか、未来に向けての期待や課題が書かれた認知科学の入門書。

    心や脳は、人間に備わる機能の中でも、非常に複雑で未解明なことが多いが、これまでの心理学や生理学、神経科学、言語学など多分野の研究の積み重ねで少しずつ解明されてきたことがわかる。といっても、盛り沢山すぎて、専門的なことは1度読んだだけでは入ってこないが、この分野を勉強している人には参考になると思う。

  • 認知科学のこれまでの歩みを振り返りつつ、これからの展望をおこなっている本です。

    とくに哲学などに関心をもっている読者が認知科学の概観を得たいと思ったときに困ってしまうのが、脳科学や心理学、言語学、コンピュータ・サイエンスなどの諸分野にテーマが拡散していて、それぞれの分野で追及されているテーマから哲学的な問題を抽出することがむずかしいということがあるように思います。本書は、新書一冊の分量でありながら、認知科学の研究史や諸分野で追及されている問題などを幅広く紹介しており、個人的には認知科学の全貌をおおまかにつかむうえで有益な内容でした。

    巻末には「参考文献」が置かれていますが、「最近の動向と「この20冊」」というサブタイトルが付されており、どちらかといえばこれまでの認知科学の研究史における重要な文献をとりあげているようで、現時点での研究成果をサーヴェイするような性格のものがすくないような気がします。本書が入門書であることを考えると、やはり「次のステップ」へと進みたい読者にとって手引きとなるような本を紹介してほしかったように思います。

  • 人間はどのように世界を認知しているのか興味があり手に取る。

    非常に難しく、なんとか読み切ったはいいもののまったく体系的に理解できなかった。笑

    前提知識があれば面白いのだろうが、まったくなかったために難しい。

    脳はさまざまな相互作用をもっているということしか理解できず自分の理解力の不足を痛感しました。

  • 1.はじめに
     最近、脳科学、心とは何か、などに興味関心が強い。
     なので、「心と脳」
     このタイトルに心惹かれたのが、この本を読むきっかけであった。

     タイトルから難しい研究内容なのか、私に読めるだろうか、理解できずに途中で読むのを挫折してしまうのではなかろうか、などの感情や気持ちが沸々と湧き上がる。

     それでも、自分自身の好奇心と興味関心が勝り、読む覚悟を決めた。

    2.読む前の第一印象
     前項でも書いたように、読む前は、難しい本なのだろうという気持ちが強かった。
     また、著者が慶應義塾大学の学長であり、名誉教授でもある安西祐一郎とあれば、尻込みをするのも当たり前である。

     とにかく難しい単語や言い回し、先人たちの知見などが出てきたら、自分にはChatGPTという優秀な秘書がいるので、安心して読書にいそしむことができるのである。

     この安心があるからこそ、どんな難書であろうとも向かっていけるのである。

     連休に入ったタイミングもあり、時間に少し余裕ができるので、読書に集中する時間がとれることが嬉しい。

     一昔前、40歳手前ぐらいまでは本を読むことに喜びなんて感じたことはなかった。

     時代の流れ、デザインという仕事の変革と進歩の流れ、タオグラフィクスの代表であり1人のデザイナーとして本当に仕方なく読んでいた、という方が正確であろう。

     振り返って考えると、自分自身、40代から50代にかけて意識も心構えも覚悟もかなり変化した、と思う。

     今、読書にかける時間があることに感謝して読もうと思う。

    3.概要はこちらへ
    https://note.com/takaakinakajima/n/n75a8c3acd3c8?magazine_key=m0c2168c98e46

    4.感想とまとめ
    4-1.読み終えての感想
     想像以上に興味深く、面白いと心から思える著書であった。

     心と脳についての知見がひろがればいい、ぐらいのつもりで読んだのだが、期待以上に得るものが多かった。

     まさに私にとって、デザインの仕事に携わった経験と、デザインスクールでの講師の経験と、教育研修機関でのSE経験と、これまでの人生経験と、すべてが伴って相乗効果をあげ、満足と納得のいく内容と考察であった。

     まさしく、この著書も私にとっての「セレンディピティ」の一つになったのは間違いない事実である。

    4-2.まとめ
    安西祐一郎さんという人は、なんと見識が広く、深く、明快なのであろうか?

     じつは安西祐一郎さんの著書を読むのは2冊目である。

    この本よりも先に読んだ「教育の未来」という著書も最高であったが、この著書も「教育の未来」を読んだ後だったことが功を奏して、深く理解できたことが何よりの「セレンディピティ」であった。

     今後も、脳科学関係、教育・学び関係、創造力関係の本は読むことになるであろう!

    読書は「一期一会」

     これからも、そんな心構えと気構えで、出会う本と向き合っていきたい。
     そう心に誓う。

  • わかりやすく書かれているのはわかるが数ページ読むごとに猛烈な睡魔に襲われ読了に時間がかかった。もう一度読まなければ……

  • 脳科学の研究成果の商用化が加速する今日。そのベースとなる認知科学の概観を歴史に沿って俯瞰できる一冊。

  • 認知科学とは何か?
    それが知りたくて手に取った。
    人が考えたり、何かを行うときに、脳のどの部分がどのように指令を出すのか。
    脳の働きを正確に測れるようになってきて、徐々に明らかになってきてはいるが、では、心とは何なのだろうか?
    心の動きをコンピュータで再現することはできるのだろうか?
    認知科学は、心と脳とはどのような関係があるのか、その概念やそれを解き明かす方法論として、情報の概論と情報科学の方法論を用いて心と脳の探求に、新しい道を切り開いてきた学問である。と書かれている。
    理解はできていないが、興味がさらに増した。

  • 認知科学が発展してきた歴史を学ぶと脳の認知のメカニズムについて常に新しいモデルが提唱されてブラックボックスである脳内のメカニズムが解明されてきたということがわかる。

    自分の専門分野である企業投資を行うときに、企業をファイナンシャルモデルとしてとらえて様々なシミュレーションを行うのと類似している。認知科学の場合は、言語学、心理学、解剖学、神経科学、脳科学、等の様々な分野を情報科学が軸となることで、筋を通している。企業の場合は、金融が筋を通す形をとっている。

    ただ、脳の場合は、圧倒的に複雑性が高く、様々な領域の知見をもとに(群盲とはいわないが)様々な研究者が「巨大な象をなでる」ようにして解明を図ってきた。

    本書のように、非常に広範な資料をベースに書かれた本を読後どう処理するかは大きな論点。ある種の読書案内としてとらえ、今後の参考文献へのつながりを意識するとしてマップをつくるのが一番よいか。

  • 正直良く判らなかった。
    認知するもの、情報は大事なのは判るが、どこかに有ったこと、経験したことを自分自身の中で反芻すること、そこから想像をめぐらすこと…これが心を育むのではないだろうか?
    読みながらそんなことを考えた。

  • 【電子ブックへのリンク先】※スマホ・読上版です!

    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000072885

    ※学外から利用する場合は、「学認アカウントを・・・」をクリックし、所属機関に本学を選択してキャンパスIDでログインしてください。

  • 人間とは何か◆認知科学の歩み◆未来へ

    著者:安西祐一郎

  • 20世紀、情報科学の発達とともに発展した認知科学の成果について、網羅的に説明されている。著者が調べ上げたことが列挙されている感じ。辞書的にはこれでもいいのかもしれないけれど、情報をもう少し整理、編集してくれないと、読み物としてはしんどい。

  • 心の働きを情報という概念を使って解明していこうとという学問が認知科学だそうだ。情報科学の発達によりその方法論や概念を心の解明に援用していく。いろいろな分野に渡っているためか内容が初心者には難しいところがある。この本を読んでも人に認知科学とはこれこれだと説明できない。

  • 人間とは?心とは?そして、心と脳そして社会との関係は如何なるものなのか?それらを探求するために、心理学、生理学、神経科学、言語学などが情報科学と合流して誕生した認知科学を歴史を紐解き、fMRIなどの近年に発達した脳計測機器による脳の情報処理を明らかにする。終章では、医療、身体、コミュニケーション、教育、デザイン、芸術、創造性、それぞれについての認知科学が果たすべき課題について説明していて、取り分け、創造性のところで言及されている意識のうえと意識下のはたらきの統合が感覚的に分かるような気になり、とても興味をそそられた。全体的には教科書的な感じでやや面白みには欠ける印象でした。

  • 脳の仕組みによる人の心の動きを、具体的な脳の部位・その連鎖を交えて解説してくれてて面白い! 頭のこのあたりは記憶を司ってるんだ!とか。具体的になまえや部位までは覚えてられないけれど、人の特性を科学的に解説できるんだってところが面白かった。
    認知科学の歴史も解説があって、
    入門書や認知科学の入り口としてとてもよい本。

  • 人間が何かを感じたり、考えたり等、「心」はどのようにはたらき、「心」は「脳」からどのようにして生まれるのか?「心」と「脳」の働きについて理解する研究分野である「認知科学」の考え方と方法、これまでに得られた知見について紹介しています。
    (選定年度:2016~)

  • とてもいい本だとは思うのだが、気に入らなかった。

    なんだか明るすぎるのである。恨みや苦悩が感じられない。言葉の耳触りがいいのである。こういうのには注意しなければならない。

    嘘は書かれていないが、かなり気をつけていないとどこかに誘導されてしまう。下手をすると今のこの世界にただただこき使われてしまう危険性がある。

    橋本治さんが「蓮と刀」で書いてあったように、知性には一流と二流があると思う。人類に貢献するような発見は一流の知性によってもたらされ、二流の知性は自分の栄華だけを目指している。

    しかし、二流の知性が自分のためと思い込んで追求しているのは、実はその世にいる人々の欲しがるものだったりして他者の欲望の道具になっている。こういう人を倒錯者というのがジジェイクさん用語法である。

    本当のところは自分のためだけに邁進する人こそ一流の知性になれる可能性があるのだ。なので、ドゥルーズさんが「アンチ・オイディプス」で主張された「みんなキチガイになればいい!」はやはり正しかったのだと思う。

    Mahalo

  • 本を集中して読めているときと、読んでいても頭の中はうわの空、字面を追うだけでほかのことを考えていたりして、まったく頭に入ってこないというときがある。何がどう違うのか、認知科学で解き明かしてほしい。結論から言うと、本書を読んでいる間、ずっと後者でした。したがって、何が書かれていたのかほとんど頭に残っていません。前半は、おそらく一般向けに読みやすくするため、専門用語をはぶいて説明されているようでした。ある程度知識があるものにとっては、少し物足りなさを感じる記述でした。後半、最新の話題にも触れてあり、その中には専門用語や専門家の名前が登場してきました。ここで気になったのは取り上げられる日本人が少ないということ。甘利俊一、川人光男とあとひとり、ふたり。それと著者自身の取り組み。どういう意図かはわかりませんが、参考文献も海外のものばかり。認知科学の全体像が知りたいと期待して読み始めたので、ちょっと期待はずれの結果になってしまいました。まあ、私の読み方が悪かっただけかもしれません。同じ授業を受けていても、必死に聞く子と、ボーっとし続ける子がいます。認知科学の見地から、どうしたら集中して聞けるのか、どうしたら集中して本が読めるのか、そのあたりも解説していただけるとうれしいです。

  • 認知科学という言葉、学問のことを、聞いたことがないという人もおられるでしょう。
    認知科学は20世紀の半ばに勃興した学問で、
    情報、情報処理という概念を人間の心理や思考に適用して、
    心とは、脳とは、社会とはいったいなんなのだろうという問いに答えるべく
    発展していっているものです。

    心や脳と社会や環境というものは、相互に作用して発展していくというのが
    認知科学の基本的な考え方。
    本書では、まず、心のあり方を因数分解のように細かく分けて考えるところから始まります。
    言葉というもの、記憶というもの、視覚の認知の仕方などなど
    そういう心や脳の活動を分けて考える。

    そうして、次に、認知科学の歴史をたどっていきます。
    歴史をたどることで、認知科学の発展や発見をなぞっていくことになり、
    そういう形で、認知科学の基礎からの概要を学ぶことになります。
    最初は、頭で考えた理論や推論をベースにして、実験を行ったようなものが多いですが、
    90年代に入ると、脳そのものをfMRIなどで測定してその機能を特定していくような
    分野が発展していきます。ただ、脳の機能を特定といっても、脳はどこの部分がどういう機能をしていて、
    というように、すべて分業で成り立っているものではなく、分散的にいろいろな部位が相互作用
    してなりたっていて、その機能を担う部分の一つが見つかったというような発見であるかもしれない。

    最後の章では、これからの認知科学の役立っていく分野として、創造性を解明していくことや、
    医療における活用、計画や構造なども含めたデザインというものへの適用などが
    書かれていました。
    その中でも、創造性のところでですが、こういうことが書かれていたのが、
    ちょっとタイムリーだなぁと思った次第です。それは以下ですが、

    「創造的な人間がどんな社会環境であれば現れ出るかについても、
    認知科学が明らかにしてきた多くの知見が役立つ可能性がある。
    とくに、思考の自由が許される社会環境、
    心のいろいろな働きが十分発揮できる生活環境…(以下略)」

    というのがありました。
    これは、今、自民党が秘密保全法でしたっけね、
    そういう法律を通そうとしているっていう話がありますが、
    もしもそれが通るようだと、先の文章のような、思考の自由が許されず、
    心のいろいろな働きが十分に発揮できない環境になってしまう恐れが、
    十分にあることがわかりますよね。
    つまりは、秘密保全法なる法律ができれば、
    創造的な人間が現れにくい社会になってしまいます。
    これは避けなければいけない事態だと思いますね。

    そういうわけで、この本は岩波新書ですが、がりがりと読みました。
    すらすらとは読めないのが、新書の中でも読解に時間がかかる岩波新書です。
    そういう本に何度か挑戦するうちに、読むスピードも上がりますし、
    気持ちで感じるハードルの高さも低くなっていきます。
    認知科学は、脳科学、心理学、言語学、情報処理論にかぎらず、
    いろいろな分野への適用が可能な学問のように読めました。
    文系理系の協力のもとに発展する学問ということで、
    大がかりですが重要なものだよなぁと感じました。

  • 脳科学・工学を体系的にカバーできている。

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著者プロフィール

安西祐一郎
元慶應義塾長、東京財団政策研究所所長、慶應義塾学事顧問。1946年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了。工学博士。博士(哲学)。専攻は認知科学、情報科学。慶應義塾大学理工学部教授、慶應義塾長、日本学術振興会理事長。中央教育審議会会長などを歴任。慶應義塾大学名誉教授。紫綬褒章受章、文化功労者。著書に『問題解決の心理学』(中公新書、1985)、『認識と学習』(岩波書店、1989)、『「デジタル脳」が日本を救う』(講談社、2010)、『心と脳』(岩波新書、2011)ほか多数。

「2022年 『教育の未来 変革の世紀を生き抜くために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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