- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313380
作品紹介・あらすじ
「新就職氷河期」と言われる状況下で、入学早々から「就活」への備えに振り回される学生たち。長く厳しい競争をくぐり抜けて正社員になれても働きすぎが待っている。一方で非正規雇用の身には否応なく貧困がついてくる…。理不尽極まりない近年の就職をめぐる若者の苦難を克明に描き出し、その改善を訴える。怒りと励ましの書。
感想・レビュー・書評
-
93
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/57046 -
「○活」と略されるようになると、だいたい社会問題化しているような気もしますが、就活はまちがいなく社会問題ですね。
自分は団塊ジュニアの独身おっさんですが、その私が2023年にこの本を読んでもなるほどなと思わせてくれました。
読んだ時点より10年以上も前に書かれた本ですが、現在でもほぼ通用する内容と言うことを考えると、日本の雇用環境があまり変わっていないということなのでしょう。
ただ、当時と現在との違いで考えると、当時はブラック企業でも就職せざるを得なかったのが、現在は人手不足もあって、学生さんがブラック企業を敬遠してくれるようになったのは良いことのような気がします。
個人的には、雇用は流動化させたほうがいい気がしています。
自分が大学生だった20世紀の頃は大学の就職指導部はあまり面倒見てくれなくて、個人で勝手にリクナビとかでやってる感じでした。自分が就職活動で納得いかなかったのは、今でいう「ガクチカ」で、「学生の本分は学問で、大学の勉強頑張りました」という理由ははなから除外されていたこと。大学で大学の勉強をがんばっても就職先がないってのは、なんだかなと思ったものです。(まあ、自分が当時の企業への適応能力がなかったことはたしかなので、致し方ないことなのですが)
そう考えると、大学はやはりもっと減らして、高卒でも就職できるところを増やすか、高校相当の職業訓練専門学校に通って、職業に必要な技術を身につけて現在の成人頃には就職したほうがいいんじゃないかと思っています。
初任給は手取り30万円ぐらいにして、早めに結婚して子ども産んでもらうようにするのもいいんじゃないかと思いました。
フルタイムじゃないと生活できないというのも問題で、上限週35時間にして、最低の月給手取り30万円ぐらいだったらなんとか一人でも生活できそうだし、結婚して共働きなら子育てもできそうだし。どんな働き方でも楽に生活できる日本になってほしいです。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/57046 -
【電子ブックへのリンク先】※スマホ・読上版です!
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000072889
※学外から利用する場合は、「学認アカウントを・・・」をクリックし、所属機関に本学を選択してキャンパスIDでログインしてください。 -
日本の労働環境がいかに改善しうるべきか数々のデータをもとに知ることができる。
ただデータ量が多すぎて内容があまり頭に入ってこない。 -
日本の大学生に待ち受けている就職活動。就活スケージュール、就職協定の度重なる変更と撤廃、社会人になる洗礼ともいうべき就職選考、そして社会人基礎力の本当の意味とは、そして待ち受けている長時間労働と過労。
-
大学生に対して,「社会人として働く意味」を,具体的かつ実証的に伝えるための良書。著者の専門は,企業社会論や労働時間論。過労死の問題や対策にも専門研究者として取り組んでいる。それだけに,労働に関して集積された指標は豊富で,自らアンケートで収集されたマイクロデータも紹介されている。
就活がいかにビジネス化しているか,また「就職協定」と言いつつ,いかにルールがないかを謳い,雇用や労働組合とは何か,時間給や年給とは何かをわかりやすく解説したうえで,最後に就職に求められる力と働き方を問う。その中で,とくに強調されているのが労働知識の修得であり,労働者が法律や制度によっていかに保護されているかを知っておくことこそが,賢くいきいき働くためのファクターだと述べている。
1年次向けに設けられた四半期の少人数セミナー(2018年秋開講)では,本書を輪読のテキストとして使用してみた。第1刷が2011年11月というリーマンショック後の発行であり,同年3月に発生した東日本大震災の影響にも触れられていないが,大学1年生たちには,今後の大学生活を充実して過ごすために有益な情報が得られた点で,概ね好評だったといえる。 -
単に就職活動だけにとどまらず、就職後まで視野に入れた、「若者の就職状況」の整理と問題提起。ざっくり状況を知る場合は有用な一冊だろう。
ただ、現状は単に会社に就職することだけが「仕事」の問題とは言えないし、また「若者」意外でも就労に関する問題は多く眠っている。新卒採用制度の問題点は議論されてしかるべきだが、もっと大きな視点もまた必要だろう。
書評エントリー:
<a href=\"http://rashita.net/blog/?p=7015\">【書評】『就職とは何か?』(森岡孝二)</a>