英語で話すヒント――通訳者が教える上達法 (岩波新書)

著者 : 小松達也
  • 岩波書店 (2012年1月21日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313502

作品紹介・あらすじ

「まず日本語で考える」「単語は全部聞き取れなくてよい」「発音よりリズム」「最寄り訳の発想で」「文法とリーディングは重要」「文学作品を楽しむべし」-。日本語を生かす通訳者の英語術には、大人の学習者に役立つヒントが満載。コミュニケーションの現場で求められる、発信型の"使える英語力"を身につけるために、必読の1冊。

英語で話すヒント――通訳者が教える上達法 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 昨年(2011)8月から本国より米国人が日本支社へ赴任していて、それ以来、会議が英語になりました。資料を要した正式の会議は前もって準備できますが、ちょっとした会話や確認のために部屋に呼び出されるときの英語は、その場での対応力が要求され、まさにこの本のタイトルにある「英語で話すヒント」が欲しいのが現状です。

    本の最初で、相手が聞きたいのは「流暢な英語」ではなく、あくまで話の内容と「日本人としてのあなたの意見」(はじめにp3)は、勇気づけられました。

    また、単語は使い方と共に覚える 3000語程度が目安のようですね。一度、昔に覚えた単語を復習してみるのも良い機会だなと感じました。

    以下は気になったポイントです。

    ・今求められているのは、日本のことをよく知り、社会や世界の動きなどについて自分自身の意見を持ち、それを外国の人に分かるように発言できる、そのような英語力である(p19)

    ・話し手が発した音声以外のいろんな情報を活用して、聞き取れない単語があっても類推できる、聞き取れた単語の前後関係から何を言わんとしているかを類推する態度が大切(p36)

    ・リスニングのこつは、まず単語を識別し、主語+動詞というつながりから、プロポジション(命題)の形として捉えているのが、より正確にメッセージを理解するコツ(p42)

    ・英語の速読法のテクニックの1つに、パラグラフの最初の文だけを読んで、後はどばすというのがある、本や論文の大意はわかる(p57)

    ・日本語と英語のように文章構造が大きく違い、語順が違う言語の間で分り易い同時通訳をするためには、予測が重要な役割(p63)

    ・擬態語を訳す場合には、まず擬態語ではない日本語の言い方を考えて、それから英語訳を、がコツである(p140)

    ・英語が多数の類義語を持っているのは、何世紀にもわたって他のさまざまな言語から多くの語を取り入れてきたから(p141)

    ・日本語の英語表現を知りたいときは、まず和英辞典、そこで出てきた英語を類義語辞典でもう一度見直す(p142)

    ・社会人として十分と思われる単語は、2000の使用頻度の高い単語(80%カバー)と、教養語とされる 570語(A Coxhead, Academic Word List)の合計 3000程度(p149)

    ・単語をそれだけで覚えるのではなく、名詞ならばその前にくる動詞、それにかかる形容詞、後にくる副詞などと一緒に覚える(p151)

    ・コロケーション(2つ以上の単語の慣用的な結びつき)を学ぶには、Oxford Collocations Dictionary for Students of Englishがお奨め(p156)

    ・英語の音声で大切なのは、リズム・イントネーションであり、個々の母音や子音の発音でない、個々の発音を気にするより、文章全体のリズムを気にして、大きな声で「はっきり」話すこと(p160)

    ・日本人スピーカーは、日本人であることが分かる「お国訛り」があった方が、人は耳を傾けてくれる(p164)

    2012年3月17日作成

  • 非常に納得。自分の勉強法で足りないのは読むこと。最後まで言い切ること。継続は力。簡単に英語がマスターできる教材がよく宣伝されているが、やはり、死ぬまで努力し続けることが必要というのは納得。母国語ではないのだから。日本語でよく使う言葉で実は意味がよくわかっていない言葉がある。英語に置き換えようとする努力は日本語の意味を理解することにつながる。

  • 仕事や日常生活で、ときに英語が必要とされることもあり購読。

    話すには英語力は大事、そしてバックグラウンドとなる教養・専門知識・準備も大事。
    聞くには英語力は大事、そして話し手の論理を理解することも大事。

    当たり前な気がするけど、果たして実践しているかというとしていない。そう、その大切さを改めて理解させてくれる。
    私がこの本を、ありきたり、だなんて断罪するのはあまりにも傲慢。
    私にとっては良書です。

  • 三葛館新書 837.8||KO

    この本の著者は国際会議での通訳者として活躍し、大学でも通訳を教えているそうです。
    そんな通訳のスペシャリストが、英語の上達法をわかりやすくまとめています。
    英語を話す際は日本語で考える重要性や、日本語→英語へ訳す際の留意点、意味を理解する方法などについて、長年の経験から得た英語学習のヒントをわかりやすく紹介しています。
    また、リスニングについても全ての単語がわかる必要はなく、聞き取れた単語から想像力を働かせることが最大のポイントであると説いています。
    本書を読むと改めて英語に特効薬はなく、読み・書き・考えて話す。学習を継続しておこなうことが一番大事であると実感します。
                                  (うめ)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=63352

  • おすすめ資料 第196回 (2013.7.19)
     
    通訳技術の英語学習への応用、という視点で書かれた新書です。

    自分の意見を持ち、それを英語で表現するスキルを身につけるためのヒントがたくさんあります。
    母語話者でない私達には英語らしい表現にするために意識的な努力が必要ですが、それも反復練習でだんだん時間が短くなり、ついにはあまり考えずに話せるようになる。

    同時通訳暦50年を超える著者の「粘る人になろう」というメッセージが印象に残ります。

  • 【配架場所】 図・3F文庫・新書 
    【請求記号】 080||S||NR-1350
    岩波新書 新赤版 No.1350

    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=139871

  • 読了。

  • 請求記号:I-1350 図書ID:20003003  

  • *****
    翻訳では対象とするテキストはいつまでも目の前にありますから,文を見てその意味をよく考え,辞書と相談し,一番いい訳は何かを工夫することができます。通訳では瞬時にその意味を捉えて表現しなければなりません。当然使われた一つ一つの言葉にこだわっている時間はありません。話し手が言いたかったこと,話し手が伝えたいメッセージに集中するのです。言葉にとらわれずにメッセージに集中する――これは一般のリスニングにも応用できる大切な技術です。(p.8)

     実際に彼[Herman Kahn]の通訳をしてみると,逐次通訳の時でも同時通訳の時でも言うことがさっぱり分かりません。そこで私は彼の発する単語を聞き取ることを半ばあきらめ,彼の考えを勉強することにしました。彼の本や論文を片っ端から読み,彼をつかまえて,どんなことを言いたいのか,これはどういう意味かなどしつこく質問しました。そうしたら彼の話がだんだん理解できるようになったのです。彼の発する言葉は10語のうち3つか4つしか聞き取れなくても,それをつないで考えれば彼が言わんとしていることが分かってくるのです。そうすれば何とか彼の話を聞く人に分かってもらえるような通訳をすることができます。こうして私は1983年に彼が亡くなるまで,彼の通訳を何度も務めることができました。(p.37)

  • 機中で読んだ本。
    同時通訳者による「英語「で」話すヒント」。「英語「を」話すヒント」ではないと著者自身が何度も強調されている。
    英語をネイティブとして身につけた訳ではない同時通訳者がどのように日本語と英語の間を行き来しているかが垣間見られて興味深いし参考になる。
    ちょうど先日「英語で話すときは日本語で考えずに英語で考えろ」という人がいるが、そんなこと可能なのか??と話していたところ、この著者自身が「ムリ」と言い切っていらっしゃるのは我が意を得たりでした。

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