夢よりも深い覚醒へ――3・11後の哲学 (岩波新書)

著者 : 大澤真幸
  • 岩波書店 (2012年3月7日発売)
3.68
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313564

作品紹介・あらすじ

「不可能性の時代」に起きた3・11の二つの惨事は、私たちに何を問うているのか。日本で、脱原発が一向に進まないのはなぜなのか。そもそもなぜこれほど多数の原発が日本列島において建設されてきたのか。圧倒的な破局を内に秘めた社会を変えていくための方法とは?オリジナルな思考を続ける著者渾身の根源的な考察。

夢よりも深い覚醒へ――3・11後の哲学 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 最低限、同著者の『不可能性の時代』(岩波新書)を読んでいないと、まったく理解できないと思われる。相変わらずの衒学趣味とアクロバットな力技には辟易させられることもあるが、さまざまな社会問題に対するちまちました対症療法の繰り返しにうんざりしている向きには魅力的な問題提起ではある。少なくとも第3章と第5章は社会運動論として読むに値する。

  • 自分では当然と思っている事が、周りには受け入れられない。

    著者にとって、その1つが原子力発電です。危険で廃止するのが自明と思っているのに、3.11にもかかわらず廃止という意見が少ない。

    そんな時、ただ声高に主張するのではなく、どう行動すればよいか?

    著者は持論を展開していきます。それを成功/失敗と批評するより、「では、自分ならどうするか」と読後に各々が行動を工夫する事が、この本の効果になると思います。

  • 【つぶやきブックレビュー】3.11鎮魂の日。あの日から6年・・・

  • 被爆の経験を持つ日本人が原子力発電をなぜ受け入れたのか.3/11後の様々な問題について哲学者が幅広い考察をしているが、数多くの引用文献を駆使した理論展開には付いていけない部分が多かった.IV章で「江夏の21球」が出てきたのは意外だったが、このような事象を哲学的に考えている人がいることに驚きを感じた.最後の章で総括的な記述があるが、ここを先に読んで最初からアタックするのが上手い方法ではないかと感じた.難しい議論だが、このように考えることは重要だと思う.

  • 読了。

  •  夢よりも深い覚醒へ。真実に触れる夢から逃れるために目覚めた。現実に回帰して、そういうことかと納得させる言説は凡庸であった。覚醒の方向が逆なのだ。夢の奥に内在し、夢そのものの暗示を超える覚醒が必要だ。結論は脱原発である。それを正当化したいのではない。脱原発へと至る理路に、有無を言わせぬ説得力を宿らしめる前提とその詩的真実を探究したい。

  • 2013/10/9読了。

  • 尊敬する社会学者の一人、大澤真幸さん。今回もおもしろかった。どこかでもう一度読み返したい。『不可能性の時代』と合わせて読むと、より効果的かと。

    原子力を巡る「信と知の乖離」や、「例外の守備範囲の拡大」などは、多くの人が共感できると思う。また、ロールズの正義論の限界を乗り越えられる理由として、「未来の他者は、ここに、現在にー否定的な形でー存在しているからである」という点を上げ、「閉塞から逃れたいという渇望」を肯定的にとらえたこともおもしろかった。「プロレタリアート」をより広義に解釈してはどうかという提案も、こことつながるように思った。

    ただ、神学とマルクスに関するあたりは、どうも慣れていなくて、読みづらかった。

    最終章で示された集合的意思決定の方法は、東浩紀さんが『一般意志2.0』で示した方法と、似た部分も違う部分もそれぞれ感じられて、とても興味深かった。さて、どのようなスタイルが今後の民主主義に追加、あるいは代替されていくのだろうか。

  • 4章の途中で放り出す。『不可能性の時代』よりもさらにヒドイ。

    一見別物と見えるものを並べることで、より深く物事を理解できるようになることをめざしていることはわかる。けど、いろいろでぶち込んでくる類比が、どれもうっすら似ているという程度で、目を開かれる気がしない。中途半端な類比を複数ならべるより、1つだけをじっくり比較したほうが、いいんじゃない?

    惰眠をむさぼり、浅い夢を見ているような読書経験であった。

  • アクチャルな時代考察が面白いのは、たいていの場合、それが思想的アクロバットや”力業”的解釈があるからだと思う。

    本書は3.11の大震災と、それに付随して発生した原発事故について思想面からのアプローチを試みたもの。新書という限られた紙幅の中で、目一杯の議論の横断がある。

    色んな要素を投入しすぎたために、考察そのものがそんなに深く感じられないような部分はある。ロジックも性急に過ぎる気もしてくる。
    ただし、話の筋が面白い。だから本をネタにやんややんやと議論するにはいい。そして結局ハーバーマスを批判しつつ(僕自身がずっと「大澤システム」と勝手に呼んでいる)、あの討議タイプを提示するやり口もある種の予定調和があって、何か嬉しい。

    1日ほどで読み切れるくらいの軽妙の語り口。むしろ多種多彩な議論のネタから、自分の思考を再構築するための本かも。ていうか、大澤さん自身が大震災と原発問題への考えをまとめていく過程を見ていくような、そんな本。だからアカデミックな視点よりもジャーナリスティックな見方をしたほうが面白く読めそうです。

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