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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784004313618
みんなの感想まとめ
北朝鮮の歴史を通じて、建国の経緯や指導者ごとの統治体制の変遷が明確に描かれています。金日成から金正日、そして金正恩に至るまで、各指導者の特色や国家形態の変化が興味深く、特に金日成の「遊撃隊国家」から金...
感想・レビュー・書評
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ソ連・ロシア研究の大家による北朝鮮通史。
端的に北朝鮮の歴史が綴られており、建国の経緯や朝鮮戦争、指導者における統治体制の差異が興味深かった。
金日成→遊撃隊国家
金正日→正規軍国家
金正恩→集団指導体制
の国家形態の変遷から、各指導者における特色が垣間見えた。
疑問に感じた点は、著者による拉致問題の矮小化である。私の読んだ限りでは、日本の拉致問題への拘りが国交正常化を妨げていると著者は主張しているように思われる。しかし、人権や主権を踏み躙る拉致行為は軽視されるべき事柄とは考えられない。
気になる点はあるものの、全体を通しては事実をコンパクトにまとめた平易な筆致が目立つので、基礎知識の習得には最適な一冊であると思われる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
北朝鮮という国、マルクス主義者の私からしても、好きか嫌いかと言われたら微妙と言わざるを得ない。
しかしそんな北朝鮮という国も歴史の産物であることがわかる。
金日成・金正日・金正恩という三代にわたる世襲政治で金王朝のようになっている。
本書には書かれていないが、北朝鮮の人々は、海外のインターネットにもアクセスできないようだ。 -
金日成の誕生から金正日の死まで。ところどころ著者らしい思想が垣間見えるがそれほど強くはなく、コンパクトにまとまった通史。
抗日武装闘争で名を上げてからソ連入り、戦後平壌入り。朝鮮戦争、復興と社会主義化。並行して自派の満洲派以外の消滅。
特徴は、1967年に「遊撃隊国家」が成立したという指摘だ。ベトナム戦争を背景に、南朝鮮革命路線を採択。そして、金日成を司令官、全国民を遊撃隊員とするとの体制。同時に「劇場国家」であるともする。
この体制が、金正日時代に軍隊を掌握した上で軍が国家の中心となる正規軍国家、先軍政治に移行したと著者はいう。 -
北朝鮮研究者でなくとも、朝鮮半島研究をする者なら必ず知っている著者の新書であるが、ポイントは彼が1998年に『北朝鮮—遊撃隊国家の現在』で、金正日体制を「遊撃隊国家」が継承された、と書いた部分を訂正したことにある。彼は、金正日の新しい体制を「正規軍国家」とみるとしているが、多くの韓国研究者はそれを支持しなかったという。
新書の内容は、金日成時代(1932年から)から金正日の死までを丁寧に追って書かれている。
国の政策ばかりでなく、重要な役割についた人の名前なども細かく書かれているため、資料としての価値も高い。
ただ、よく知られているように和田春樹氏はもともと「ソ連」の研究者であり、ロシア語を操る北朝鮮研究者という、異色の存在である。北朝鮮がソ連と関連の深かった時期の資料については、和田氏を越える者はいないかもしれないが、その後、ロシアと北朝鮮の関係が薄くなっていくにつれて、特に2000年前後になると、本書の記述も非常に薄く、満足できない部分も多い。
この部分を補う意味でも、平井久志氏の『北朝鮮の指導体制と後継』などと並列して読んでいきたい。 -
金日成は日本による朝鮮併合後の1912年平壌生まれ。満州事変後の抗日戦線に参加。旗色は悪くソ連に逃げる。日本敗北後祖国に帰る。米ソにより朝鮮は南北に分断。ソ連支援の下朝鮮共産党責任秘書となり、党トップとなる。この座は死ぬまで49年間手離さなかった。
土地改革、司法制度の整備、大学設立、男女平等法案の成立、選挙の実施、軍の創立など行う。
南北朝鮮は米ソが五年仮統治し統一するとされていたが、米ソに交渉は難航。南北共に相手国は傀儡国家と敵視し朝鮮戦争となる。米中戦争に転換し統一は失敗した。金日成の独裁体制は強化された。60年代には党イコール国家体制が確立。
チュチェ思想(ソ連や中国の真似ではなく朝鮮人による主体的革命)の確立により金日成を司令塔とする遊撃的国家体制が整う。南朝鮮革命を目指すも失敗。70年代には生産も学習も生活も抗日遊撃隊式で、というスローガンが用いられた。
80年代からチュチェ農法の弊害から、土砂流出が起き食糧危機に至る。ソ連崩壊による石油輸入ストップにより北経済も崩壊。90年代には核武装路線へ。
94年に金日成が死に金正日が後継者となる。軍を自ら訪ね歩き激励し、軍部を掌握。96年の飢饉では60-100万人が死亡。
日米韓との外交交渉が行われる。金正日は国交正常化を望んでいたと思われる。日本は拉致被害者を返さないとしたが、これは約束違反であり、逆に国交は悪化した。 -
務めて客観的に書こうとしている努力は評価できる
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日本で販売される一般的な北朝鮮紹介図書の中ではましなほうです。
和田春樹さんはよく研究しています。日本で販売される一般的な北朝鮮紹介図書の中ではましなほうです。
和田春樹さんはよく研究しています。2013/01/19
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所在:展示架
資料ID:11200084
請求記号:221.07||W12||1361 -
北朝鮮の建国から現在まで。
わかりやすい。 -
外から見ていると分かりにくいあの国なりの論理がこんな風にできあがっているんだ、と言うことが理解できた。
三代に渡って国民を支配し続けているんだから、それはそれで出来上がった形態があるのかと思いきや、内情は大変だったようだ。その紆余曲折も始めて知る話が多く、興味深かった。
さらには、金日成がその昔行った「抗日戦線」の話を、金日成時代はもとより、金正日時代になっても「あの時の気持ちで革命を成し遂げよう」的なスローガンに日々、絶えず使われてきたのだということも始めて知りました。そんな話を毎日聞かされていては、対日感情が良くなるわけはないかも。 -
北朝鮮の建国から現在までを北朝鮮政策及び外交関係を軸に概説する。
細かい記述で論旨に疑問を感じる点もあったが、
全体の流れを把握する意味では分かりやすかった。
特に朝鮮戦争後からチュチェ思想に至る政局展開は
なかなか興味深く感じた。 -
ぱらぱらとめくってみたら、朝鮮戦争の前夜が詳しく書いてあったので、
買ってしまった。韓ドラで朝鮮戦争を題材にした、ロードナンバー1はカミさんと見たし、人生画法はカミさんが見ていたのをたまに見ていたため、思わず、なぜ戦争が起きたのか知りたくなって買ってしまった。それにしても、金日成はそうとうな度胸の持ち主であり、頭の良い人であったのが率直の感想である。一時的でも北の方が国として進んでいたのは驚きである。
後半の朝鮮戦争以降はほとんど飛ばし読み。劇場国家の表現は面白い。
戦争前夜を私なりにまとめると以下のようになる。
1.45年8月 日本降伏 38度線を境に米・ソ連が分割占領(38度線は日露戦争の時に勢力圏を分ける提案している)
2.政治の表舞台にでた金日成英雄扱い
3.45年12月 米英ソによる統一政府(後見の形で)に向けて後見制に南北で反対
4.南北それぞれが”我こそが統一主体”と反駁
5.46年2月 金日成(35歳)トップ
施策の実施(土地の国有化、小作制度全廃、無償土地分配)
⇒金日成の基盤強化
6.統一目指して北がリード
・日本から接収した重工業産業
・選挙に基づいた政権(南は米軍に対する共産主義による抵抗運動)
・経済建設に全力
⇒ 北の方が経済発展した
7.46年3月 米ソ対立で統一政府は行き詰まる
・相手の団体を否定
・米による国連監視下での総選挙へ⇒北が反発
8.北の独断専行 憲法
9.48年南の単独選挙(国連の支援)
・48年5月全朝鮮を版図とする大韓民国の建国
(北朝鮮では選挙ができなかったた
め、その議席は空席)
10.48年7月朝鮮民主主義人民共和
国の建国
・「首都はソウル」
⇒48年 それぞれ全朝鮮を版図とする2つの朝鮮国家が誕生。武力による相手の除去、国土統一の構想
11.北の武力による統一の明確な意思
・スターリンからやっとGOサイン
・戦力の差(北が優位)
12.1950年6月25日 開戦
ソ連に代わって、中国が参戦
13.1953年7月27日 中国による停戦協定
・スターリンは米の動き(戦争が拡大してソ連に攻撃)に不安
⇒朝鮮としては統一できずに停戦は不本意。南では歓迎行事をせず(停戦を南は望んでいなかったため)
14.結果
・北からはキリスト教が消滅
・南からは共産主義者が消滅
・金日成は軍事的には失敗したが、政治的に成功! -
図書館にて
北朝鮮の戦後通史
最近の北朝鮮のイメージとは似つかない過去の成功していた時期の話とか、教養として知っておくべき内容が読みやすくまとまってる。 -
金日成時代の歴史はほとんど知らなかったので、このように概略を振り返ることができる本は有難いです。
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北朝鮮の首都は憲法上はソウルになってり、ピョンヤンは仮首都。38度線の向こう側の国は両国にとって仮想国家。
1960年、金日成はチュチェ思想宣言を行った。朝鮮の革命らしい。
オルブライトが訪朝した際に金正日と面談し、金正日にとって理想の国家はスウェーデン、タイだそうだ。そしてクリントンを訪朝するようにオルブライトは仕掛けtが、その前にブッシュがゴアに代わって大統領になった。
歴史とはそのようなものなのだろう。
事実だけを考察していくと北朝鮮という国は案外、凄い。中国、ソ連、日本、アメリカのような大国のはざまにあってたくましく生きている。 -
「資料に基づいた」著書ですから、当然わくわくして読み進む・・・ということありません。
同時代に生きているということでは、時々のニュースの確認作業になっているところもあります。
金正日が意外と頭がよかったのだ・・・という印象を著作から受けた。著者の正直な印象を語っているのでしょうが、一方でバカげた政策には愛情をこめて皮肉った表現もしている。
この著作そのものが資料ですね。
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