ルポ 良心と義務――「日の丸・君が代」に抗う人びと (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313625

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めるのにちょっと躊躇った。
    記される世界は目を逸らしたい怖い現実ばかりだ。
    だけど本当に書いてあるのは「目を逸らすことは怖いこと」という不変の事実。

    考え方を学ぶはずの教育の場で、教員は考えずに従うことを強いられる。
    それを見ながら子供は育つ。
    歴史を見ると独裁体制を支えるのはいつだって、いじめにおける「傍観者」の位置にいる人たちだ。
    読みながら「百枚のきもの」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/400110038Xを頭に浮かべていた。

    ちょっと違うけど、ニュースで原発反対デモの参加者が「このデモには政治色がないから参加した」という内容の発言をしていた。いや政治だろ。
    「政党・党派性」と「政治」だとか、「国」と「国家」と「政府」とか、「議論」と「喧嘩」、「意見に対する反論」と「人格全否定」などの区別がつけられないと、話し合いどころか闘うことすらまともにはできない。
    それを教えるのも教育なんだけどその教育のためにまず戦わなくちゃいけないという…

    永井愛の部分が普通の人の感覚っぽくてホッとした。
    良くも悪くもコミットしていない人の、「よくわかんないけどそれ変じゃない?」というとっさの反応。
    これが普通ならいいんだけど、どうなのかな。
    →紹介されていた作品、『歌わせたい男たち』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4880593478

  •  日本の教育現場のむごい状態である。諸外国の状態を心配している現状ではない。こうした状況が変わらない限り、教育のグローバル化はむりであろう。

著者プロフィール

1941年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。朝日新聞記者を経て、現在ノンフィクションライター。著書に『ドキュメント・昭和天皇〈全8巻〉』(緑風出版)、『合祀はいやです。』『生と死の肖像』(以上、樹花舎)、『反忠神坂哲の72万字』(一葉社)、『ドキュメント憲法を獲得する人びと』(岩波書店・第8回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)、『日の丸・君が代の戦後史』『靖国の戦後史』『憲法九条の戦後史』(以上、岩波新書)、『蟻食いを噛み殺したまま死んだ蟻──抵抗の思想と肖像』(佐高信との共著、七つ森書館)他多数。

「2009年 『これに増す悲しきことの何かあらん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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