論語入門 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313663

作品紹介・あらすじ

大古典『論語』から精選した百四十六条を味読する。その無類の面白さの中核は、孔子という人物にある。約二千五百年のはるかな時を超えて立ち上がる、臨場感あふれる弟子たちとの対話のなかに、不遇にあって大らかさを失わず、ときに笑い、怒り、慟哭しながら、明朗闊達な精神をもって生きぬいた孔子の、稀有の魅力を読みとく。

感想・レビュー・書評

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  • 論語に興味があったので手に取りました。

    孔子という人の真面目なんだけれどユーモアがあって、人生を楽しもうとする姿勢がとても素敵だと思いました。

    弟子を大切に思う気持ちも、とても暖かい。

    作者の孔子への愛が感じられる本でした。


  • 私も孔子に弟子入りしたい。
    この先生に教わりたい。

    本書を読み終えた瞬間、そう思った。

    だって孔子の顔が見えたんだもの。
    キラッキラした瞳で空を見上げる孔子の顔が。
    目の前に。

    読んでいる最中、自分は入門したてのペーペーの弟子で、先輩弟子たちから「先生って〇〇でね、こうおっしゃってたんだよ」などとお話を聞かせてもらっているような感じだった。

    そのくらい人物が生き生きと描かれている。
    顔回、子貢、子路、子夏、子游、曾子……間違いなく、この人たちは紀元前に生きていたのだ。
    私と同じように。

    最後の章を読み終えるとき、涙が出た。
    びっくりした。
    お勉強色の濃い岩波新書を読んで泣けるなんて。

    『論語』って、とにかくお堅い教訓の書だとばかり思っていた。
    実際、現代でもよく見聞きする有名な格言が盛りだくさんで、これは『論語』から来てた言葉だったのかと知ったものも多々あった。

    しかしそれ以上に、孔子が、その弟子たちひとりひとりが、こんなにリアルに、個性を持ったひとりの人間として目の前に立ちのぼってくるものだったとは、想像もしてなかった。
    おもしろいぞ『論語』!

    本書のおかげで「入門」できたので、次はちゃんと『論語』を読もうと思う。
    その時はもっとしっかり弟子入りさせてもらいますぞ。

  • いい年して論語も知らないのでは、と思い、とりあえず入門書を読んでみた。

    はじめは原文をなんとか訓読しようと頑張ったが、結局歯が立たず、途中から訓読を最初から読んだ。
    今から、二千年前の思想とは思えぬ生き生きした言葉に数多く出会い、今度は通読に挑戦したい。

    また、孔子のイメージも堅苦しいおっさんだと勝手に思っていたが大間違いで、それを知っただけでも、本書を読んで良かった。

  • 知を持って楽しむこと。
    現代においても基盤となる思想だと思った。
    孔子の人となりの良さも伝わった。

  • 孔子の人となりが分かるように書かれてあり、分かりやすい。原文読むのは難解でも、その現代語訳と解釈の説明で読み解ける。

  • 『論語』の条々が、暖かく立ち上る感触。2000年以上前の人とは思えないような臨場感がある。

  • 知性のある人は迷わない。
    誠実な思いやりを持つ人は迷わない。
    勇気のある人は恐れない。

  •  人生初の論語ということで分かりやすそうなものを選んだ.
     論語そのものの内容は正直あらゆるところで言われている理想論の塊で
    特に面白いと思うような考え方はなかった.
     ただ,今後論語の思想を引用した上で「孔子様が言ってた」と言えば説得力は
    出そうかなという感じではある.
     わずかに感じられた孔子様の為人は,正直大した人物とは思えないどころか
    近くにいたら正直鬱陶しいと思いそうな人間で
     ・君主からの呼び出しに馬車を待たずにすぐさま歩いて出向こうとする
      (実際にこれをやられればあてつけとしか思えない)
     ・やたら弟子の顔回を贔屓し,顔回が没した際には他の弟子を蔑ろにするような物言いをする
    等,正直この人を知・仁・勇を兼ね備えた君子であると考えることは難しい.
     本の中ではこの孔子を時に君子として,ときに人間らしいとしてダブルスタンダードでとにかくべた褒めするので,初めて孔子を知る側としてはまるで教祖を崇める信徒による本のようにしか見えない.
     また,論語そのものも到底うまいとは思えない比喩を書いて終わったり,全く意味不明で曖昧な表現で終わるといったことも多く,自分としては正直持ち上げ過ぎなのではないかと思うところもある.
     それでもやはりこの思想が紀元前500年頃に作り上げられていたということは非常に興味深いことであると思う.
     論語の解説はこの本だけではないので今後はまた別の人の思想,解説を頼りに改めて論語を読み解いていきたいと考えている.

    論語そのものに触れたことは自分の中で大きなことであると思うので評価は最大で.

  • まさに論語入門。

  • そういえば論語って教科書ぐらいでしか読んだことがないなーと思い手に取った。論語を抜粋しつつ孔子の人物像を描いていて、読みやすかった。死ぬまでに一度ぐらいは、論語を通読することがあるだろうか?少なくとも興味を持つきっかけにはなった。

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著者プロフィール

中国文学者。国際日本文化研究センター名誉教授。07 年「トリックスター群像」で第10 回桑原武夫学芸賞受賞。主な著書に個人全訳「三国志演義」( 全4巻)「世説新語」( 全5巻)「水滸伝」( 全5巻) など。20 年5 月逝去。

「2021年 『史記・三国志英雄列伝 戦いでたどる勇者たちの歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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