- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313755
作品紹介・あらすじ
地震、津波、台風、豪雨、噴火など、毎年のように日本列島を襲う大規模災害。なぜ国・自治体の対応は遅いのか。どうして被災者に救助の手が届かないのか。東日本大震災を経たいま、災害に関する複雑な法制度をわかり易く解説した上で、その限界を明らかにし、改善策を探る。被災者のために、法は何をなし得るのか。
感想・レビュー・書評
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国内の災害史とそれにより発生した社会問題、そしてそれを解決する手段として法が制定されてきた経緯を学ぶことができよかったです。それぞれの法の目的とするところや責任の主体について、そもそも法律とはといったところや、さらにもっとルールを策定し実行することの要点についても勉強になります。
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摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99419515 -
災害によって生じる各種の法律問題について、市民に寄り添った観点からの理解に資する。
国は金出せ口出すな、自衛隊の一部は災害救助専門部隊に、とかの、問題解決のための主張には賛同できる部分は少なかったが。 -
カテゴリ:図書館企画展示
2016年度第9回図書館企画展示
「災害を識る」
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース -
【由来】
・アテネの最終日で
【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
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1 法のかたち(災害と法の歴史;災害法制の仕組み)
2 災害サイクルと法(災害直後の法制度;復旧と生活再建のツール;復興期の法制度;災害に備える―防災と減災)
3 法の課題(避難者の支援;原子力災害と法;災害と個人情報保護)
災害対応の担い手たちのために
著者:津久井進(1969-、弁護士) -
9784004313755 196p 2012・7・20 1刷
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災害に対して、法には何ができるのか。災害に関する法制度を解説し、問題点と解決策を明らかにします。
[配架場所]2F展示 [請求記号]080/I-3 [資料番号]2012111294 -
法の運用が現場ではいかに縮小して、前例主義的に行われてしまうのか。もっと法の精神を活かさなければと思う。それにしても一口に災害と法と行っても実に多面的で広範囲にわたる。
復興基本法としての日本国憲法という考え方は新鮮だった。
・災害対策基本法で情報伝達は現場から国へという方向になっているのは時代錯誤。
・災害関連死にも弔慰金は支払われる。阪神・淡路で919人、新潟中越で52人、東日本では1年間で1633人。
・義援金の差し押さえの禁止。
・都市の復興ではなく、人間の復興。長田の教訓。
・復興基金は法律に基づかないからこそ柔軟性と機動性を実現できた。私有財産の形成に公金は使えない。
・福島県の場合、震災後1年の時点で、死者・行方不明者1819人に対し、災害関連死は764人で、そのほとんどが避難生活中に命を落としている。 -
現行法で災害について言及している法律は1150以上、主要な法律だけでも100超(数え方による)。歴史的な流れ・制度的な仕組み、災害サイクルの段階ごと、社会の課題との関係の三つの角度から俯瞰されている。災害サイクル、発災→応急対応→復旧・生活再建→復興→防災・減災→…。災害救助法自体は弾力的に使える仕組みになっているものの、平等・必要即応・現物給付・現在地救助・職権救助という取扱要領の中の原則のために救助が進まないケースが増えているなど、改善するべき点があるだけでなく、個々の法律を正しく知り被災者を救うために活用される必要がある。
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新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:369.3//Ts68 -
災害に対応する法律について、体系的にわかりやすく解説した良い本だと思う。教科書として使えるとともに、法と災害の両方に関心のある方は、万一の備えとして読んだら面白いと思う。また、災害行政や立法に関わる方は、少なくともこのくらいの知識は持った上で機能して欲しいと思った。
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はいはい国が悪いのねーーーーーーはいはーーい
って感じ。
法律だけやって、政治も行政も知らないのかしら。でも憲法はやってるだろうし。国家とは何か、考える時間はあったはずなんだけどなあ。。 -
長年,災害問題に真摯に取り組む津久井先生のご著書。災害法が果たすべき使命は「被災者の救済だ」と力強く説く本書は,はっきり言って,「名著」です。平易,冷静に,かつ,問題の本質を的確にえぐり出す筆致の中から,著者の「熱い想い」が否応なく伝わってきます。
「法は人を救うためにあるはずだ」。この確信に満ち,そして,人間愛に充ち満ちた一文に,どうか,一人でも多くの人が出会えますように。是非,多くの人に本書を手にとって欲しいです。 -
法律に関するものはとにかく漢文を読むようで、不慣れなものにとって、わかりやすく著者が書いたとしても、なお難解。
しかし、漠然と「国の指導力欠如」と思っていた素人が、そもそも災害については地方自治体が主体であることを改めて認識。
とはいえ、その自治体が壊滅した東日本震災によって、さらに見直される必要もあること。そうして、つぎはぎだらけの法律となっていく。
さらに、関東大震災を教訓にしたり、阪神・淡路大震災を参考にしたりと、その都度の時代背景がかなり異なる。異なっているのに数十年は同一の法律のまま。そして、再び大震災。
後手後手にまわるのが法律の定めなのでしょうか。 -
津久井先生から献本いただいた。感謝。
災害法制の見直しを考える立場として、大変参考になると説得力ある視点がもりだくさん。
個別の論点については、もっと勉強して整理したいと思う。なにせ、災害法制は、積み木のようにその場、その場でできているので、整理しなければいけない論点がたくさんありそう。
直感的な印象。
(1)国、県、市町村というツリー型のシステムは災害時にはあまり有効ではない。先日、読んだ上先生の本でも、現場で自主的に動こうとすると、市町村や県、業界団体がじゃまをするようなことが多くあった。
そのような障害を弾力的に様々なレベルに連絡して解決するためには、アレクサンダーがいうところの、セミラチス型の仕組み、複層的でかつ、トップへのホットラインも確保できているような仕組みが必要だろう。
例えば、地区の防災協議会が国の運用基準や市町村の姿勢でうまく活動できなければ、緊急に国レベルの会議でその問題を解決して是正指示(最近の地方自治制度では要請か?)できるような、ホットライン的な仕組みも必要だと思う。
(2)これから起こる首都直下や3連動を踏まえると、財政支出の規定は、その時点の国民の財政負担についての了解が必要なのであらかじめ決めきることは難しいかもしれないが、それ以外の特例的な措置で有効なものは、東日本大震災の特例法とするのではなく、恒久法として用意しておくべきではないか。
予算は、衆議院の議決だけでねじれ国会でもすぐ通るが、法律はそうはいかないということも考えれば、できるだけ恒久法を用意すべきだろう。
(4)災害救助法と被災者支援法など、似たような趣旨の法律がその成立経緯をふまえて、別別の省庁で運用されていることも課題。いろいろ政治的な反対もあるのかもしれないが、これから、予算、人とも少ない資源の中で大災害に対応する必要があるので、できるだけ縦割りを排除して一体的に実施する仕組みを考えるべき。
(5)災害救助法のように古い法律は、人の生死にかかわるような事柄が、厚生労働大臣の通知一つで決まるというのはなんとも非民主的。きちんと骨格は法律で規定して国会の承認をいただいて、実施すべきだろう。
いずれにしても、もっとたくさんの論点があるが、災害関連法制の勉強の第一歩として大変参考になった。
津久井先生ありがとうございます。
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