古典力 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 803
感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313892

作品紹介・あらすじ

齋藤流「古典のすすめ」。ヤマ場を臨場感たっぷりに感じる「クライマックス読み」、映画やドラマなどから源流を辿る「さかのぼり読み」、読破にこだわらない「パラパラ断片読み」など、これまでにない、古典への近道を伝授。『論語』『罪と罰』から『夜と霧』『百年の孤独』まで、齋藤版古典五〇選(さらにおまけの五〇選つき)も詳しく紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 齋藤先生流・古典のススメ。

    ご自身の提唱する学習法に音読を取り入れているからなのか、文章も簡潔・明快・リズミカル。

    そして情報量が凄い。読むだけで賢くなれそう。

    知るって、楽しい。
    学ぶって、面白い。

    わかりやすく楽しい語り口が、お勉強へのモチベーションを上げてくれる。

    それにしても、『カラマーゾフの兄弟』って、そんなに凄い作品なのか。齋藤先生いわく「これぞ最高峰の総合小説。これを読まずして文学を、いや人間を語るなかれ。」。
    ロシア文学って、とにかく長くて、暗くて、難しいイメージなので(超偏見)生きてるうちにトライしたいとは思っているんだけど…。

    日本の古典では、福沢諭吉の自伝が面白そうだった。人柄が感じられるカラッとして爽やかな文章らしい。なんでも手塚治虫のご先祖と関わりがあったとか。へぇへぇへぇ(トリビア)(←古い)

    • アセロラさん
      andesapresriam12さん、こんばんは♪

      やはり文化交流の場に政治的な話題はタブーでしたか(^^;

      サンクトペテルブルクは都会...
      andesapresriam12さん、こんばんは♪

      やはり文化交流の場に政治的な話題はタブーでしたか(^^;

      サンクトペテルブルクは都会のはずなので、北方領土はせいぜい東のイナカとしか思われていないのかもしれないですね…う〜む、やはり無関心がこの件の前進を阻んでいるのでしょうか。
      (そういう自分もそれほど知識は無いですが)

      『カラマーゾフ』、andesapresriam12さんとお話していたら、なんだか読まないといけない気分になってきました(爆)

      …いつか、読みます!(宣言しちゃった…(^^;)
      2013/07/31
    • andesapresriam12さん
      アセロラさんへ

      ではお互いにいずれ「カラマーゾフ」を読みましょう!

      それで途中で挫折しても責めないようにしましょう(^^;)
      アセロラさんへ

      ではお互いにいずれ「カラマーゾフ」を読みましょう!

      それで途中で挫折しても責めないようにしましょう(^^;)
      2013/08/01
    • アセロラさん
      andesapresriam12さん、こんばんは(^O^)/

      ぜひ!読みましょう、いつか!(笑)

      >途中で挫折しても責めないように

      そ...
      andesapresriam12さん、こんばんは(^O^)/

      ぜひ!読みましょう、いつか!(笑)

      >途中で挫折しても責めないように

      それ、大事ですね(^^;
      むしろ、強敵に挑戦した勇気を称えましょう♪お互いに^^
      2013/08/02
  • 『学術書を読む』(鈴木哲也/著、京都大学学術出版会)で紹介されていて、読んでみようと思っていた本。

    これからの世界を生きていくためには、精神のバランスが必要。
    時を超えて読み継がれてきた古典を読むことで、その足場を形成することができる。
    自分にとっての古典、すなわち「マイ古典」を増やしながら、骨太な思考力を、知性を育もう、という齋藤先生からの提案です。

    第1章では古典を読むためのコツ、第2章では渋沢栄一やゲーテなどの、古典を読み、実際に活用した先人のワザを紹介しています。
    ここまでで本書の3分の1ぐらい。
    残りの3分の2は第3章の名著50選+おまけのプラス50選に割かれていて、マイ古典を探すためのガイドになっています。
    なお、日本近代文学はあまりに名作が多いため選定外とのこと。

    齋藤先生の本も、読むたびに読書したい欲が高まります。
    いつか読もう、ではなかなか読まない性質なので、意識的に古典を読んでいかねばな、と思いながら読了。

  • もっと古典が読みたい。もっと本を読む時間がほしい。引用力を身につけたい。もっと本屋に行きたい。もっと本を置く場所が欲しい。50選の中で読んだことのある本。「カラマーゾフの兄弟」「変身」「武士道」「夜と霧」。持っているが読み切っていない本。「種の起源」「聖書」「古事記」「ギリシア・ローマ神話」「悲しき熱帯」「死に至る病」。買ってでも読みたい本。「百年の孤独」「ファウスト」「罪と罰」「赤と黒」「監獄の誕生」「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」。いま、買ったのにあるいは図書館のリサイクル市でもらってきたのに読んでいない本をベッド横の本棚に並べている。50冊以上にもなる。どんどん読み進めたいけれど、読むのが遅い。さらに、新刊を月に2、3冊は買ってしまう。そちらに先に手が出てしまう。結局いつまでたっても、ベッドサイドの本棚は空にならない。私にとっての古典は何だろうか、と思って本棚を探してみた。そうしたら、「プロテスタンティズムの・・・」があった。危うく、もう1冊買うところだった。さらに、「武士道」も持っていた。結局読んだのは新訳。そしてマイ古典ベストはたぶん梅棹忠夫著「文明の生態史観」だろうか。それとも、朝永振一郎著「物理学とは何だろうか」。はたまた、ハイゼンベルグ著「部分と全体」。いや安部公房?夏目漱石?
    その後、読んだのは「罪と罰」だけか。「アンナ・カレーニナ」は読んだけど、この本に出てるとしたら「戦争と平和」かな?

  • 古典を身に付けることの良いところと、実際の古典の紹介の本。
    不覚にも「引用なくして読書無し。頻用力なくして古典力なし」の文に痺れてしまいました。
    紹介されている本を見る限り、あまりちゃんと古典を読んでこなかったなーと反省。これでも中学高校時代は岩波文庫や新潮文庫の名著と言われるものを色々買って読んでいたつもりだったけど、私のレベルはまだまだだったんだなーと自覚。

  • 古典力=名著を日々の生活や思考に活かす力。と定義して、
    ①何故古典力が必要なのか
    ②古典を読み解くにはどうすれば良いのか
    ③具体的にどんな古典を読めば良いのか(概説付き)
    を論じた本。
    多様な価値観を理解し受容するには、古典の読書を通じて知性・思考力を磨くべきだという見解に、改めて古典作品を読み進めようとするモチベーションが高まったと同時に、その必要性を再認識した。
    古典の要点や歴史的意義を簡潔に纏めた解説書てしても使えるので、それだけでも読む価値はあるかと。
    大学入学時に読んでおきたかったと思える一冊になった。

  • 前半では、著者のこれまでの本に書かれているようなことが書かれているので、真新しさは感じない。
    後半のタイトルは聞いたことがあるけれども読んだことはない、そんな本を一気に紹介してくれる部分は圧巻で、ここだけでも読む価値アリ!著者の好みもあるのだろうが、それにしても範囲が多岐にわたっていて面白い。古文ではなく、古典なので、世界中の名作が紹介されているのが良い。
    個人的には、枕草子の紹介文がウケた。

  • 古典を読むと意気込んで買ってはみるものの、ついに挫折してしまう。こういったことを幾度となく経験した。

    本書は古典を読み、「マイ古典」とすることで日々の生活や思考に活かしていくことができるとする。

    古典を読むための十カ条として、
    ①一通り知識を事前に得る。
    ②引用力を磨く。
    ③さかのぼり読み-古典の影響を読み取る。
    ④パラパラ断片読み-全部を読もうとしない。
    ⑤我田引水読み-自分の経験に引きつける。
    ⑥つかり読み-作品世界にどっぷりつかる。
    ⑦クライマックス読み。
    ⑧演劇的音読。
    ⑨バランス読み。
    ⑩マイ古典の森をつくる。
    が示されている。

    今後は十カ条を活用して、古典に親しんでいこうと思う。本書は古典アレルギーを取り除いてくれる一冊だろう。

  • 本や巡りが好きな私。

    新刊書を初め、たくさんの本に囲まれて、おもしろいと感じる本がたくさんある中で、はたしてこれだけの書の中で今後数十年と読み継がれる本はどれだけあるんだろう。

    そう感じ、これまで読み継がれている書にはどんな力があるのだろう、と考えたことからこの書を読もうと思いました。

    「古典」と呼ばれる書の持つ力、それを読む意味について語られた本。

    古典について、著者自身の持論、渋沢栄一など先人が実感した古典の意義、著者自身が薦める古典の概要、という3章構成。

    第3章の「マイ古典にしたい名著50選」はとても親切。

    この書を読んで古典に触れる意欲が高まったのなら、教養力大幅アップ間違いなし。

  • 教養とはこういうことだ。斉藤先生の言葉は本当に強くて優しい。

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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