古典力 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
3.81
  • (40)
  • (68)
  • (47)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 616
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313892

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 古典は、読まないといけないと思いつつも堅苦しそうで、これまで読むのを躊躇していた(紹介されてる50選の半分も読んだことがなかった)。
    でも、本書の「古典を読むための十ヵ条」を読んで、ああ、古典ってそういう読み方をしても良いんだ、と、何かつかえが取れた気がした。

    本書自体も、文章はやさしく読みやすかった。古典の紹介も軽快で、タイトルからして難しそうな本でも、自分も読めるかもと思ってしまい、読書欲をかきたてられた。

  • 改めて、好い本を読まないといけないなと思いました。

    この本で言う「古典力」とは

    ”名著の知識を自分の古典として日々の生活や思考に生かす力のこと”

    なるほど確かに…

    でも、名著と言われるものは文章が難しくて最後まで読めなかったりします。

    この本はそんな名著を読みこなすためのアドバイスやヒントが盛りだくさん。

    私が持っていた読書の固定観念を払拭してくれました。

    前半は古典を読むための十か条と古典力を活かした先人のワザが紹介され、後半は推薦の古典をあらすじと共に紹介していいます。実際に読んでみたくなりました。

    早速、「マイ古典」をつくらねば!

  • 古典が読みたくなった。
    この本を道しるべに少しずつ気長に読んで行きたい。

  • 2階岩波新書コーナー : 019/SAI : 3410154966

  • 敷居が高く敬遠しがちな古典を、もっと身近に感じて親しもうという本。
    その為に、いきなり原文からではなく、現代語訳から読むことや、当時の社会状況等の周辺情報を学んだ上で読むことなどで理解が深まりより楽しめるということを書いている。
    最後におすすめの古典を紹介しているが、名前は知っているが、ほとんど読んだことがなかった。少しずつ読んでいきたい。
    ちなみに、以前読んだ本があると、嬉しくなる。

  • 世界中の知識、情報にアクセスできる環境は整ってきた。しかし、一人ひとりの教養がたしかな充実したものになってきたか、ものごとの判断力は向上したか、生の不安を乗り越えて生き抜いていく強い精神力を身につけたかといえば、少々心もとない。

    多様な価値観を理解し受容するには知性が求められる。数々の古典を自分のものとしていくことで、この知性が鍛えられる。自分の好き嫌いや快不快だけで判断せず、背景や事情を考え合わせ、相手の考えの本質をきちんと理解する。この深みのある思考力が知性だ。

    この圧倒的なエネルギーを浴び、心身の奥にそのエネルギーを蓄積することが古典を読む大切な意義だ。意味の枝葉末節にとらわれず、エネルギーを感受する。思考の骨太な元型を学ぶ。感情の大きなうねり、パッションの燃えさかりに触れて、なにかしらの生命力の火種が自分の中に生れる。そんなエネルギーの伝播が、古典力の本質だ。

    セレンディピティ(serendipity)という言葉がある。何かを探しているときに、別の何か価値のあるものを見つける力といった意味を持つ。古典のパラパラ読みは、このセレンディピティの力を充実させ、向上させてくれる。とくにその言葉を探していたわけではないのに、その言葉を偶然見つけてみると、まさに自分のためにある言葉だとしか思えない。古典をパラパラ読みしていると、こんな思いを抱くことがよくある。

    「私は論語で一生を貫いてみせる。金銭を取り扱うが何ゆえ賤しいか。君のように金銭を卑しむようでは国家は立たぬ。官が高いとか、人爵が高いとかいうことは、そう尊いものではない。人間の勤しむべき尊い仕事は到る処にある。官だけが尊いのではないと、いろいろ論語などを援いて弁駁し説きつけたのである。そして私は論語を最も瑕のないものと思ったから、論語の教訓を標準として、一生商売をやってみようと決心した」。

    三つ目は、論語の言葉による人物鑑定法だ。まず外にあらわれた行為を「視」て善悪正邪を判断する。さらに、その人の行為は何にを動機にしているかを「観」る。「観」は「視」よりも深い眼力だ。これに加えて、その人の安心はどこにあるか、何に満足して暮らしいるかを「察」するようにする。

    夢に好きな異性が出てくることはよくある。しかし、徳の権化のような人物がしょっちゅう夢に出てくるとすれば、それはもはや一つの技である。「吾れ未だ徳を好むこと色を好むが如くするものを見ざるなり」と孔子は言うが、夢に見るほど「徳へのあこがれ」で身を焦がしていた孔子だからこその言葉だ。

    孔子と弟子たちを分ける線があるとすれば、この「思いの強さ」だろう。孔子は、弟子に「おまえは私を多く知るものだと思うか」と問う。弟子が「そうだと思いますが、ちがいますか」と聞くと、孔子は「私は、一以って貫く者だ(一つのことで貫く者だ)」と答える。

    古代の壁画の模写を見たゲーテは、「いや、ほんとうに昔の人は壮大な意図をもっていたねえ」と嘆息し、「そればかりじゃなく、ちゃんとまたそれが表現できたんだからねえ。それなのに、われわれ近代人は、意図だけは大きくても、それを思うままに力強く生きいきと生み出すことがほとんどできない」とエッカーマンに語る。

    私は大学生たちに、「自分が背負っている文化伝統をいってみてください」という課題を出す。何も思い浮かばないようだと、さみしい。

    「私は今、自分のまだ知らないことがどれだけあるかをも悟っており、またすべてを知り、理解するための道もすでに開かれている」。
    まだまだ学ぶべき魅力的なものがたくさんある。このワクワク感こそ、生きる喜びの尽きせぬ源泉となる。

    周囲の人間と同調し、同じ空気で時代に流されてゆくよりは、遠い古人との魂の共鳴を求める気持ちは理解できる。私たちも行きづまったときに、周囲の人間に相談を持ちかける志向だけでなくていい。古典の世界に浸ることで静かに自分を見つめる「時」が避難所となる。これは、古典力によって人生の危機を自ら救うということだ。

  • 楽しむ目的で読書をしているので「離乳食のようなやさしい文章」でも自分が面白ければいいじゃねーか!と突っ込みたくなりましたが、読んで行くうちに、古典面白そう!という思いにさせてくれた本でした。

    紹介された中では、「学問のすゝめ」
    「福翁自伝」は読んだことがありました。読めば福沢諭吉が一万円札に利用されているのも納得です。ただ、斎藤先生の訳で新書で出回っているものを読んだだけなので、原文を読んでみようかな。

    とりあえず、「カラマーゾフの兄弟」「論語」「武士道」辺りから制覇してみようと思います。

    好きな作家を一気に読むのも楽しいですが、じっくり読んだり、生きる指標として学ぶための読書もいいですね。

    いつものように、本書からの引用
    「精神の核といえるものを自分の身のうちに形成するためには、出会いが必要だ。」

  • 好きな作家がレスペクトする作家の本を読む。
    真理は一つではない。様々な心理がある。一見矛盾する2つの考えが状況次第で、どちらも真理になることがある。
    古典になじむことは偉大さに触れること。

  • 相変わらず何にでも「力」を付けて目新しくしていますが、内容に新しいことはありません。
    読書は大事ですよ、教養は身につけましょうね、ということに尽きます。
    でも、ゲームに明け暮れる若い世代にはためになる本だと思います。齋藤氏の本を何冊も読む必要はないと思いますが・・・・。

  • 変化が激しい今だからこそ,時代が変わっても読み続けられている古典を読み,自分の足場を固めないといけないなと感じた。普段,隙間時間を利用して読書している僕としては,じっくり読むべき古典は敬遠しがちだったけれど,この機会に古典も読んでいこうと思う。時間のあった学生時代に読書しなかったことが悔やまれる。

全74件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

齋藤 孝(さいとう たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。学者、作家、文化人の役割で多くのメディアに登場している。
2001年『身体感覚を取り戻す』で第14回新潮学芸賞を受賞。2001年発行の『声に出して読みたい日本語』は250万部を超えるヒットとなり、第56回毎日出版文化賞特別賞を受賞。
その他、『語彙力こそが教養である』など多くの著書があり、発行部数は1000万部を超える。『こども孫子の兵法』など監修作のヒットも多い。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

古典力 (岩波新書)のその他の作品

古典力 (岩波新書) Kindle版 古典力 (岩波新書) 齋藤孝

齋藤孝の作品

ツイートする