杜甫 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004313922

作品紹介・あらすじ

李白と並び称される唐代の詩人・杜甫(七一二〜七七〇)。名門の家に生まれたが、苦労してなった官僚の職をわずか四年で辞め、貧困のなかで放浪生活を送った杜甫は、社会や現実を凝視して、苦難を乗り越える意志を力強くうたう詩をのこした。その悲惨な生涯をたどりながら、世界との抗いを生々しく描いた代表作を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705996

  • 杜甫の生涯を追いながらその詩境の変化を追うことができる。目次をご覧になればわかるが、年譜がベースとなる時系列順の章立てのため漢詩初心者でも理解しやすく、その中で漢詩における「楓」のイメージや、中原・江南とも違う蜀の土地柄など、補足的な知識を入れることもできる。
    特に興味深かったトピックは自然の表現の変遷。秩序正しく運行する美しい自然と、混乱した時代の人間たち・ままならない自分を比べて「恥」を覚えるという感覚は今後杜甫の詩を読む際の参考になる。

  •  こうした本は、何度も出版されても読む人がいるであろう。有名な詩が、白文、書き下し文、現代語訳と書かれている。
    国破れて山河あり
    城春にして草木深し
    時に感じては花にも涙をそそぎ
    別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
    ほう火三月に連なり
    家書 万金にあたる
    白頭 搔けば更に短く
    すべてしんにたえざらんと欲す

    これは、福島原発爆発の日本の現状ではないか。

  • 白楽天もまた杜甫の作風を真似ていた。
    生前は評価されることがなかった杜甫。
    その放浪の旅があったからこその作風だったのかもしれない。
    杜甫について、バクっと理解できました。

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著者プロフィール

京都大学名誉教授

「2023年 『新釈漢文大系 詩人編7 杜甫 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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