哲学のヒント (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 109
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314134

作品紹介・あらすじ

「生きた哲学は現実を理解し得るものでなくてはならぬ」(九鬼周造)。なぜ今日の空は美しいのか、親しい人を喪うとはどういうことか、私とは何か-哲学の問いはつねに日常のなかから生まれ、誰にとっても身近なものである。古今東西の思想家の言葉をたどりながら、読者それぞれが「思索の旅」を始めるためのヒントを提供する。

感想・レビュー・書評

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  • 2018.6.22読了

    高校倫理も真面目に受けてこなかった人間なので、成人を前に「哲学」というジャンルに触れてみようと思った。
    新書なので身構えたが、語り口は易しく入門書らしい。
    しかし、正直第4章あたりから目が滑って理解が追いつかなかった。リベンジしたい。


    p3 「哲学をするのはカムチャツカにいてもできる」

    p46 人間は、死と不幸と無知を癒すことができなかったので、幸福になるためにそれらのことについて考えないことにした。

    p132 言葉…①考えるため、表現するための道具
    ②ものは言葉によって分節される

    p73 無常観
    西洋:根底には移ろわぬ永遠なるものがある
    東洋:背後には何もなく、虚しさがどこまでも深い

  • 「哲学」の入門書を探している人にとっては良い。哲学に触れるうえで主要となるカテゴリー別に問題提起がまとめられている。一度目は精読するのではなく、流し読みをして、二度目に興味のある章を精読しました。
    哲学者の言葉を数多く引用しており、良書。
    「私」の定義の部分が少し難解だった。。。

  • 西田幾多郎研究の人。わかりやすい。

  • 入門や、おさらいにおすすめ。哲学の基礎的なことが書いてあった。

  • 古今東西の思想家の言葉をたどりながら、そこにひそんでいる哲学のヒントを取り出して見せてくれる本。
    伝統的な思索の紹介にもなっています。

    著作を読んだだけで、深くまでその思想が理解できずにいたパスカルと九鬼周造が取り上げられていると知って読んでみました。
    哲学者たちの思想をクリアにわかりやすく解説してくれているため、つかえることなく読み進められます。

    まず、「倫」というのは「ともだち」「なかま」という意味であり、仲間の関係を規定したルールが倫理だという定義から入ります。
    人のあるべき道だと思っていましたが、もっと社会的な意味を帯びたものでした。

    パスカルが著書『パンセ』で、幾度となく「気晴らし」(divertissement)という言葉を使うのは、気がついていましたが、人は、一人で何もしないでいれば、必然的に

    自分自身に向きあい、自己を直視しなければならなず、それは非常に恐ろしいことだから、気晴らしに身を投じるのだという解説を読み、ようやくパスカルの言わんとすることが分かってきた気がします。

    また、九鬼の『いきの構造』はなかなか難解ですが、「いき」を媚態、意気地、諦めという三つの特徴で構造化していると、端的に表現していました。

    東洋と西洋で語られる「無常」とは別の性質のものだとも説かれています。
    西洋の無常は、プラトンの「イデア」のように永遠なものに支えられたもので、東洋の無常は、永遠なるものは見られないとのこと。
    それは、一神教と多神教の違いに通じるところかもしれません。

    別の所では、日本で仏教が人々の間に受け入れられ、深く浸透していったのは、仏教の理論が情緒と深く結び付いたからだとしています。

    外国の思想家も登場しますが、全体的には日本哲学への入門編としてまとめられています。
    さまざまな人のエピソードが紹介される中で、ジョットが無造作に手で円を描き、それが完全な円だったためにヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂ファサードのモザイク画に任じられたという話が印象的でした。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:100//F67

  • 藤田正勝『哲学のヒント』岩波新書、読了。哲学と聞けばどこか浮き世離れしたイメージが強いが、アリストテレスがいうように、哲学は日常生活の中に根がある。本書は、生活者の視点、言葉から、根源的思索--哲学的に考えてみること--を誘う哲学エッセー。非常に読みやすい考えるヒント集。

    著者はドイツ観念論と日本思想史の専門家。全編に渡り、京都学派「臭」は否めない。しかし、日本思想を「哲学」の次元で語り直すことには成功している一冊か。「生きた哲学は現実を理解し得るものでなくてはならぬ」(九鬼周造)の一つの見本となろう。

  • 配架場所 : 新書
    請求記号 : SHIN@100@F100@1
    Book ID : 80100454402

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002347264&CON_LNG=JPN&

  • 勉強になりました。

  • 懐かしい哲学。
    西田哲学はずっとわからなかったけど、今もわからない。
    小冊子で再び「純粋経験」
    それでもわからない。
    「生きるとは何か」
    哲学の基本を語っていただいた。
    どんなに分厚い本を読んでも、まだまだわからない。
    だからこそ、哲学は永遠なのかもしれない。

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著者プロフィール

1949年、三重県生まれ。1978年、京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。1982年、ボーフム大学(西ドイツ)大学院博士課程修了。博士(文学)。京都大学文学部教授を経て、現在、京都大学総合生存学館名誉教授。専門は、ドイツ哲学・日本哲学。著書に、『現代思想としての西田幾多郎』(講談社選書メチエ)、『西田幾多郎』(岩波新書)、『西田幾多郎の思索世界』(岩波書店)、『哲学のヒント』(岩波新書)など。編著に、『シェリング読本』(共編、法政大学出版局)など。注釈・翻訳に、九鬼周造『「いき」の構造』全注釈(講談社学術文庫)、『シェリング著作集』第4a巻(燈影舎)など。

「2016年 『九鬼周造 理知と情熱のはざまに立つ〈ことば〉の哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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