民族紛争 (岩波新書 新赤版1431)

  • 岩波書店 (2013年6月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004314318

みんなの感想まとめ

民族紛争の本質とその背景を深く理解できる内容で、多様な事例を通じて説明されています。スリランカ、ルワンダ、キプロスなどの具体例を挙げながら、紛争がどのように発生し、拡大し、さらには再建に向けた道筋を探...

感想・レビュー・書評

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  • スリランカ、ルワンダ、キプロスなどといった世界各地の民族紛争を例に上げて解説し、民族紛争とは何か。
    民族紛争発生の条件、未然に防ぐことへの可能性、紛争がどの様にして拡大して行くのか。
    そして起きてしまった紛争の終結後に再び紛争が起こることなく再建して行くにはどうしたら良いのか。

    民族とは何か。民族紛争はなぜ起こるのか。今まで全く気にしてこなかった自分が生まれて初めて読んだ民族紛争に関する本。
    従って内容の良し悪しを言えるような立場では無いが、2日で一気に読んでしまったことを考えると良く出来た構成・内容なのだと感じます。

    今後も更に世界の争いと平和への道筋を探求する書籍を読み続けたいと心から思い、その道へ導いて下さった筆者への感謝としたいと思います。

  • 6つの個別事例は、わかりやすくまとめてあると思う。
    後半は、まあ、当たり障りないことが書いてある。飛ばし読み。

  • SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687500

  • 民族紛争について1から知ることができた。特に興味があったルワンダのフトゥ人とトゥチ人の対立による紛争について、詳しく学ぶことができて非常に興味深く感じた。

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【期待したもの】
    ・特にシリアとイスラエル

    【要約】


    【ノート】

  • 2013-7-11

  • 再再読。一部の章は何度読んだかわからない。入門書なので事実列挙と基本的な理論・考え方の紹介が中心であり、細かな因果関係や比較政治学的な解明はなされていないが、民族紛争の何たるかをとても分かりやすく教えてくれる。

  • 著者の月村太郎氏(1959年~)は、旧ユーゴスラビアを中心としたバルカン半島の近現代政治史を専門とする政治学者。
    本書は、題名の通り、「民族紛争」に関して、前半で、近現代の代表的な6つ事例(下記)の概要を紹介し、後半で、それらを理解するための4つの視点として、発生する原因、予防の可否、進展の過程、終了後の対応について考察したものである。
    ① スリランカにおける、民族的多数派シンハラ人(シンハラ語、主に上座部仏教徒)と少数派タミル人(タミル語、主にヒンズー教徒)による紛争
    ② クロアチアにおける、民族的多数派クロアチア人(主にローマ・カトリック教徒)と少数派セルビア人(主にセルビア正教徒)による紛争、及びボスニアにおける、ボスニア人(主にムスリム)とセルビア人とクロアチア人による紛争
    ③ ルワンダにおける、多数派フトゥ人と少数派トゥチ人による紛争(フトゥ人によるトゥチ人のジェノサイド)
    ④ アルメニア(アルメニア人、アルメニア語、主にアルメニア正教徒)とアゼルバイジャン(アゼルバイジャン人、アゼルバイジャン語、主にシーア派イスラム教徒)による、アゼルバイジャン領内のアルメニア人地域の飛び地であるナゴルノ・カラバフの帰属を巡る紛争
    ⑤ キプロスにおける、民族的多数派ギリシャ人(ギリシャ語、主にキプロス正教徒)と少数派トルコ人(トルコ語、主にスンナ派イスラム教徒)による紛争
    ⑥ コソヴォにおける、民族的多数派アルバニア人(アルバニア語)と少数派セルビア人(セルビア語)の本国であるセルビアによる紛争
    かつて武力紛争と言えば、多くは、国家同士が争い、領土を奪い合う、いわゆる国家間戦争であったが、第二次世界大戦以降は、国際社会に(武)力による国境の変更を認めないとするコンセンサスができたことから、それ以前のような規模の武力衝突は減少している。
    そして、代わって目立つようになっているのは、同じ(或いは隣接した)地域に住む、民族・宗教・文化の異なる集団が争う、いわゆる民族紛争(更には、遠く離れた地域(の異なる集団)をも対象とした、テロとそれを防ぐ名目の戦争)であるが、本書の6つの事例を見ると、同じ地域において根本的な価値観の異なる集団が共存することの本質的な難しさを痛感せざるを得ない。
    日本は基本的には単一民族国家であり(在日朝鮮人などの問題はあるとはいえ)、幸いなことに本書で対象とするような民族紛争の当事者となることはこれまでになかったが、それ故に世界各地で起こっている民族紛争について実感が湧きにくく、ややもすれば無関心ですらあるように思う。しかし、本書で紹介されているような紛争は、我々の生きる地球上において生じている紛れもない事実であり、我々がそれらから目を背けることは許されない。我々が日本に住みながらできることは限られるが、まずやるべきは事実を知ることであろう。
    第二次大戦後の代表的な民族紛争の内容がコンパクトにまとまった一冊である。
    (2018年4月了)

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:316.8||T
    資料ID:95130779

  • なぜ民族紛争は起きるか→
    必要条件
    ①複数の民族がいる、②居住分布が部分的に混合、③民主化の途中、④経済の停滞、⑤過去の衝突、⑥宗教が原因のこともある(全てではない)
    十分条件
    ①相手への恐怖、②不安・恐怖があるなかでの事件、③政府に敵対するエリート

  • スリランカ、ルワンダ、キプロスなど近年の民族紛争の概要が書かれている

  • 世界で起きた様々な民族紛争の事例を紹介し、その発生のメカニズムや予防方法について論じた本です。

    後半部のメカニズムや予防方法についてはなかなか体系的にまとめられ、わかりやすかったのですが、前半部の事例については、まとめすぎてて経緯を把握しにくかったです。大学のときに旧ユーゴ紛争について研究していたので、旧ユーゴについては理解できましたが、スリランカ、キプロス、ルワンダ、ナゴルノ・カラバフについてはもう自分自身が少し理解し直す必要があると思いました。

  • 後半の総論、抽象化した議論はわかりやすい。

  • このテーマから遠ざかって久しかったのだけど、春にクロアチアにいって資料館を訪れたことや何かの広告でこの本の出版を知って知識を整理、追加したくなった。

    新書ゆえのコンパクトさ、複数の紛争が扱われていることの長短を感じたが、後半に一般的な紛争の起こる土壌や過程、解決手段などの解説もあり、これをきっかけに個別のテーマにはいっていける本。

  • 月村太郎『民族紛争』岩波新書、読了。頻発する民族紛争はどう発生し激化するのか。本書は序章で民族と国民の概念を整理した上で、スリランカ、クロアチアとボスニア、ルワンダ、ナゴルノ・カラバフ、キプロス、コソヴォの6つの事例を取り上げその経緯と軍事介入、ジェノサイドの実態を考察する。

    後半は民族を紛争を理解する為に、発生のメカニズム、連邦制から多極共存性にまでの予防法、激化のメカニズムと民族紛争「後」の再建を取り上げ詳論する。「移行期正義」を無視することはできない(例えば紛争中の不義を不問に付す)との著者の観察には留意したい。

    多民族共存社会がいかなる体制を採用しようとも中長期的には国民国家の規範を全否定することはできない。とすれば、国民形成という近代国際・国内政治におけるパラダイムに改め向き合わざるを得なくなる。著者が最後にルナンの『国民とは何か』を引用するのが印象的

    「民族紛争を再発させない為には、民族アイデンティティを超えた多民族的な国民アイデンティティ、そしてそれに基づく国民意識の涵養と維持が為されなくてはならない」。そしてそれはエリート、民衆が一緒になって内面化・社会化し続ける日々の努力が必要となる。

    月村太郎『民族紛争』岩波新書。民族と国家の意識が混同され、ステートに都合よく動員されるのが近代。日本ほど強引にすり替えてきた国家は存在しないし、近年悪化の一途。国家の解体を夢想するだけでなく、国民概念・国民意識の換骨奪胎による共生も現実的には視野にいれるべき。

    殆どの場合、科学的・歴史的な根拠が全くないにも拘わらず、近代以降の線引きが序列化によってその差異が対立的な概念として光を浴びて、衝突を加速させている。まあ、「ウチとソトの論理」(佐々木俊尚)。その解放としての脱・植民地が裏腹な結果にもなっている。

    例えば、インドは英国の植民地支配を脱して、“建前”としては民主主義の制度のもとに、植民地支配と前時代的ありかたから脱却されたということになっている。しかし、その内実は、拍手できるものでもない。この辺りはアルンダディ・ロイが指摘するところか。※勿論、民主主義否定ではないけど。

    ウチを潤沢するためにソトを利用するというのが近代社会の基本的構造なんだけど、それを脱却するために、同じ構造が動員されていく。だとすれば、その概念認識自体を一新していくなかで、変えていかないと、まさに仲間か敵かの二元論で、形を変えて悲劇の招来が必然になるという。

    月村太郎『民族紛争』岩波新書では、スリランカが民族紛争の事例として紹介されるけれど、この辺りは、梅原猛式の「仏教は平和の宗教、一神教は暴力の宗教」という認識を改めるうえでは認知しておくべき課題だとは思っている。どの宗教にも限らず、平和を希求する人間もいればそうではない場合もある。

    「仏教は平和の宗教、一神教は暴力の宗教」みたいな単純化した立場の認識こそ問題なのだと思う(勿論、それはそれぞれの歴史的負荷をスルーするという意味ではないのはいうまでもなく)。重層的なアイデンティティに絡め取られた人間をどのように眼差していくのかが課題になると思うのよね。

    たぶん、大切なことは、一つ一つの問題をスルーすることでもないし、特定の作業仮設的な枠組みから一つに収まりきらない対象を限定していくことなんだろうと思う。その両者は両極端にあるように見えながら、実はひとつもののうらとおもてなんだと思う。人間観の更新を絶えず意識的に試みるしかないよね、

  • クロアチアとボスニア、コソヴォ、ルワンダ、スリランカなど6つの紛争の経緯を詳するとともに、紛争が発生し長期化してしまう要因についても論じている。確かに発生条件が揃わなければ紛争を避けられる可能性はあるようにも思う。と同時に『民族』という括りを作った瞬間に、確変リーチがかかった状態とも考え、あとは時間の問題という気がしないでもない。他者との共通項を見出すということは、裏を返せば差異を明確にすることと同じ。

  • 教科書的に解説してあるので、高校生の民族紛争学習には、良いテキストでしょうか。
    6つの例と、解決策、事後策まで網羅してある。
    民主主義が逆に紛争を引き起こしていること。
    世界は思うように平和にならないこと。
    国連がいかほどのものか・・・・。
    など・・・・、考えさせられることも多かった。

  • 316.8||Ts

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著者プロフィール

同志社大学政策学部教授

「2023年 『バルカンの政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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