福島原発事故 県民健康管理調査の闇 (岩波新書 新赤版1442)
- 岩波書店 (2013年9月20日発売)
本棚登録 : 156人
感想 : 25件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004314424
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
福島県民健康調査委員会の実態を詳細に描いた本書は、原発事故後の情報操作や政治的思惑が県民の不安をいかに増大させたかを暴露しています。著者は、公式資料や独自取材を通じて、県民への情報公開が「不安を解消す...
感想・レビュー・書評
-
2011年の311以降、福島県や国の原子力に対する対応を見るにつけ、政治家というものに侮蔑しかわかなくなった人も多いと思います。
本書は、福島県で設立された県民健康調査委員会の呆れ果てた実態の数々を公式資料と独自の取材で暴いています。
県民へ何を公開するのかという情報操作が、「県民の不安を解消するため」というリスクコミュニケーションのお題目の上で秘密裏に会議されていた実態。
そこに見えるのは、県民流出を防ぐため、放射線被害をなるべく最低限に見積もる、という県の政治的思惑。
その結果、住民の「不安を解消する」どころか、「なにが真実かわからない」とう不安、怒りをただいたずらに増長させるだけになりました。
そのような事態になったにも関わらず、記者会見は紋切り型で短時間、情報操作をしていたことについては「誤解をまねきかねない行動」の一言で済ませて認めようとせず、被曝量の基準も改めようとしない。
僕は原発反対の立場です。しかし、ここで問われているのは原発の必要の有無ではなく、情報操作を可能にし、住民の声に耳を傾けようとしない閉鎖的な政治システムの必要性の有無です。
これから暮らしていく日本をどのようにしていくか。反面教師として福島県議会は充分やってくれたと思います。もう後進にまかせて休んでください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カテゴリ:図書館企画展示
2016年度第9回図書館企画展示
「災害を識る」
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース -
978-4-00-431442-4 219p 2013・9・20 1刷
-
福島原発事故 県民健康管理調査の闇 読んで暗澹たる気分になった。秘密会議をやっていたというニュースは見ていたが、ここまで悪質だったとは。甲状腺がんは100万人に1人と言っていたのに、33人出てる。ほんと悲しい、悔しい http://t.co/KnytjnSepI
-
福島原発事故の健康被害を調査するため福島県が実施している「県民健康管理調査」。住民が最も関心を寄せているデータにもかかわらず、無用な混乱を回避するという美名の下、長きにわたり隠蔽が繰り返された。存在を隠し続けてきた秘密会や準備会、あらかじめ作成された会議シナリオ、議事録の改竄など、忌々しき事実が次々と明らかにされていく。行政機関とは一体誰のためにあるべきなのか。著者は厳しく問い直している。
-
知っておかなければならないと思い、手にしました。
読んでみて感じたこと。
ひどい。嘘をついてごまかして本当のことは言わないで、市民をばかにしている。人の心が無いんだろうか。隠し通そうとした闇を暴き、こうして伝えてもらえたことに感謝します。 -
秘密会のリークから山下教授の退任までの功績はたたえる必要がある。
感想として、
①山下教授は福島に来て以来非難の嵐なのに、何故あえて福島県立医大の副学長になってしまったのだろう?
②甲状腺がんと原発の因果関係はおそらく統計学で処理できる。(原発が安全と言っていたのも統計学を利用しているはずで、この因果関係を否定するなら、論理矛盾となるはず)
③チェルノブイリのデータを、医療では原発の安全性にむずびつけ様とする国の風潮があるが、それと真っ向から反する”チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害: 科学的データは何を示している”という本もある。
④この秘密会議は、特定秘密保護法と共通する点が多い。
今後は、
①この秘密会は誰が主導指導していたのか?恐らく政治家だろうが、なぜ福島県庁職員はそれに加担してしまったのだろうか?
②そして、健康管理調査を通して報告された結果と異なる見識を持った研究者たちがわんさかいるわけで、次回はこれらを扱った連作に期待したい。 -
この本が世に出たことを驚く。毎日新聞記者で、福島県民健康管理調査が、直前の秘密会議で周到に打ち合わせされた振付の上で踊っているだけだという事実を報道した日野行介氏の手記。
長崎大から福島医大副学長になった山下俊一はじめ、県民の命より国の政策、原子力発電とその事業者を優先させた福島県職員、議会、知事。
もし、まだ彼らが福島県民のために働くというのであれば、この書籍にかかれた告発状に正面から応え、不信感を払拭すべきだと思う。 -
行政が自らの保身や組織の維持のために様々な隠蔽を重ねる姿が描き出され、これから何年も続くであろう健康管理調査の目的をあらためて考えてしまう。
3.11以来、大手マスコミの信用も地に落ちた感があるが、骨太の取材により「第4の権力」として機能しようとしているジャーナリストが今でもいることに、救われる思い。
そういえば沖縄返還にまつわる日米密約を暴いた西山記者も毎日新聞だったけ。 -
H25.10.18
-
行政がからむ話で胸の悪くなるようなことは五万とありますが、これも例外にもれず・・・・・。
それにしても、著者は一新聞記者だろうか。
信念に燃えて、報道していることに好感が持てる。
まだまだマスコミも捨てたもんじゃないな・・・・とも思う。
それにしても、それにしても、懲りないというか、反省しないというか、行政には困ったものだ。
どうして「無きものにしてしまおう」とか「できるだけ騒がしくないようにしよう」とか、余計な配慮ばっかりするんだろう。 -
こやはり公平な目で行政をすすめることが必要。マスコミの追及に拍手。
-
福島県による県民健康管理調査を追った毎日新聞記者による労作。
秘密裏に行われる会議の存在、あらかじめ作られた会議の進行表、都合の悪い発言の議事録からの削除…犯罪的としか思えない所業の数々。彼らはどちらを向き、何を守ろうとしたのだろう。まさに、闇。
こういう丁寧な調査報道もあるから、ひとくくりにマスゴミなどと言う言い方は好きではない。同じく、自分も使った事はあるが御用学者という呼び方も。
健康調査の検討委員会座長を務めた、元福島県立医大の山下副学長への貴重なインタビューも掲載。 -
493.19||Hi
著者プロフィール
日野行介の作品
