家事労働ハラスメント――生きづらさの根にあるもの (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
3.81
  • (18)
  • (27)
  • (28)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 288
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314493

作品紹介・あらすじ

食事の支度や後片付け、洗濯、掃除、育児に介護…。だれもが必要とする「暮らしの営み」のはずの労働が、なぜ正当に評価されないのか?不公正な分配が、いかに生きづらさや貧困を招き寄せていくか。終わりなき「見えない労働」を担う人々が、社会から不当に締め出されている実態に光をあて、困難から抜け出す道を内外にさぐる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 難しかった…・読んでいると腹が立ってきて、それでも読むと理不尽で泣けてきて(泣かないけどさ)…あー、私が家から外に出られないと悩んでいるって、こういうことが原因なんだ…と客観的に自覚できた。結構多いパターンなんだなぁと。

    働きたけど働けない。家事・育児・自宅介護をしつつ外で働くというのは、かなりハードルが高い。せめて家の中に姑とかいてフォローしてもらえたら、随分違うと思う。(別問題が勃発する可能性があるけど…)それでも働いている女性はいる。そういう方を私は尊敬する。

    何かを捨てないと、または選択しないと女性は独立できないような気がする…。うちの母は離婚して夫と子供を置いて社会に出ていった。そして自分で独立して持家を手に入れたけど、その代償は大きいんじゃないかな…とひそかに思う。

    私にも「この母の姿を見よ!」「外に出て働け」「子育ても家事も夫も介護も放って働け」と言うけど…そうするとたぶん家庭が崩壊する。堂々巡りの難しい問題だと思う。女性だけに限らず男性だって、子供達だって生きづらい社会になってきているなぁ…と感じる。こんな社会に誰がした?って感じ???

  • 読みながら、ふつふつと夫への殺意が生まれてきた。
    そう、こいつと結婚さえしていなければ、私は今頃正規雇用をあきらめたり、家事・育児・介護に農家の嫁労働としてこき使われて…あげく実家の相続権を放棄させられて、この婚家でも私財産の形成のままならない状態に甘んじていることなどはなかったのだと!
    あたりまえのように、作られた夕飯を食べて、会話もなくテレビの前にくつろいで、メタボ腹をさらしている夫に、殺意が…(-_-#)
       まあ、そんな本気の冗談は置いといて、
     どうすればこの生き辛い状態がよくなるのだろうか、
    なぜ労働時間の規制法が個人の尊厳を無視する方向で決着してしまうのだろうか、イスラムの男尊女卑の今の風潮を笑えない、日本の意識の低さが再生産されているとしか言いようがない

  • こんなにも深刻な家事ハラを、「夫の家事へのダメ出し」というクソしょーもないことを表す言葉に使った人のセンスを疑う。経済界だけでなく、法律まで家庭内無報酬労働を推奨する日本、終わってる。

  • 付箋貼りながら読んでたら本全体が付箋だらけになってしまったほど、大きくうなずきながら読んだ。
    あの手この手で家事労働が「ないもの」とされ、そのせいで社会全体に大きなひずみが生じている。そして今、世界から日本のその状況が批難の的になっているにもかかわらず、現在の政財界は家事労働無視・長時間勤務礼賛への歩みを強めようとしている。
    主婦だけではない。働くことに息苦しさを感じている人は一度読んでみてほしい。何かヒントが見つかるはずだと思う。

  • ワーキングマザー的な話題の中で、あるブログで紹介されていた本。3歳男子の子育て真っ最中、仕事・家事・育児をどう両立するかが自分自身の課題であるとともに、それって自分ひとりの問題じゃなくて、世の中の問題じゃないの?と常々思っているのですが、そのあたりをしっかりまとめてくれている一冊。なぜ家事労働が軽視されているのか、もしくは美化されて(家事は尊いものだから)無償であるべきとされているのかの理由を追いかけるとともに、問題提起しています。
    長年取材してきた内容も踏まえつつ、現在の法制度の背景や、なぜ日本はこういう社会なのか、ということに向き合っていく。自分が漠然と感じていた違和感のようなものを、ちゃんと説明してくれた…というか。

    ただ、タイトルをキャッチ―にしたかったのは分かるのですが、「ハラスメント」というのは内容とズレがあると思っています。ハラスメントというと個人から個人へのいやがらせのように受け取れてしまうのですが、これはあくまでも単純に個人的な「ダンナが奥さんの家事を軽視している」という問題ではなくて、社会として「家事労働を軽視する仕組みになっている」という問題だ、ということを訴えています。ワーキングマザーに限らず、パパ達も、むしろ子育て世代じゃない人たち、管理職の人たちとか社会や会社の仕組みを動かす・作る立場にある人たちにも是非一読して欲しいですね。

  • へーベルハウスのコマーシャルで話題になった「家事ハラ」という言葉。へーベルハウスの社員は誰もこの本を読んでいないと確信しました。
    「人々が気づいていなかった現象に新しい名前をつけることで、その問題点を見えるものにするという社会改革の試み」が社会学者の仕事なのだから、へーベルハウスのしたこと(学者が命名した言葉を、命名の意図とかけ離れた意味で使用し、流布する)は、学者の生命を断ちかねない重大な営業妨害でした。
    著者の抗議が受け入れられたのはせめてもの救いです。著者の業績(炯眼)が汚されず、社会改革に寄与し続けられるよう祈ります。

  • そうなのよ‼︎という内容。
    家事は、毎日の事でひとつひとつは大した事のない労働でもつもり重なるとかなりの労働。かつ、認められないもの(やって当たり前)。そういったものが主に女性にのしかかってきている現状をきちんと把握して欲しい。

  • 今、家事ハラという言葉が喧伝されています。
    夫が自分なりに家事をがんばったのに、妻がそのお粗末さに上から目線で貶めるという、夫が行う家事行為に対して妻が嫌がらせをすることという意味で使われているようです。

    どこが出処かわかりませんが、この本は違います。

    日本の社会の中で家庭に関わる全ての無報酬労働が、われわれを苦しめて来たことを掘り起こしています。

    この本は私にとっても生きづらさの根幹を掘り起こして見せてくれました。

    これからさらに勉強して、次世代に伝えたいと思いました。

    久々に衝撃的な本でした。

  • 【読書その77】以前facebook上で読んだ感想が書かれていたので気になって手に取る。結婚して多少妻と分担をして家事をするようになって大変さを多少なりとも知った(あくまで多少ですが)。実家では母が飲食店を経営しつつ、全て家事をやっていたので本当に大変だったよなぁと、今更ながら母ばかりに家事を押しつけていたことを反省することが多くある。育児をしながら共働きをするには夫婦で家事の分担が不可欠。それを改めて痛感するのでした。

  • 働き出してからずっと感じていた働きにくさや違和感の原因がやっとわかってスッキリした。選挙の時などはこの違和感の原因を大切にして候補者を選びたいと思う。仕事中もこの違和感を内に込めずはっきりと声に出していきたいと思う。そういう気持ちになれたのでこの本に出会えてよかった。

全32件中 1 - 10件を表示

竹信三恵子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
シーナ・アイエン...
佐々木 圭一
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印

家事労働ハラスメント――生きづらさの根にあるもの (岩波新書)に関連するまとめ

家事労働ハラスメント――生きづらさの根にあるもの (岩波新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする