かつお節と日本人 (岩波新書)

  • 岩波書店
3.53
  • (2)
  • (7)
  • (9)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 103
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314509

作品紹介・あらすじ

日本の食文化の名脇役、かつお節。かつては北海道から沖縄、植民地支配下の台湾、ミクロネシア、そして、オランダ領だったインドネシアでも生産されていた。この三〇〇年に、かつお節の生産はどう変わったのか。生産にたずさわった人びとの生活はどう変わったのか。現地調査で証言を集め、"かつお節ネットワーク"のダイナミズムを描く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • タイトル通り鰹節の歴史の本になります。まさか鰹節の歴史をメインテーマに一冊本が出ていると誰が想像できたでしょうか。今では和食に欠かせない鰹節が昔は庶民の間では高級品だったとか、戦時中の鰹節の扱いとか、鰹節のグローバル化とか様々な鰹節知識を得ることができます。余談ですがこの本、ネットに意外とブックレビューがあるので併せて読むと大変面白いのでオススメです。
    (情報工学科 B4)

  • <目次>
    プロローグ
    第1章  かつお節は日本の伝統か~たどってきた道
    第2章  南陽に向かった沖縄漁民~明治から敗戦まで
    第3章  大衆化するかつお節~変わる産地と生産方法
    第4章  赤道直下の一大産地~インドネシア・ビトゥンの80年
    終章   つながりあうかつお節ネットワークと私たち

    <内容>
    かつお節が我々の口に入るまでをその歴史を紐解いたもの。沖縄という言えば「ソーキそば」。その出汁はかつお節なのだが、沖縄のかつお節の歴史は意外と短く、現在はほとんど生産してない。また「花かつお」も近年の産物とか、意外な話が多かった。

    学校図書館

  • 読了。

  • 資料ID:C0035202
    配架場所:本館2F新書書架

  • かつお節と聞くと、訪れたことのある枕崎を思い浮かべてしまうのだが、東南アジアおよびミクロネシアにまで戦前からその生産ネットワークが広がっていたとは。
    @アンマン

  • たしかこの本が出た頃だったか、新聞かなにかの書評でちらっと見たのだったか、(あ、藤林さんの本だ)と思っていたのに、秋はあれこれ忙しくて、そのまま忘れてしまっていた。ミニコミ「ブックマーク」を元々送っていた住民図書館が閉館し、その資料を引き継いだのが埼玉大学の共生センターで、いちどセンターを訪ねたときに、藤林さんにもお目にかかる機会があった。
    (その後、市民資料は、埼玉大学から立教大学へ移管されて、「ブックマーク」も今は立教大学の共生センターへ送っている。)

    年明け、共生センターのスタッフだった方からいただいた年賀状にこの本のことが書かれていて、あ!と思い出した私は、図書館が開く前に、本屋で買ってきて読んだ。

    『かつお節と日本人』のタイトルは、『バナナと日本人』や、『エビと日本人』を意識してつけられている。"カツオ・かつお節研究会"という市井の研究会メンバーの多くは、直接・間接に鶴見良行さんの薫陶を受けた顔ぶれだった。"かつお節から世界を見てみよう"と始まった研究会は、帯にあるように、かつお節を追いかけて「300年、4000キロの物語」になったのである。かつお節をたどっていくと、日本と東南アジア・太平洋海域との関係の歴史がみえてくるのだ。

    削ったかつお節を透明なパックに小分けにした「フレッシュパック」が世に送りだされたのは、私がうまれたのと同じ年だった。それまでも、機械で削ったかつお節をセロファン袋に入れて売っていたというが、もちが悪く、風味もすぐ失われていた。

    「ポリプロピレン・ビニロン・ポリエチレンの三層からなる透明なフィルムと、酸素を除去して窒素や二酸化炭素などの不活性ガスを封入するガス置換包装という技術の開発によって」(p.130)、風味が損なわれない削り節パックができた。

    その簡便さが消費者に受け入れられて爆発的に普及し、かつお節を削る音は家庭の台所から消えたという。私には、削り器でかつお節を削るという記憶がまったくない。かつお節といえば、削ったのをパックから出して使うものだった。

    そして、削ったものが主力商品となったことで、かつお節の作り方そのものにも変化が起きた。削って売るのだから、形はどうでもよくなって、荒節のままで削り節メーカーに納入することが多くなったという。かつては、荒節を、削って形をととのえ、天日乾燥とカビ付けをおこなったものが、いわゆる"かつお節"(仕上節あるいは本枯節)だった。

    また、削ったときに「花」がふんわりと見た目よく、そして酸化しにくいためには、日本近海までやってくる脂の乗ったカツオより、脂の少ない熱帯海域で獲れたカツオのほうがよいという事情と、カツオ漁業の遠洋化とは、どっちが先かは判然としないものの、歩みを揃えるように進んでいったのだ。

    自分がうまれた年にできた削り節パックと消費のあり方が、かつお節のあり方を変えていったという現代史もおもしろかったけど、明治から昭和の敗戦までのあいだのかつお節をめぐる人の動き(とりわけ身軽に動いていく移民たちの姿)と、そこに影響を与えた戦争や植民地という時代状況との絡みも、ふうううーーーんと思うものだった(しかも、この敗戦までの「関係」が、また70年以降にぐぐっと顔を出す)。

    「こんにちかつお節を日本に多く輸出しているのはインドネシア」(p.148)で、なかでもかつお節生産のほとんどを担っているのは「ビトゥン」という町だ。インドネシアでのかつお節生産の歴史は、昭和初期から敗戦までと、戦後の空白をはさんで、70年代以降の段階とがある、というのも、ほんとに全然知らなかったなーと思う。

    (1/8了)

  • たんに日本の伝統だ、という話ではない。産地が広がり、また収縮していく様が想像以上に大きく描かれている。以前、かつお節工場を見せてもらったこともあり、食品としてのかつお節や産地については知っているつもりだったが、歴史についてはまだまだ知らなかったと痛感した。かつお節は伝統食品的扱いな割に、消費が減っていないのだ、という。「にんべん」という一企業をよいしょしすぎかな、なんて気もするけれど、にんべんの器が大きかったことも、いまかつお節が受け入れられている土壌かもしれないなあ。タイトルから想像するよりも動きが激しく愉快な本。

  • 面白かったです。

  • 配架場所 : 新書
    請求記号 : SHIN@667@M100@1
    Book ID : 80100460887

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002380203&CON_LNG=JPN&

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。北海道大学大学院文学研究科教授。環境社会学。著書:『かつお節と日本人』(共著、岩波書店)、『なぜ環境保全はうまくいかないのか』(編著、新泉社)、『開発と生活戦略の民族誌』(新曜社)、『半栽培の環境社会学』(編著、昭和堂)など。

「2016年 『震災と地域再生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

かつお節と日本人 (岩波新書)のその他の作品

宮内泰介の作品

かつお節と日本人 (岩波新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする