ヘイト・スピーチとは何か (岩波新書)

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  • 岩波書店 (2013年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784004314608

作品紹介・あらすじ

差別と侮辱、排除の言葉をマイノリティに向けて路上やネット上で撒き散らす-ヘイト・スピーチとは差別煽動である。差別も「表現の自由」として、当事者の深刻な苦しみを放置するのか。民主主義社会をも破壊する「言葉の暴力」と向き合う国際社会の経験と制度を紹介し、法規制濫用の危険性も考えながら、共に生きる社会の方途を探る。

みんなの感想まとめ

差別煽動としてのヘイト・スピーチの問題を深く掘り下げた本書は、特に在日コリアンや被差別部落出身者に対する現状を鋭く指摘し、法的規制の必要性を訴えています。日本では、ヘイト・スピーチが放置され、政府の対...

感想・レビュー・書評

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  • 「参院選」排外主義か共生社会か 弁護士 師岡康子|47NEWS 2025年07月19日
    https://www.47news.jp/12874078.html

    市民社会が警鐘「デマが民主主義を壊す」――参院選と排外主義 - Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)2025.7.9
    https://d4p.world/32311/

    研究員 紹介(師岡 康子) | 公益財団法人 世界人権問題研究センター
    https://khrri.or.jp/researcher/morooka-yasuko.html

    KAKEN — 研究者をさがす | 師岡 康子 (80648717)
    https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000080648717/

    ヘイト・スピーチとは何か/師岡 康子|岩波新書 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b226247.html

    *****
    例えば、梨木香歩やブレイディみかこを読んで目が開かれる真っ当な人が多い筈なのに、、、
    あっ!モンダイガイでモーイイヤって感じのモモタとか読んで面白いと仰言ってる方々も居るから±0か、、、ᓚᘏᗢ

  • やっとやっと、3週間以上かけて、図書館の返却期限を過ぎて読み終わった。

    なんというか、振り返ってみればそう大して難しいことは書いてないはずなのに、第2章と第3章は読んでるとすぐに頭が疲れてしまって、それで長く掛かったんだよね。。

    この本は、ヘイトスピーチは法で罰すべき、との立場から書かれた本だけど、この人も書いてるが実際問題として問題が山積み過ぎてどこから手を付けたらいいのかって気分がする。だいたい国や裁判所からして外国人に対して差別的なので、うっかり手を出すと逆にマイノリティがやられちゃう、ってことは明白だからだ(だから差別に反対しててもヘイトスピーチ規制に反対している人たちがいるのは分かる)。

    だからこの著者も書いてるんだけど、まずはヘイトスピーチを民事裁判で裁けるような法律からかなあ。あとは絶対に国の機関から独立した国内人権機関を作るべきだと思う。が、これも「一体誰が作れるんだよ」という気がして、それを作るには現在の有権者が頑張らないとダメなんだろうと思う。

    外国(取り上げられている国はドイツ、オーストラリア、英国、アメリカだけど)と比べても、日本は格段に遅れてて(というか、何もしていないどころか国を挙げて差別してる国なんてないよ)目の前真っ暗になる。こんな国が本当に「先進国」なわけ????????聞いて呆れるより、悲しくって涙が止まらないよ、ホンマ。

    「あとがき」の中でこんな一節がある。

    > 政府がここ数年「多文化共生」との用語を使うようになってきたのは、特に1990年以降の移住労働者の急増に伴う当事者や関連するNGO団体、さらに地方自治体などの取り組みの成果とはいえるが、その内実は、多様な食べ物や踊りなどの上っ面の文化を日本人が楽しむという以上ではない。

    本当にこれ、全くそう!こないだわたしがアイヌの写真展を見に行った「人権啓発センター」が行っている、写真展中のイベント、「アイヌのなんちゃら作り」(刺繍とか?)みたいなものはもう、満席で予約受付終了なのに、アイヌ映画の上映と、わたしが行ったトークイベントは満席にはなってなかった(ただし、トークイベントと映画上映は人数が多いし、結局のところ、トークイベントはほぼ満員に近くなっていたようだ)。楽しそうなイベントだけすぐに満席で、そうでない「人権」に触れそうなイベントは避けられる、、わたしはそれを見てなんだかいやあな気分だったんだよね。

    それと、わたし自身、こないだは朝鮮学校のお祭りに行ってきて、いろいろな料理を食べたり、キムチ買ってきたりしたけれど、やっぱなんだか違和感を感じてしまってるのは確かなのだ。いや、これはお祭りという性質上は問題ないのかも知れないが、でも、他のイベントなんか見ててもやっぱり「食べ物と踊り、音楽」は主流であって、わたしらはそれを享受しているだけ。楽しいとか美味しいとか、そういう感想しか持てないじゃん。

    しかし、これは当事者の問題、というよりは、国がきちんと教育しないことが原因であり、わたしたちもきちんと学ぼうとしないのが原因だと思っている(まぁ国が一番の原因者だとは思う)。

    「外国人差別はそんなに深刻ではない」という国とそれに甘んじている国民。その中でじわじわと勢力を拡大している差別主義者。一体、どこからどうすれば、解決に向かうんだろう、正直、この本はとても「理想的」な本で、書いてあることも非常に明確なのだが、わたしは目の前が真っ暗にしかならなかった。

  • ヘイトスピーチ事案が沢山記載されており、教科書で聞くような話とは違うリアルな話だったので、少し差別主義者にひいてしまった。一方で、「これヘイトスピーチなのか...?マイノリティ側がどうにか対応できるのでは?」と感じる事案もあったので、ここの兼ね合いをどうするのかが今後の論点になっていくのではないかと思う。

    また、「ヘイトスピーチには厳しい法整備を」という論調で終始論じていますが、そうすると迂闊に物申すことができなくなる言論封殺社会に陥ってしまう危険もはらんでいるのではないかとも思ってしまった。

    最後に、ヘイトスピーチとは関係なく、憲法について。
    憲法が多少曖昧に記述されている分、様々な解釈ができるため、やはり憲法は面白いなとこの本を読んだことで改めて実感した。

  • 全日本人必読の書であると言いたい。評論というのは多少なりとも筆者の思想や立場によって偏りがあるし絶対的にこれが正しいということがないのが通例であるが、こと差別に関して、人種や民族、障害者、社会的マイノリティといったジャンルで概念化した差別に関してはいかなる事情があろうとも絶対的悪であり、ましてやその差別を助長し扇動するような汚らしい罵詈雑言など文明社会に存在してよいはずがない。

  •  現在の日本におけるヘイト・スピーチ(差別煽動)、特に在日コリアンや被差別部落出身者に対するそれの横行の状況、日本政府による差別放置・助長の現状、現行法下での規制の限界、イギリス・ドイツ・カナダ・オーストラリアにおけるヘイト・スピーチ規制の現状と課題を示し、罰則を含む包括的な差別禁止法制の必要性を訴える。日本の法曹界では、権力の濫用により「表現の自由」を危うくするという理由で、ヘイト・スピーチの法的規制(特に刑事規制)に否定的な見方が強いが、国際的には人種差別撤廃条約に基づく法規制の流れが一般的であり、事実上無法状態にある日本の現状はむしろ異常であることを強調している。

     法学的アプローチからのヘイト・スピーチ問題の評論としては主要な論点を網羅しており、この問題を考えるうえで必読の書と言えるが、本書が示す日本の絶望的現況(特に差別主義者の多い安倍内閣の存在)は、仮に法規制が実現してもむしろ「日本人差別」と称してマイノリティ迫害に逆利用される可能性を容易に推測させる。

  • ヘイトスピーチについて、その意味と諸外国での対応、それとヘイトスピーチに対する我が国の対応の遅れについて理解した。したものの、本書に記載してあるとおりの法規制が必要であるという考えはどうも理解できない。本書でも言及されているが、権力による言論封殺につながるおそれがあるし、そもそも我が国では人種差別の前に部落差別があったが、これについても憲法の基本的人権の尊重が謳われているのみであり、法規制がなされていない。そもそも人権後進国だから法規制によって人権の拡大を図るという観点も必要とは考えるが、何故そもそも法規制がなされていないのかという観点でも論じる必要があるのではないだろうか。本来、本書に記載されているような差別はあってはならないと考えるが、どうも法規制はしっくりこない。などと書いていたら、昨日のニュースで国連規約人権委員会が日本政府にヘイトスピーチ禁止勧告を求めているというのがあった。国際的にはきっちり法制度貸すべきということなのだろうか。

  • 師岡康子『ヘイト・スピーチとは何か』岩波新書、読了。民主主義社会を根柢から覆す差別煽動としてのヘイト・クライムの蔓延する現代日本。本書は日本の現状と背景を概観した上で、諸外国の人種差別撤廃政策を参照し、現代日本が取り組むべき対策について具体的な提案を試みる。

    字の如く「ヘイト・スピーチ」の「スピーチ」に注目するとそれは「表現」の一種と見まがうが、それ自体が言葉の暴力であるだけでなく、物理的暴力を誘引する点で表現を凌駕する暴挙である。勿論、世界各地でヘイト・スピーチは散見されるが、公人によるヘイト・スピーチが撒き散らされ続けるのは日本だけだ。その代表が石原慎太郎前東京都都知事であり、著者は「差別の見本市」という。

    ヘイト・スピーチの話者は「差別の意図はない」というし、石原発言に関しても日本政府は人種差別を助長する意図はないから人種差別撤廃条約の対象にはならないという。しかし、差別の意図の有無は「その文言の内容や文脈などから客観的に判断すべきである」。

    良質の対抗言論がヘイト・スピーチを「駆逐」するという意見もある。しかし「ナチズムが『表現の自由』を行使してヘイト・スピーチを行い、反対勢力を「駆逐して」権力をとり、多くの人々をユダヤ人虐殺の加害者とさせた歴史的事実に照らしたとき、どの程度説得力があるだろう」。

    著者は慎重論も丁寧にすくい上げながらも、「日本社会が真に問われているのは、法規制か『表現の自由』かの選択ではなく、マイノリティに対する差別を今のまま合法として是認し、その苦しみを放置しつづけるのか、それともこれまでの差別を反省し、差別のない社会を作るのかということではないだろうか」。

    日本社会の現状を冷静に報告し国際社会の経験と制度を紹介し、他者と共に生きる社会の方途を探る本書は、若い人に手にとってほしい一冊である。

  • 法学的観点から規制積極派の主張を論じたもの。国際法に依拠しつつ慎重派の主張に反論を試みてはいるが、立憲主義を重視する憲法学者とはそもそも立場も考え方も違うので、弁護士である著者の一方的な主張が有効な批判になっているかには疑問が残る部分はある。ただし、積極派と慎重派の意見の対立が確認できるという意味では有意義ではあるように思える。

  • 各国のヘイト・スピーチを歴史から語る本。
    後半は用語集みたいになってた。

  • めちゃくちゃまとまっておられて沢山読ませて頂きました。

  • 第1章 蔓延するヘイト・スピーチ(マスメディアに登場した「ヘイト・スピーチ」;京都朝鮮学校襲撃事件;狙われるマイノリティ)
    第2章 ヘイト・スピーチとは何か(ヘイト・スピーチの定義;ヘイト・スピーチの害悪―傷つけられるマイノリティ;ジェノサイドの経験と国際社会の認識)
    第3章 法規制を選んだ社会(イギリス―多民族社会の模索;ドイツ―負の歴史と向き合う;カナダ―国際人権基準から見た一つのモデル;オーストラリア―多文化主義への転換)
    第4章 法規制慎重論を考える(アメリカ合衆国の選択;日本における法規制慎重論;法規制慎重論の検討)
    第5章 規制か表現の自由かではなく(現行法で対処可能なのか;包括的な制度構築―調査、差別禁止法、救済制度;ヘイト・スピーチ規制条項の検討)

    著者:師岡康子(弁護士)

  • 表現の自由の問題がからむヘイトスピーチ。
    日本のヘイトスピーチに対する姿勢はまだまだ世界的に遅れをとっていて、もっと向き合っていくべきだ!ということを学んだ。

  • ヘイトスピーチについての執筆依頼をいただいた際に参考文献の1冊として読んだ。

  • ヘイト・スピーチは、表現の自由によって守られるのか、法規制で一定制限するのか、ここの話はよく語られるところかと思う。
    でも、議論の土壌は、あとがきにもあるように、①マイノリティーに対する差別を合法として容認・黙認し、その苦しみを放置し続けるのか、それとも②これまで日本がしてきた(植民地支配など)ことを反省し、差別を許さない社会にしていくかだと思う。

    差別の多くを煽動、助長しているのは権力である。忘れたらあかん。

  • 非常に良い、と最初は思ったけどねぇ。

    でも、この手の問題でポジションを取って、丁寧に一般向けに論じるというのは大事な事だと思う。

  • 日本が圧倒的に遅れた状況にあることが、はっきりとわかった本。
    著者は法整備を、と訴えているけれど、日本ではなぜ法整備に至らないのか、どのように法整備に至るよう人々の認識を変えていくか、ということにまで言及しなければ、改善に時間がかかりそうだと思う。

  • レビュー省略

  • 「ヘイト・スピーチとは何か」というよりは、「ヘイト・スピーチを法的に規制するにはどうすればよいか」といった内容だと思った。
    そもそもヘイト・スピーチとは何なのか、ということを多角的に考察したり、その内実を検証するという本ではない。
    あくまで著者は「他国と比較してみても、日本はヘイト・スピーチの現状にきちんと向き合っておらず、早急な対策が必要」だという立場で論じている。

    しかし、著者がそう言葉を尽くすのももっともだ、としか言いようがない。日本におけるヘイト・スピーチ対策の現状はあまりにもひどい。たとえ著者の視点が多面性に欠けているにしても、この現状は日本社会の怠慢だといえるだろう。そして私もまた、その現状に関心を持っていなかった日本社会の一員なのだ。……

    差別の問題は根が深く、一義的に解決できるものではないが、それに社会が蓋をすることは全く話が違う。ないものとしないこと。実際にこれらは今の日本社会であっていること。それを許さないと「私」が思うこと。

    差別によって傷ついている人たちがいる、その問題をないものにしてはいけない、と思った。

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  •  「言論の自由」はもちろん尊重しなければならないが、このようなひどいものも守らなければならないものかとの感想をもった。
     マスコミが直接報道することも躊躇するような醜悪なヘイトスピーチの現状がよくわかる本ではあるが、他国の取り組みを詳細に取り上げすぎて、本書の主張と焦点がちょっとはっきりしないようにも思えた。
     それにしても、日本はこのような露骨な悪口は言わない文化があったように思っていたが日本社会は変質してきたのだろうか。

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