性と法律――変わったこと、変えたいこと (岩波新書)

著者 : 角田由紀子
  • 岩波書店 (2013年12月21日発売)
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  • 17レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314615

作品紹介

DV防止法、児童虐待防止法、セクハラに関する規定など、近年、当事者側の声から生まれた法律等がある一方、民法、刑法、売春防止法等は、長年、変わっていない。離婚、親権、賃金差別、性暴力…四〇年近く弁護士としてさまざまなケースに携わってきた著者が、性をめぐる法の問題点を明らかにし、未来に向けて提言する。

性と法律――変わったこと、変えたいこと (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 女性の権利や法的問題についての歴史と現状。

    問題点の認識や、考察の土台として有益。

  • H7 ジェンダー・セクシャリティ論

  • 本書では、性に関わる法律を扱っている。
    民法という、我々にとって一番身近な法律から、DV防止法、刑法、売春防止法、風営法など「自分には関係ない」と思っている人が多い法律まで様々なものを取り上げる。
    法律、というと小難しくてよくわからないと思う読者も多いかもしれないが、本書はとてもわかりやすい。
    コラムとして各法律の条文が挙げられている点や、身近な事件、判例が挙げられている点が良い。
    著者自身が弁護士として実務に携わっているし、法科大学院で教え、しかもなんと法律を専門に学んでこなかったというのだから、すばらしい。

    さて、わが国では政治に女性が関わることが少なく、なかなか女性側の視点に立った法律が制定されない。
    度々国際機関から勧告を受けているのにも関わらず、遅々として(というか全くと言っていいほど)進まない。
    今秋、夫婦選択的別姓の裁判の最高裁判決が出る予定だが、果たしてどう出るか。
    司法の判断を待ちたい。
    とは言っても、仮に違憲である旨の判決が出たとしても、三権分立だからといって、恐らくいまの政権は改正に踏み切ることはしないだろうが。

    現政権は女性の活用ということを声高に叫んでいるが、全くもって不十分だ。
    本書に書かれているように、養育費の支払いを逃れる方法、性産業従事者が減らない理由、強姦罪の構成要件、その他もろもろの解決に向けて我らの代表は必死になっているのか?
    女性優遇、ではない。
    ポジティブアクションに向けて彼らは何をしているのか?

    一方で女性の側にも様々な考えがあり、その考えが彼女達自身を縛っているとも言える。
    その代表的なものが、性暴力や売春だ。
    肌の露出が多かったから、性に奔放だったから、被害にあっても仕方ない、という考えがまだあるように思う。
    著者はそれを問題のすり替えとし、事実を隠し社会が負うべき責任を放棄していると言い切っている。

    本書で書かれている問題は男女双方の問題だ。
    社会で生活している以上、不都合が生じ、それをなくすために法律はある。
    そして、それはどちらか一方の考え方だけでは「正義」とはなりえない。
    時代は変わる。
    社会は変わる。
    性の問題を通して、「人間が人間であることを喜べる社会」(132頁)の実現を望み、私自身も尽力したい。

  • S367.9-イワ-R1461 300323110
    (岩波新書 新赤版 1461)

  • 問題意識は完全に正論だが、最終的に男性批判におちついて、わりとそのせいで相手されないんじゃないかと思う

  • 女性の立場が、改善した歴史が浅いことが良くわかる。
    司法も、男性目線だった歴史が長い。
    各方面への、女性進出が必用不可欠。

  • 角田由紀子『性と法律』岩波新書、読了。法律における女性差別の是正は筆者らの永年の努力で「1ミリ1ミリ」変わってきたが、問題は山積している。何が「変わったこと、変えたいこと」(副題)なのか。本書はその歴史と最前線を丁寧に概観する。  https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1312/sin_k744.html

    男女平等を明文化した新憲法と新民法の制定から半世紀以上たつが、DV防止法制定やセクハラに対する意識の変化も同じだけの時間を要した。「泣き寝入り」を認めるのは人間の意識のみならず、個々の法律においても女性への「冷たさと蔑視」が潜在していると著者は言う。

    「夫婦げんかは犬も喰わない」。しかし暴力は暴力に過ぎない。日本社会はプライベートの事象では暴力と認めなかった。そしてそれを法律がそれとなく後押しする。しかし公的世界であれ私的世界であれ暴力は暴力に過ぎない。虚偽と対峙した著者の言葉は重い。

    戦前民法は明らかに女性を低い存在と規定して来たが、その意識は変わっていないし、「恥」の意識はまだまだ告発を隠蔽する。加えて、現下の不況は女性の就業・育児環境はますます悪化している。しかし変わらないはずはない。筆者の筆からは希望が伝わってくる。

  • ちょっとむずかしいテーマで
    ちょっと読むのにほねのおれる新書でしたが、
    あらためて日本の女性の立場をかんがえました。

  • いろいろな女性問題に関わってきた女性弁護士の方が書かれており、わかりやすくて、勉強になる1冊でした。

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