地球外生命――われわれは孤独か (岩波新書)

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レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314691

作品紹介・あらすじ

銀河系の多くの星のまわりで惑星系が見つかっている。地球に似た惑星は、ごくふつうの存在らしい。それでは、この宇宙にはわれわれ以外にも生命が存在するだろうか?地球生命の仕組みとその限界をもとに、太陽系天体や他の惑星系に生命が誕生する可能性を考えてみよう。生命科学と惑星科学を総動員し、未来の科学を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は天文学者ではなく、生物学者と惑星形成論を専攻する学者による共著。天文学者たちの多くは、地球外にも生命が存在することに楽観的だが、生物学の立場からはきわめて否定的ということになるようだ。そうしたことを検証するために、まず地球内の極限状況に生息する生命を観察することで、いわば生命としての限界値を探っていく。それを太陽系内、さらには外宇宙へと拡げていくことで可能性を考察するという試みだ。もちろん、現段階では結論は出ないものの、「知的高等」生命ということになると、あるいは全宇宙で我々だけなのかも知れない。
     本書を読む前は、私もこれだけたくさんの銀河を有する全宇宙には当然、地球以外にも高等生命は存在するだろうと思っていたが、今では説得されてかなり懐疑的に。

  • 地球上の生物とは何かを復習した。
    現時点での人類が到達した理論もおさらいした。
    結果・・・・、多分・・、我々はこの宇宙で孤独な存在なんだろうなと思った。
    ほんとに・・、命は稀有なんだなと。

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  • タイトルからすると、SF系の話を想像したが、きわめて理論的な内容。ブルーバックスで同じ著者が出しているものと似たような感じ。バクテリアやウイルス中心。

  • サイエンス

  • 地球外生命とはいえ、太陽系内の惑星・衛星のそれと、いわゆる系外惑星とではかなり趣が異なる。本書は、生命の発生・知性の発生という地球の生命進化と、乾燥・高圧・高温・低温・猛毒環境という地球の極限地帯での生命に光を当てつつ、火星、木星の衛星(エウロパ、ガニメデ)、土星の衛星(エンケラドゥス、タイタン)、さらには科学的に推測できる系外惑星(所謂ホット・ジュピターは勿論、地球型惑星も観測精度の向上で相当数発見)における生命体にも言及。これほどの広範囲のテーマ(エウロパやタイタンだけの1テーマ書も存在。読破済)。
    にもかかわらず、叙述を必要最小限に絞り、判りやすさと最新情報の提供を意図した著者らの力に感服。ただし、生物学者と天文学者の発想の相違は本書から伺うことは難しかった。折角の共著なので残念なところ。著者略歴として、長沼:広島大学大学院生物圏科学研究科准教授、井田:東京工業大学地球生命研究所教授。2014年刊行。

     本書の感想とは離れるが、本書を割にさっさと読めたのは、NHK-BSの天文学ドキュメンタリー「コズミック・フロント」の質の高さに依拠するところ大である。彼の番組で描かれていなかったのは、地球の極限環境における生命体とその生存戦略の部分くらいで、本書の概略の多くは既知情報だったことによる。

  • 生物学者の長沼毅と惑星科学者の井田茂による共著。
    科学界では、地球外生命の存在について、天文学者・惑星科学者・物理学者の多くは肯定的、生物学者の多くは否定的なのだというが、両者の共著ということで、双方の視点に立ったバランスのよい内容となっている。
    本書では、以下のようなステップで考察が進められる。
    ◆地球の生物が生きていける極限の条件・環境とはどのようなものか?
    ◆惑星の物理・科学的条件さえ整えば、生物(微生物)は発生するのか、それとも、生命の誕生は奇跡に等しいできごとだったのか?微生物が多細胞になり、有性生殖を行うようになり、人類が知性を持つようになった起源・条件はなにか?
    ◆地球の生物が生まれ、進化していく上で、地球の環境の何が本質的に必要だったのか?地球という「ハビタブル惑星」(生命を宿し得る惑星)のできかたが“ちょっとだけ”違っていたら、地球はどのような環境になり、それは生命にどのような影響を与えたのか?
    ◆太陽系の中で地球に最も似ている惑星・火星、また、有機物・熱源・液体という生命発生の有力な条件のうち2~3つが揃っている、木星の衛星のエウロパやガニメデ、土星の衛星のエンケラドスやタイタンには生命がいる可能性はあるのか?
    ◆系外惑星が最初に発見された1995年以降の観測により、銀河系の恒星の半分以上に地球型惑星(岩石惑星)が存在することがわかってきたが、そうした系外惑星に生命がいる可能性はあるのか?
    そして、最終的に結論が示されるわけではないものの、「おわりに」で、長沼氏は「生命の誕生も知性の誕生も奇跡のような事件だったのではないかと思えます。ですから私たちは宇宙で孤独な存在だという可能性が高いでしょう。しかし、この感覚をいささかゆるがせているのが系外惑星の数の多さとハビタブル天体の多彩さです」、井田氏は「楽天的な確信派の天文学者や物理学者たちも、「知的生命は?」という話になると、とたんに意見がばらばらになってしまいます。・・・存在を検証できる知的生命体が、電波を使った文明に限られるとしたら、その文明の存在確率は、継続時間の限界も含めて、限りなく小さいように思えます」と結んでいる。
    「地球外生命」について、最新の研究結果、様々な立場の見解をコンパクトにまとめた良書である。
    (2016年4月了)

  • 読了。

  • 地球外生命がこの宇宙のどこかにいるのかと問われれば、1000億の星がある銀河が1000億あると言われる宇宙にいないはずがないと私は思う。宇宙科学者は単純に数の多さからそう考えている人が多いが、生命科学者は地球の生命を調査・実験をすると、生命の発生や進化はそう単純ではなく温度、物質、時間などかなり条件があるので、宇宙科学者ほど楽観的では無いようだ。ただ、宇宙の果てに行くと、地球の周りにある水素、酸素、炭素等とは全く違う元素があるわけではないので、地球外生命がいたとしたら、姿、形は違うが基本は地球の生命と同じようなものになる気がする。
    百聞は一見に如かずと言うように、地球外生命がいるのかいないのかという問いには見るのが一番ですが、地球から他の星までの距離を考えればそれは不可能でしょう。科学が進んでワープできればいいですが、少なくとも私が生きている内は無いですね。

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著者プロフィール

1961年、人間初の宇宙飛行の日、三重県四日市市に生まれる。4歳からは神奈川県大和市で育つ。海洋科学技術センター(JAMSTEC、現・独立行政法人海洋研究開発機構)深海研究部研究員、カリフォルニア大学サンタバーバラ校客員研究員などを経て、現在は広島大学大学院生物圏科学研究科教授。北極、南極、深海、砂漠など世界の辺境に極限生物を探し、地球外生命を追究しつづけている吟遊科学者。
主な著書に『世界をやりなおしても生命は生まれるか?』(朝日出版社)、『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』(クロスメディア・パブリッシング)、『ゼロからはじめる生命のトリセツ』(角川文庫)、『生物圏の形而上学 ―宇宙・ヒト・微生物―』(青土社)、『超ヤバい話―地球・人間・エネルギーの危機と未来』(さくら舎)などがある。

「2020年 『我々はどう進化すべきか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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