憲法への招待 新版 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 196
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314707

作品紹介・あらすじ

「憲法は私たちが守らなくてはならないものか」「憲法改正手続を定める憲法九六条は改正できるか」「日本の上空を通過する他国を攻撃するミサイルを撃ち落とすことは合憲か」など、24の問いに答えながら、日本国憲法の思想と骨格を平明に解説。社会問題となっている事象と憲法との関係をときほぐす、市民のための憲法入門。

感想・レビュー・書評

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  • 法学に精通する著者が日本国憲法について自身の見解とともに解説した一冊。

    改正手続きを定める96条や集団的自衛権と自衛隊と9条の問題、憲法の成り立ちから人権についてなど日本国憲法において重要になる事柄について著者の見解とともに解説されていて、非常に勉強になりました。
    法学に精通する著者であるだけに深い見識を感じるところが多くあるだけでなく、裁判の判例も多く載っておりそこから解釈に展開していくところも面白みを感じました。

    基本的人権や民主主義や立法主義など憲法の本質に関わる事柄が勉強でき、理解が深まった一冊でした。

  • 現政権が憲法改正の必要性を盛んに叫ぶ中、そもそも「憲法」とは何であるかを再確認するために読んだ一冊です。全体を通して、日本国憲法の精神を伝えようとする著者の情熱が感じられました。
    内容については、概ね憲法の入門に相応しいものでしたが、随所に著者の意見がみられる事については、読み手によって評価の分かれるところであろうと思います。特に、プライバシー権の根拠を21条に求めるべきとの意見は、かなりユニークなものであり、一般的ではないと思われます。
    また、八月革命説や憲法制定権力などについては、やはりあの分量で説明するには限界があるのでしょうか、分かりづらいと感じる読者がいてもおかしくない書き方になっています(そもそもが難解な議論なのでしょうがないのかもしれませんが)。他にも、取り上げられていない議論や、説明不足の項が多くあるので、本書はやはり入門書として位置付け、興味がわいたら他の教科書にも手を出してみるべきでしょう。
    いずれにしても、本書は非常によく練られた憲法入門書だと思われますので、うんうんと頷きながら読むもよし、疑問や反論を持ちながら著者と脳内議論しつつ読み進めるもよしで、有益な読書時間を提供してくれるだろうと思います。

  • 憲法入門としてはとても分かりやすかった。
    興味持てます

  • 身近な問題を24のQA形式にして憲法問題について考えるという体裁で、とっかかりとしては悪くない。一応体系性は意識されているものの、網羅性は欠如している部分があるし、説明が単純化されている部分もあるので、本書を手がかりに巻末で紹介されている教科書的な本を読むのがよいと思われる。尚、抑制の効いた書き方ではあるが、基本的には護憲派なので、その点は留意して読む必要はある。

  • 【電子ブックへのリンク先】※スマホ・読上版です!

    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000072922

    ※学外から利用する場合は、「学認アカウントを・・・」をクリックし、所属機関に本学を選択してキャンパスIDでログインしてください。

  • オーソドックスな憲法論を初学者向けに書き下ろした印象。それなりに新しい事例に触れているので,使いでがある。
    ただ,です・ます調とだ・である調を混ぜた文体で違和感があった。

    p.166 民主主義と立憲主義との関係は、現実政治のける「多数決原理における意思決定」と「個人の自由の尊重」との緊張関係としてとらえなければなりません。

    というところがメインテーマであろうと思う。

  • 法律

  • <事務局 総務・財務係職員>
    本書は、立憲主義の基本原理となる日本国憲法について書かれた入門書です。
     憲法は誰が守るものなのか、基本的人権とは、といった事柄を設問に答えながら解説しています。
     改正論議もある中で、そもそも憲法とは何かを考えるきっかけの一冊となれば幸いです。
     ところで、現在の新書本の先駆的な存在である岩波新書、この出版元である岩波書店の創業者は長野県の出身だと知っていました?

    ◆長野県立大学図書館OPAC
    https://u-nagano-lib.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=11023991

  • 2014年刊。著者は立教大学大学院法務研究科教授。◆死刑制度など若干議論のある箇所も含むが、オーソドックスな普通の憲法本。法学部生なら、憲法学習前の予習の為に一気読みするのも良し、法科大学院生なら、復習のために一気読みするのも良し。また、法学部卒の人なら、現代の問題意識にブラッシュアップする上で有益な一気読みになるか。◇が、他学部生、憲法を少ししか齧ったことのない人、高校生では一気読みは苦しいか。実質的平等と形式的平等、絶対的平等と相対的平等と言われて??ならば、本書はじっくり読むべき書と化すだろう。
    あるいは、取材・報道の自由、知る権利が、憲法21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する」によって保障されるとの説明に、すっと腑に落ちてこない場合も同様かも。◇理解すれば何てことはない概念も、前振りがなかったり、説明過小な箇所が散見されるためだ。逆に言えば、新書なのに記述が広範囲で、細かな部分も取り上げているからでもある。◆ただし、論争部分もある以上、参考文献を自著しか提示しないのは如何なものかと思うけど…。
    後半の統治関係は再読必要。内閣帰属の行政=執政など。

  • 憲法の入門書。24の小テーマに分類し、憲法の成り立ちから憲法改正までを解説。日常生活で、日本国憲法を意識しなくてもいいのは、憲法が有効に機能しているからだという指摘にもっともだと思う反面、憲法改正議論が盛んになる中では、もう少し憲法への理解を深めてもいいのではないかと思いました。今後は、憲法の成り立ちを学べたらいいなと思う。

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著者プロフィール

立教大学名誉教授

「2022年 『憲法2 統治〔第8版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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