日本は戦争をするのか――集団的自衛権と自衛隊 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314837

作品紹介・あらすじ

安倍晋三総理の悲願といわれる集団的自衛権。武器輸出の解禁や日本版NSCの創設、国家安全保障基本法をめぐる議論などを背景に、今、日本が急激に変わろうとしている。政府で何が議論されているのか。それはリアルな議論なのか。自衛隊はどう受け止めているのか。長年日本の防衛を取材してきた著者による渾身の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 2014年刊。著者は東京新聞論説委員兼編集委員。

     尖閣問題を初め、個別的自衛権で法的に対応可能であるにも関わらず、何故集団的自衛権を許容する解釈改悪を施すのか。
     この疑問は集団的自衛権の違憲性と憲法順守姿勢への疑義を生む一方、政治的・外交的な意義(有害・有益)に思いを致すことが可能だ。これをわざわざ推進しようとする安倍晋三氏や高村氏、公明党推進派といった政権運営の担う人々のパーソナリティにも関わってくる。
     この負担を被るのが国民(命を張る軍人・軍属は勿論、軍事費・自衛隊の実働費用の増大は増税を来すはず)でしかない以上、為政者の思惑は、その人間性を含め関心を払う要がある。
     本書からは、こういう側面での安倍氏の有り様が解読できそうだ。

     そもそも第一次内閣期の政権投げ出し時にも感じたが、言葉の勇ましさと比較し、メンタリティの面で果たして?と感じることが多かった。批判につき些末な部分まで官邸サイドでファナティックな反論をする有りようが本書でも垣間見れるが、これこそメンタリティの問題を露呈していないか。
     そもそも「自信家には眉唾を持って見る」以前に、「自信家の仮面を被っているのでは」という印象が生まれる読後感だ。

     さて、こちらの勉強不足を感じさせる記載も多く、つまり本書が気付きの書になっている。
     例えば、名古屋高裁平成20年4月17日判決、1994年春ごろ策定の極秘「K半島事態対処計画」等々。

  • 少なくとも戦争をするための準備は着々と整備されている。ただ、はたして国民だけではなく国を率いる政治家たちもその「覚悟」ができているかは不明。危機をあおって不満をそらしているだけではないかという疑問に答えるためにも姑息な言葉尻の議論ではなく、真に抑止力のある国防を目指すには何が必要か真剣に考えるべきだと思う。米国の世界戦略に取り込まれて自己判断できない状況になる危険はないのか? 世界の警察官の立場を降りようとしている米国が今後内向きになっていく中で気がついたら敵意に囲まれて孤立する状況になるリスクはないのか? そもそも最小の犠牲で独立を維持するためにどういった防衛体制が必要なのか、の議論無しに政治家に頭から「この道しかない」と言われても、とうてい納得はできない。
    集団的自衛権と、東アジアの国際情勢を理解するために参考になった。ちょっと不毛な言葉だけの議論もあったけど。

  • 配置場所:2F新書書架
    岩波新書 ; 新赤版1483
    資料ID:C0035932

  • 集団的自衛権以前に考えなければならない安全保障のための問題は、山程あるようだ。差し迫った脅威について煽られることは多いけれど、それに対するために今検討するべきことは、集団的自衛権ではないのではないかと考えてしまった。一度外してしまった箍を戻すことは容易ではないだろうし。
    中には疑問を抱く言説があったり、偏っているように感じるところもあったけれど、これから考えていく手掛かりになった。

  • メモ:絶対に買わない。読まない。

  • いまの日本を知るために。ちょっと批判が多かったかな。

  • シビリアンコントロールを行なうべき政治家が、自衛隊をしっかりコントロールできないければ、自衛隊が逆に政治家をコントロールして好き勝手を行なうのではないか。安部首相が行なおうとしている集団的自衛権の行使は、自衛隊にそういったスキを与えてしまうのではないか。= 現在でさえしっかりしていないシビリアンコントロールが、集団的自衛権の行使を容認することでますます政治家の手から離れて(自衛隊が自ら考え行動して)しまうようになるのではないか。ただ、自衛隊内部(制服組)にも”「日本が他国の軍隊並みの活動をするのは当然のこと」という賛成派もいれば、「これまで地道に積み上げてきた武力を使わない国際貢献に磨きをかけるべきだ」との反対派もいる”。

    以下、引用省略

  • なかなかの力作。
    安倍晋三総理は、危ない。国民は、騙されいるのか。

  • 結局のところ、「俺は、自衛隊や日本周辺の国々の軍事情勢について、こんなによく知ってるんだぜ」という著者の主張ですよね、これ。

    「僕自身の無知を補う」という意味では役に立った部分もありますが、タイトルに沿った内容ではないと思われる部分も少なくないため、「騙された」印象を受けました。

    これでは、「日本は戦争をするのかどうか」の判断材料にならないと思います。
    そういう意味では残念な本でした。

  • よく調べられた事実の記載が多いことは勉強になる。
    しかしながら、批判ありきな感覚もある。

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プロフィール

1955(昭和30)年、栃木県宇都宮市生まれ。下野新聞社を経て、1991年に中日新聞社に入社。1992年に防衛庁(現在の防衛省)担当記者となり、現在に至るまで国防、軍事について取材している。記者として勤務するかたわら、1993年には防衛庁防衛研究所特別課程修了。現在、東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。主な著書に、『自衛隊vs.北朝鮮』(新潮新書)、『日本は戦争をするのか――集団的自衛権と自衛隊』(岩波新書)、『闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶』(講談社+α新書)、『僕たちの国の自衛隊に21の質問』(講談社)など多数。

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