エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書)

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レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314844

作品紹介・あらすじ

ゲノム中心の生命観を変える、生命科学の新しい概念「エピジェネティクス」。遺伝でもない、突然変異でもない。ゲノムに上書きされた情報が、目をみはる不思議な現象を引き起こす。自然の妙技と生命の神秘。世界中のサイエンティストが熱い視線を注ぐ、いま一番ホットな話題を楽しく語る。

感想・レビュー・書評

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  • エピジェネティクス:遺伝子発現制御機構
    ・DNAの塩基配列の変化を伴わずに染色体における変化によって生じる安定的に受け継がれる表現型
    ・ヒストン修飾(アセチル化で活性)
    ・DNAメチル化(抑制)
    ・動く遺伝子:DNA型トランスポゾン、レトロトランスポゾン
    朝顔の模様、春化現象(低温処理で発現up)、ミツバチ(女王蜂、ロイヤラクチン)、プレーリーハタネズミ
    ・非コード化RNA(miRNA,SiRNA,piRNA)
    ・エピゲノム解析:ゲノム全体の遺伝子発現調節(DNA修飾、ヒストン修飾)を包括的に解析すること
    ・エピゲノム創薬:エピジェネティクス状態の変化をもたらすことで治療
    ・ゲノムは一次元・不変、エピジェネティクスは二次元、三次元・可変
    ・三毛猫-X染色体の受精後のランダム不活性化(Xistによる)→体細胞核移植を行っても同じ毛並の猫はできない。
    ・生命科学は各論の蒐集(わかればわかるほど複雑化)
    ・健全な好奇心、適正な懐疑心

  • 遺伝子の配列が生物個体の一生を単純に決定する訳ではなく、環境因子の変動を受けDNAのメチル化やヒストンのアセチル化等により遺伝子発現制御に影響する事を簡潔な事例を交え丁寧に説かれており大変勉強になった。

  •  エピジェネティクスについて別の本を読もうと思って横にあった本。
     DNAのメチル化が難解で難解も(笑)読み返した。
     まだまだこれからの分野でこれからの展開が楽しみだと思った。数年後この本がどんな位置づけになるのか楽しみ。
     

  • 読みながら思ったのはオートマトン。情報と、インストラクションとの両方を格納できる番地付きの計算機があると演算がどこで停止するのかはわからない。とかだっけ?DNAは最初は、生命の設計図みたいな説明の仕方がされていて、プラモデルファンの私としては、このプラモデルの設計図と照らし合わせてDNAってのはどんなふうに機能するの?たった四つで?みたいに途方に暮れてて、そもそもその設計図ってメタファーがもう全然ダメだったんですが、DNAをオートマトンの一部として読む機構があってこれがエピジェネティクス。すばらしい。ネットワークとしての生命。

  • DNAの解読が進みクローンやデザイナーベビー等の問題も上がっているが、DNAの配列だけでなく、その発現の仕組みなどまだまだ謎。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784004314844

  • やっと読めた。エピジェネティクス、ロマンがあります。エピジェネティクス制御を本と付箋と伏せ字に例えてあるのがめっちゃ、分かりやすかった。最後の、夢を持って、でも懐疑的にまとめてあるところが良かった。この本が、理系を目指すたくさんの高校生や大学1年生に届けばいいな。

  • 日経サイエンスの記事に刺激を受けて手にとってみた。中身は相当難解ホークスでした。が、何か新しいことを知ることができて読破してよかったという思いはあります。

  • 特に、2014年の時点でどの現象がどこまで実験的に示されているかについて整理ができてよかった。ただ、ほぼ出典が書いてないのに、広辞苑だけは何度も言及されるのが謎。

  • 専門でもないので正しく理解してやろうなどとは思わず、面白いところをつまみ食いする感じで、誤読を恐れず読んでいくと結構たのしめた。記憶や恋愛、がん、生活習慣病、寿命、ストレスなどの能力や症状、社会活動に対して、不変で決定的なゲノムDNAに上書きされる形で、エピジェネティクスという付箋や伏せ字が影響を与えているなんて知らなかった。特に爺さんの栄養過多が孫息子の余命にまで影響を及ぼすなんて、何という因果関係か。それにしても「DNAのメチル化」とか「ヒストンのアセチル化」とか意味がわからないのだが何かカッコいい。

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著者プロフィール

1957年、「主婦の店ダイエー」と同じ年に同じ街(大阪市旭区千林)に生まれる。大阪大学医学部医学科卒業後、内科医から研究の道へ。ドイツ留学、京都大学医学部講師、大阪大学・微生物病研究所教授を経て、大阪大学大学院・医学系研究科・病理学の教授に。専門は「いろんな細胞がどうやってできてくるのだろうか」学。著書に、『幹細胞とクローン』(羊土社)、『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』(学研メディカル秀潤社)、『エピジェネティクス』(岩波新書)など。趣味は、ノンフィクション読書、僻地旅行、義太夫語り。

「2017年 『こわいもの知らずの病理学講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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