医療の選択 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314929

作品紹介・あらすじ

日本の医療の未来は、国民の選択にかかっている。より良い医療を維持発展させていくために求められる条件とは何か。現在、日本の医療が直面する問題について、医療費、国民皆保険制度、超高齢社会、薬剤、治療法など、さまざまな角度から論点を示し、その選択の道を考える。国民ひとり一人が未来の指針を得るための一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の医療は本当にすごいし、保険も素晴らしい。考えた人は本当に偉いと思う。でも現実には病院は高齢者の溜まり場と化し、医療保険を払わない人もいる。なんかそういうのは結局のところ倫理観の問題になってくるからかなしい。

  • 現在の国際、国内政治の課題を医療制度の選択を通じて、分かりやすく語っている。
    医療費は高いが、自由に治療法を選べる米国の制度と多少は不自由があっても医療費は無料のイギリスの制度 どちらを選択するか?
    あるいは第三道を選ぶか?日本医療制度がこれからどのように歩くべきかの選択の指針となる著書である。
    また、この医療制度の選択は、これに限らずあらゆる政治選択に通じるものと感じられた。

  • ◎日本が選ぶべき医療とは?
    海外と日本の医療制度や国民性を比較しながら、これからの日本が選ぶべきはどんな制度かを問うた本。
    日本の医療とそれを支える国民皆保険制度は、海外と比べるととても大きな違いがあるということがとてもよくわかるように、丁寧に説明してある。
    これから高齢化社会に向かっていく日本は、今のままの制度を続けていてよいのか?海外制度の導入が必要なのか、それとも別のパッケージが必要なのか。
    こうした様々な疑問と論点を解説しながら、各章のまとめに代えて、「選択の論点」を用意し、読者に考えさせてくれる。

    結論を言ってしまえば、終章で
    "弱者や恵まれない人々が悲惨な目に遭わないような社会をつくろうとしてきたのが、戦後の日本社会であった。そのことを、若い世代の人たちにも理解し継承してもらうことが、今後の医療や社会保障の持続のために必須の条件であろう。(p224)"
    と語られている。

    この分野のことは詳しくないが、(仮にこの結論を鵜呑みにしなかったとしても)日本と海外の制度について課題が書かれており、医療関係者ではないが理解しやすかった。

  • 過不足なくまとまっていると思います。

  • 11月新着

  • 医療経済学の本かなと思って読んでいたが医学史や高齢化社会を含めた総合的な医療に対する考察で、参考になった。

  • 日本の医療制度について、他国と比較などしながら、包括的に述べ、今後の進む道に関して、どのように選択していくべきかに関して、書かれています。よくまとまっていて、わかりやすいと思います。

  •  実際、病気にかかったら、患者ができる選択は少ない。しかし、どんな医療制度にするのかは、国民ひとりひとりの「選択」にかかっている。本書は各国の例を引きつつ、高齢化社会を迎えている日本がどんな医療を選択するのか、その論点を挙げるという構成になっている。その一方で、各国と比較しながら、「高い」とか「負担がおおきい」とか「効率的じゃない」とか「先進的な治療が受けられない」といった日本の医療に対する誤解も解いていく。
     医療費抑制のためにとられた方策はたいして成功せず、むしろ医療の荒廃を招いたこと。混合診療になれば医療の負担が軽くなるというのは幻想であること。日本の医療は国際的な評価がたいへん高いこと。しかし、それが失われつつあるのだということ。これらが平易に語られる。
     たいへんまとまりのよい、新書こうあれかしという一冊。

  • 見事な現代医療制度の考察。

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著者プロフィール

佐賀県医療センター好生館理事長/東京大学名誉教授

「2018年 『医師の不足と過剰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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