女の一生 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315049

感想・レビュー・書評

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  • ここのところ精力的に本が出る。ご両親を見送り、更年期を乗り切った伊藤比呂美さんは、ひときわ静かな凄味を増したようだ。

    本書はタイトルからして気合いが入っている。気軽に手に取れる新書版だけど(実際読みやすいんだけど)、私は、うーん、うーんと唸りつつ、立ち止まり立ち止まり読んだ。まだ感想がうまく言葉にならないので、特に長く立ち止まった所を抜き書きしておくことにする。

    -母と娘-
    ・母は娘には教えたいことがいっぱいある。自分の踏んだ轍のいいところは踏んでほしい。良くない轍は踏まないでもらいたい。当然の親心です。しかし同時に、母は母であるというだけで、娘に対して、ふつうの人と人との関係より、ずっと絶対的な、強大な、むこうが否定したくても否定できない立場にいる。

    ・わたしたちが一人一人違う母であるように、娘たちも一人一人違う娘です。どの娘も、どんなかたちであろうとも、一人一人の人生を生き抜こうとしているのであります。
     母としては、一人一人の娘たちが、「あたしはあたしだ」という人生の極意をしっかりつかめるように、見守り、受け入れたい。そのためには、いずれ、かわいがったり期待したり心配したりするだけじゃなくて、突き放す、かかわらない、忘れてみるということも、必要になってきます。

    -父と娘-
    ・あらゆる可能性を与えていただきたい。可能性を前にしたときに、自分が進むかどうかは別にして、女であるからという理由で怖じ気づいたり、ためらったり、あきらめたりすることのないようにしていただきたい。それはもう、ちらりとでも、そんなことのないように。

    ・父親が、女という性を持つ娘を全面的に受け止めているか、家庭の中で女がいかに自由か、身を持って、いな身を挺して、アピールしていただきたい。まず、妻への態度、家事のやり方、テレビの見方、社会で起こる事件についての意見、等々、生活のすべてにそれは出てきます。

    -LGBT-
    ・自分が誰か、何をしたいのか、セクシュアリティも、アイデンティティも、自分の中でも、理解するのに時間がかかります。計算やミステリーなら結論が出ないといけませんけど、なにしろ人生ですから、結論は、いつ出ても、ついに出なくても、OKです。

    -嫁と姑-
    ・結婚の最大の苦労はココです。今まで「あたしはあたし」が人生の命題だった。はじめは他人だった夫も、いつのまにか日々の暮らしの中で慣れて、彼の前で、「あたしはあたしよ」と生きる方法をつかめてきた。ところが、姑をはじめとする夫の家族の前に出てみたら、自分ははじっこのすみっこに追いやられ、「あたしはあたしよ」で生きられないというところなんです。

    ・盆に正月、法事に慶事と顔を合わせ、文句を垂れ流しながらやり過ごしているうちに、自分も姻戚も老いていく。死んでいなくなる人もいる。新しく加わる人もいる。老いて、穏やかになってつきあいやすくなるか、頑なになってつきあいづらくなっているか。いずれにしても、人も、人の関係も、変わっていくはず。時間はかかりますが、その変化が救いです。

    -性教育-
    ・それ(十代のセックス)を頭ごなしに否定してはいけない。否定からは、何も生まれない。しかしまた、私はこうも思います。……親は、親の意見を、子を思う心から生まれてくるさまざまな意見を、言い散らすことをやめてはいけない。言い散らすことで、子どもが反発しても、やめてはいけない。それが親の親らしさなんですから。

    -近所の目-
    ・「人の目を気にしなさい」。これもまた、親の呪いの一部です。いい子になれという呪いの一部で、親の呪いの中ではいちばんたいしたことのないものです。

    ・変人として生きること。これがひけつです。だれもみな、少しずつ、変人になりうる素質を持っています。

  • 「女」を知らなきゃ、、、

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    https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-431504

  • この言葉の力。これほど。なんという誠実さ。そして明るさ。

  • よく知らない人のアドバイスをきくのは違和感があった

  • 最強人生相談。

  • 岩波新書はこんな本も出してたんだ。ひさびさの当たり新書

  • 痛快。ですべてのことばは捏造ではなくこの人の体験からつくられているというのもすごい。エッセイもすごいが年表もすごい。

  • 2018/1/10購入
    2018/2/19読了

  • 女、とは。

  • なんか、いろいろ哀しくなってくる・・・

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プロフィール

1955年、東京都生まれ。詩人。78年に現代詩手帖賞を受賞してデビュー。性と身体をテーマに80年代の女性詩人ブームをリードし、同時に『良いおっぱい 悪いおっぱい』にはじまる一連のシリーズで「育児エッセイ」という分野を開拓。近年は介護や老い、死を見つめた『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(萩原朔太郎賞、紫式部文学賞受賞)『犬心』『父の生きる』、お経の現代語訳に取り組んだ『読み解き「般若心経」』『たどたどしく声に出して読む歎異抄』を発表。人生相談の回答者としても長年の支持を得ており『女の絶望』『女の一生』などがある。一貫して「女の生」に寄り添い、独自の文学に昇華する創作姿勢が多くの共感を呼んでいる。現在は、熊本と米国・カリフォルニアを拠点とし、往復しながら活動を続けている。

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