縮小都市の挑戦 (岩波新書 新赤版1514)

  • 岩波書店 (2014年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004315148

みんなの感想まとめ

「縮小する都市の現実」を理解し、持続可能な未来を模索する内容が豊富に詰まった一冊です。著者は、ジェイコブズやハーヴェイの視点を通じて、縮小都市における課題と可能性を探求しています。デトロイトの苦悩やト...

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687473

  • 信州大学の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB17225028

  • 縮小都市の挑戦
    amazonからのメール

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  • 縮小都市(Shrinking Cities)
    縮小都市論: 「縮小する都市の現実」を理解し、「持続可能な縮小都市の「かたち」」を考える(p13)

    都市の郊外化&主要産業の衰退→都市の縮小

  • 人口流動や高齢化によって、
    地方の各都市で人口の減少や高齢化率の上昇による
    限界都市化の兆候が見られている。

    限界都市とは、
    限界集落と呼ばれる、高齢化率50%を目安とし、
    その数値まで達した集落、街に対する
    本書での呼び名です。
    ちなみに、限界集落化すると、
    その土地だけでの経済は循環しなくなり、
    発展は望めなくなると言われていて、
    冠婚葬祭などの住民同士のくらしの支え合いも
    維持するのが難しくなるとされます。

    そんな、縮退していく地方都市のこれからを
    どう築いていけばいいのかを探る本です。

    本書では、180億ドル以上の破たん額をだして
    財政破たんしたアメリカの都市デトロイトや、
    自動車メーカー・フィアットの居城として一時時代を築きながらも、
    モータリゼーションの波が去ったあとに衰え、
    最近になって方向転換が功を奏したイタリアの都市トリノを
    くわしく見ていくことで、
    縮退していく都市のあり方からサステナビリティまでの
    ヒントを得ていく内容になっています。
    最終章では、日本の地方都市の様子をちらっと扱っています。

    まず、
    昨今、その政策名が巷間に知られるようになった
    コンパクトシティというものと、
    本書がかかげる縮小都市というものの違いについて。

    コンパクトシティは、人口が減り都市の各地に点々とした居住区を、
    鉄道の沿線などの中心地に集めて、
    「街」の部分をコンパクトにすることで、
    交通弱者や買い物難民を無くし、
    公共交通のコストを減らしていくことを主軸とした政策です。
    そこには、理念からスタートして、現実をみていくという順番があるそうです。

    それに対して縮小都市は、まず現実をみて、
    社会学的、自然科学的に分析して、そのなかで長所を探りながら、
    その縮小都市ならではの良さを売りものにして発展しようとする。
    小さなことの素晴らしさを強調しようとすらします。

    両政策とも、居住区やビジネス区域の集積が大事だとしながらも、
    著者が言うには、コンパクトシティは対症療法的であり、
    縮小都市の考えのほうが、よりダイナミックでドラスティックであるようです。

    そうは言うものの、ぼくの住む街のコンパクトシティ論を鑑みれば、
    ここで言われる縮小都市の考え方も内包しているように思えます。
    水と油のような違いではなく、両者に親和性のある考え方のように、
    ぼくは受け取りながら読みました。

    なぜ、居住区やビジネス区域を集積したほうがいいのか。
    そこには、先ほど書いたように、
    限界都市化して住民同士の支え合いが難しくなることを
    補助する意味合いもあるでしょう。
    でも、もっと大きな意味があるようです。

    アレグザンダーというひとが、
    真の多様性と選択性は、活動が集中し、
    集約される場所に発生する、としているそうです。
    さらに、「都市の魔力(人々を呼び寄せ、魅了するパワー)」は、
    諸所の都市機能(飲食店、劇場、見世物、カフェ、文化施設、大学…)が
    集積したところに生まれ育つ、と述べているそう。
    それが確かならば、コンパクトシティにしても、
    縮小都市にしても、集積する、という意味は
    とても大きいことになります。

    そして、重要なキーワードは「協働・連携」でした。
    トリノみたいに「官」主導の協働もあれば、
    デトロイトみたいな「民」しか頼りにならないような形での協働によっての
    都市再興もあるわけで。

    それで、ちょっと調べると協働といえばNPOというふうに出てくる。
    いやいや、産官学での協働みたいなダイナミックスさこそ
    望まれるものなのではないかとぼくなんかは思うわけですが。

    さらに、協働・連携の基盤になるのは信頼だと書いてあり、そうだなと思った。
    では、信頼とはどういうもので、どう築くものなのかと考えていくには
    社会心理学が役立ちますよね。
    ちゃんとしたルールの中で生活することが大事ですが、
    正直に生きていくことがまず求められる。

    でもって、正直は損をするものじゃない。
    正直者のほうがだまされにくいという実験結果もあるそうです。
    ほぼ日の、社会心理学者・山岸俊男さんと糸井さんの対談を再読してみれば、
    信頼は「互いの関係を強くすること」だけではなく、
    「関係を広げていく」ものでもあるんだとあります。

    協働・連携で、今後縮小していかざるを得ない街を盛りたてていくには、
    信頼が必要で、信頼が築かれたならば
    それは「関係を広げていく」ものとして
    協働の輪が広がっていくことを意味していくと思います。
    産官学の協働が、閉じたものではなくかつ信頼に基づいたものであれば、
    その効果は大きくなりそうだし、
    その効果を得たいのならば、
    役所仕事の前提となっている前例主義からは足を洗わないといけないだろうなあ、
    と思うわけです。

    長くなりました。
    これから縮退していく街が持続していくにはどうするかを探るには
    うってつけの本のひとつでした。
    ですが、引用文やデータの出どころが古かったり新しいとは言えないものが目立ちました。
    しかし、それはそれで、本質を突いたものばかりを集めているとも考えられるのでしょう。

    これからの街おこしを考えるひとたちは、きっと読んで損はないです。

  • 都市間協働、中心市街地の戦略的選定、地場の企業(製造業から小売業までの多様な産業)の振興の必要性を学べた。
    「自治体の活性化」には空間的な視野が必要なのだと感じた。

  • ジェイコブズやハーヴェイへのシンパシーが明瞭で、その視点からのコメントが多いのだが、サジェストされるポイントの数々は、かなり豊かな内容で、1000円未満の新書版にしては、みっちり腹に溜まるボリュームがあった。なにより、文章が読み易い。
    デトロイトは、今も苦悩するが、トリノは再生の兆しがあるとな。

  • 最初、コンパクトシティ論と縮小都市論の違いがわからず戸惑いましたが、デトロイトとトリノの事例に触れる中でなんとなく理解できたような気がします。人口減少社会に突入している私たちの国にとって地域のこれから、というテーマは避けて通れないものになってきます。その時、都市を効率で考えるのか、養育という概念で考えるのか、という違いが都市間競争か、都市間連携か、という違いになっています。まるで「地方消滅」と「地方消滅の罠」の違いみたい。これを神学論争にせず、まったなしの問題へのアクションにするためにはどうすればいいのか?まずは本書で初めて知ったジェーン・ジェイコブズ曰くの「イノベーションにつながるインプロビゼーション」の実践で小さな協働の顕在化をいっぱいに!ということかな、と思いました。これ、都市論だけじゃなくて、会社論でもあったりして…

  • 人口減少問題は、私がいま最も関心のあるテーマなので、これはと思う本は取り寄せて読んでいます。
    というわけで、今回は矢作弘さんの「縮小都市の挑戦」。
    ともにかつては自動車産業で栄えたものの破綻に直面したデトロイトとトリノの再生への道程から、都市のあり方を考察しています。
    両市とも以前はフォーディズム(大量生産、大量消費を可能にした生産システムのモデル)が骨の髄まで染み込んだ都市でした。
    ただ、破綻を経験し、そこから脱皮しようと模索しています。
    キーワードは「ブランディング」。
    本書の表現を借りれば、「都市イメージを再位置化する戦略」のことです。
    その点、
    「ブランディングを考える時に立ち返るべき起源は、都市の歴史や文化、それらが自然との交わりを通して育む風土である」(P137)
    との指摘は大変重要ではないでしょうか。
    さすがに財政の厳しい昨今はあまり見られませんが、以前はその都市の歴史や文化、風土とまったく無関係なブランディングに走る都市が少なくありませんでした。
    そして実行に移された挙句、例外なく失敗しました。
    本書で紹介されているデトロイトとトリノの取り組みは、無論そのままどこの都市にでも適用できる代物ではありませんが、大いに参考になると思われます。
    たとえば、都市が活力を維持したり復活したりするために守るべき四原則(ジェーン・ジェイコブズが『アメリカ大都市の死と生』の中で提示したもの)は、知っておいて損はありません。
    ①街路は狭くて短いこと
    ②ふるい建物を残し、利活用すること
    ③人口密度が高いこと
    ④多機能的な地区が寄り添っていること
    デトロイトとトリノの「死と再生」について考察した後は、人口減少と高齢化の最先端を走る日本についても考察しています。
    興味のある方はどうぞ。
    あ、あと、矢作先生は文章が大変に上手くて惚れ惚れします。

  • 増田寛也氏の「地方消滅」の流れで読んだ。まさかデトロイトやトリノに関する話とは思わなかった。中身は濃い。

  • デトロイトとトリノという、いずれも自動車産業のおひざ元であった都市で、産業構造の転換による都市の衰退とその復活の過程を紹介している。

    筆者がジャーナリスト出身であるため、現場で起こっている比較的小さな起業活動やソフト面の取組みも漏らさず紹介をしている。

    デトロイトでは、最近報道でもよく取り上げられるようになったが、小規模ビジネス、社会起業家などの活動が非常に活発である。ただし、アメリカの多くの都市で都市の再生を担っているCDCの活動は、比較的低調であることにも触れられている。

    一方のトリノは、複合的な都市戦略を立てるとともに、それを実現するためのさまざまなステークホルダーの協働を促すために市庁舎が利害調整などの面で積極的な役割を果たしたことが重要であったと述べられている。

    また、都市ブランディングにおいては、その都市の起源を外れるのではなく、再位置化することによって新しいイメージをつくり出すことが大切であることや、比較的簡易に始められる「場の創造」がフィアットの大規模工場のコンバージョンなどのプロジェクトにもつながっていくというプロセスなどが紹介されており、興味深かった。

  • これからのあるべき都市像、著者のいう縮小都市について述べた本。協働、連携、持続可能性がキーワード。
    記述が凡兆な部分が多々あり、この人は何が言いたいのかよくわからない箇所もあった。しかし、カジノやスポーツの誘致は、あまり都市の発展に寄与しないというところは、面白い箇所だった。

  • 2015年2月新着

  • 感想省略

  • 勉強になりました。

  • 知見が広まったという感想はある。
    しかし、この著者の書き方がよくなのだろうか。
    おもしろくない読み物になっている原因をあれこれ考えると、「引用」が多いのと、その前後に若干説明を入れるので、主旨からしばし遠ざかる。
    従って、迷路に入る時がある。
    参考図書は本文に入れるべきではないのだろう。
    読みにくくてしようがない。

  • 世界中のあっらゆるところで人口減少などによって都市が縮小している。平成の大合併とかあったな。

  • 318.9||Ya

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著者プロフィール

龍谷大学研究フェロー

「2020年 『コロナで都市は変わるか 欧米からの報告』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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