縮小都市の挑戦 (岩波新書)

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  • 岩波書店
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315148

作品紹介・あらすじ

急激な人口減少と産業の衰退のために、世界中の都市が「縮小」し、時に破綻している。しかしそこには、空き家や荒廃地、廃校といった不良資産化した「空き」を再活用し「小さく、賢く、成長する」ための挑戦も存在した。破綻からの再生を目指すデトロイトとトリノの試みからその具体策を学び、日本が進むべき道を導き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 縮小都市(Shrinking Cities)
    縮小都市論: 「縮小する都市の現実」を理解し、「持続可能な縮小都市の「かたち」」を考える(p13)

    都市の郊外化&主要産業の衰退→都市の縮小

  • 重要なキーワードは「協働・連携」でした。トリノみたいに「官」主導の協働もあれば、デトロイトみたいな「民」しか頼りにならないような形での協働によっての都市再興もあるわけで。それで、ちょっと調べると協働といえばNPOというふうに出てくる。いやいや、産官学での協働みたいなダイナミックスさこそ望まれるものなのではないかとぼくなんかは思うわけですが。さらに、協働・連携の基盤になるのは信頼だと書いてあり、そうだなと思った。では、信頼とはどういうもので、どう築くものなのかと考えていくには社会心理学が役立ちますよね。ちゃんとしたルールの中で生活することが大事ですが、正直に生きていくことがまず求められる。でもって、正直は損をするものじゃない。正直者のほうがだまされにくいという実験結果もあるそうです。ほぼ日の、社会心理学者・山岸俊男さんと糸井さんの対談を再読してみれば、信頼は「互いの関係を強くすること」だけではなく、「関係を広げていく」ものでもあるんだとあります。協働・連携で、今後縮小していかざるを得ない街を盛りたてていくには、信頼が必要で、信頼が築かれたならばそれは「関係を広げていく」ものとして協働の輪が広がっていくことを意味していくと思います。産官学の協働が、閉じたものではなくかつ信頼に基づいたものであれば、その効果は大きくなりそうだし、その効果を得たいのならば、役所仕事の前提となっている前例主義からは足を洗わないといけないだろうなあ、と思うわけです。また、本書で引用されていますが、アレグザンダーというひとが、真の多様性と選択性は、活動が集中し、集約される場所に発生する、としているそうです。さらに、「都市の魔力(人々を呼び寄せ、魅了するパワー)」は、諸所の都市機能(飲食店、劇場、見世物、カフェ、文化施設、大学…)が集積したところに生まれ育つ、と述べているそう。それが確かならば、コンパクトシティにしても、縮小都市にしても、集積する、という意味はとても大きいことになります。

  • 都市間協働、中心市街地の戦略的選定、地場の企業(製造業から小売業までの多様な産業)の振興の必要性を学べた。
    「自治体の活性化」には空間的な視野が必要なのだと感じた。

  • 最初、コンパクトシティ論と縮小都市論の違いがわからず戸惑いましたが、デトロイトとトリノの事例に触れる中でなんとなく理解できたような気がします。人口減少社会に突入している私たちの国にとって地域のこれから、というテーマは避けて通れないものになってきます。その時、都市を効率で考えるのか、養育という概念で考えるのか、という違いが都市間競争か、都市間連携か、という違いになっています。まるで「地方消滅」と「地方消滅の罠」の違いみたい。これを神学論争にせず、まったなしの問題へのアクションにするためにはどうすればいいのか?まずは本書で初めて知ったジェーン・ジェイコブズ曰くの「イノベーションにつながるインプロビゼーション」の実践で小さな協働の顕在化をいっぱいに!ということかな、と思いました。これ、都市論だけじゃなくて、会社論でもあったりして…

  • 人口減少問題は、私がいま最も関心のあるテーマなので、これはと思う本は取り寄せて読んでいます。
    というわけで、今回は矢作弘さんの「縮小都市の挑戦」。
    ともにかつては自動車産業で栄えたものの破綻に直面したデトロイトとトリノの再生への道程から、都市のあり方を考察しています。
    両市とも以前はフォーディズム(大量生産、大量消費を可能にした生産システムのモデル)が骨の髄まで染み込んだ都市でした。
    ただ、破綻を経験し、そこから脱皮しようと模索しています。
    キーワードは「ブランディング」。
    本書の表現を借りれば、「都市イメージを再位置化する戦略」のことです。
    その点、
    「ブランディングを考える時に立ち返るべき起源は、都市の歴史や文化、それらが自然との交わりを通して育む風土である」(P137)
    との指摘は大変重要ではないでしょうか。
    さすがに財政の厳しい昨今はあまり見られませんが、以前はその都市の歴史や文化、風土とまったく無関係なブランディングに走る都市が少なくありませんでした。
    そして実行に移された挙句、例外なく失敗しました。
    本書で紹介されているデトロイトとトリノの取り組みは、無論そのままどこの都市にでも適用できる代物ではありませんが、大いに参考になると思われます。
    たとえば、都市が活力を維持したり復活したりするために守るべき四原則(ジェーン・ジェイコブズが『アメリカ大都市の死と生』の中で提示したもの)は、知っておいて損はありません。
    ①街路は狭くて短いこと
    ②ふるい建物を残し、利活用すること
    ③人口密度が高いこと
    ④多機能的な地区が寄り添っていること
    デトロイトとトリノの「死と再生」について考察した後は、人口減少と高齢化の最先端を走る日本についても考察しています。
    興味のある方はどうぞ。
    あ、あと、矢作先生は文章が大変に上手くて惚れ惚れします。

  • 増田寛也氏の「地方消滅」の流れで読んだ。まさかデトロイトやトリノに関する話とは思わなかった。中身は濃い。

  • デトロイトとトリノという、いずれも自動車産業のおひざ元であった都市で、産業構造の転換による都市の衰退とその復活の過程を紹介している。

    筆者がジャーナリスト出身であるため、現場で起こっている比較的小さな起業活動やソフト面の取組みも漏らさず紹介をしている。

    デトロイトでは、最近報道でもよく取り上げられるようになったが、小規模ビジネス、社会起業家などの活動が非常に活発である。ただし、アメリカの多くの都市で都市の再生を担っているCDCの活動は、比較的低調であることにも触れられている。

    一方のトリノは、複合的な都市戦略を立てるとともに、それを実現するためのさまざまなステークホルダーの協働を促すために市庁舎が利害調整などの面で積極的な役割を果たしたことが重要であったと述べられている。

    また、都市ブランディングにおいては、その都市の起源を外れるのではなく、再位置化することによって新しいイメージをつくり出すことが大切であることや、比較的簡易に始められる「場の創造」がフィアットの大規模工場のコンバージョンなどのプロジェクトにもつながっていくというプロセスなどが紹介されており、興味深かった。

  • これからのあるべき都市像、著者のいう縮小都市について述べた本。協働、連携、持続可能性がキーワード。
    記述が凡兆な部分が多々あり、この人は何が言いたいのかよくわからない箇所もあった。しかし、カジノやスポーツの誘致は、あまり都市の発展に寄与しないというところは、面白い箇所だった。

  • 2015年2月新着

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著者プロフィール

龍谷大学政策学部教授

「2014年 『持続可能な都市の再生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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