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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784004315162
みんなの感想まとめ
働くことと生きることの関係が変化している現代社会において、本書はその原因や経緯を労使関係の視点から深く掘り下げています。戦後、日本では「働くこと」が社会正義や平和の実現手段とされていましたが、現在では...
感想・レビュー・書評
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1980年代、日本の製造業、特に自動車産業が圧倒的な競争力を持ち、アメリカの自動車メーカーを苦境に追い込んでいた。さすがにアメリカだな、と思うのは、その時に冷静に、「何故、日本の製造業は強いのだろう」という問いをたて、それを政府や大学がきちんと調査をし報告書にまとめ、対応策を実行に移し、結局は日本に対しての産業競争力を取り戻し、現在では圧倒しているということだ。何だか、第二次大戦での日本軍、日本国の失敗とアメリカの成功を思い起こさせる話ではある。
当時の日本の産業の競争力に話を戻すと、結局、日本企業の強みは、企業組織全体でみた連携の良さにあったのである。そのあたりを筆者は、下記の通り、詳しく書いている。
【引用】
まずもって、日本企業の強さは、働く一人ひとりが、惜しみなく自分の能力を企業経営のために提供するところにある。そのことを前提にして、一人ひとりの仕事を他の人とつなぎ合わせる、この能力を高めるとともに、組織としても効率的にかつ有機的に機能させるためだ。そうするには、個人が能力を高めるためのしくみや、組織として連携を高めるためのしくみが必要となる。それが、年功賃金、企業別労働組合、終身雇用だった。
年功賃金は、歳をとればただそれだけで賃金額が高まるというものではない。年齢と能力、そして企業に対する貢献度に連動する。だから、働く側は能力を引き上げるように自ら努力するし、経営側は終身雇用制度や従業員を訓練するための制度を用意する。
組織の連携を高めるには、働いている一人ひとりが、そこに参加しているという実感を得られることが大切だ。そのためには、さまざまな経営情報を共有したり、従業員間のコミュニケーションを重視したり、仕事上の権限を委譲するといったしくみが必要になる。企業別労働組合はその中核にいた。労働組合を通じて経営情報を従業員に流し、職場に起こりうる従業員のさまざまなトラブルを労働組合が解決する。そして従業員同士の仲間意識も、労働組合はつくりあげてきた。これは経営側と労働組合側双方の共通認識だった。
【引用終わり】
これ(リーン生産方式と言われる)が日本企業の強みであることを知ったアメリカ企業はさっそく、このやり方を取り入れる。それは、アメリカ企業の従業員の働き方を変えることでもあった。そして、日本企業の強みは強みではなくなる(誰もが同じやり方をするので)という形で、日本の日本企業で働く人たちに巡り巡って戻って来た。そして、日本企業は圧倒的な競争力を失った、というのが本書内で説明されているストーリーである。
日本の自動車メーカー、トヨタやホンダは、この方式でアメリカ国内に製造拠点を設け、そして成功している。それらの製造拠点では労働組合をつくらせなかった。そして、企業側は、このやり方は日本人労働者以外を使っても成功すること、そして、労働組合がなくても成功することに気がつかせた。これによって、日本企業の労働組合は交渉力を削がれた、と筆者は説明している。
その後、バブル経済の崩壊などを経て、日本企業はますます苦境に陥っていく。その中で、企業は非正規労働者を増やしたり、過労死が発生するまでの長時間労働を放置したりということをやっていくが、そういったことの一因は、上記のような経緯を経て、労働組合の交渉力がそがれたからだ。「働くこと」が必ずしもやりがいや働きがいにつながらなくなっていったのである。
話の道筋が分かりにくい本だったが、私が理解した本書の問題提起は上記の通りである。本書では、それに対しての対応策を提示しているが、これも少し分かりにくかった。
テイラーの科学的管理法から始まり、フォード方式、ニューディール政策、行動科学の考え方とアメリカの人事労務管理の歴史は変遷を重ねていく。それは、日本の人事労務管理史にも勿論影響を与えており、上記のブーメランの話を含めて、世界は意外とつながっているのだな、とも思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
働くことと生きることがイコールではなくなった原因や経緯を労使関係の視点から論じている。
戦後は世界平和、社会正義を実現するための手段に「働くこと」があった、というかそのように設定されていた(企業が、労働組合が、ひいては労働を司るシステム全体が)。それが生きる目的であり、働くことと生きることは結びついていた。その本質は今や壊れている。
本書ではそれを取り戻す手段として労働と生活を結びつけること、そして「コミュニティ・オーガナイジング」労働者が直接民主主義社会を構築し、そこに積極的に参画することを提案している。
自分は「働いたら負けだと思っている」時代に生きているしそういう世代だが、同時に「正しく働く」「労働に生きる」ことが美徳だと教えられてきたギリギリの世代であるようにも思う。
本書では繰り返し「なぜ働くのか」「どのように生きるのか」読者に問いている。「労働者=雇用され支配される者」として受動的な立ち位置に甘んじるのではなく、「労働者=より良い社会を実現させる参加者」として能動的な働きかけをしていく必要がある。しんどいが言ってることは分かる。 -
本書を,独立行政法人 労働政策研究・研修機構(シンクタンク?)の調査員による現代社会論として読んだ.
本書には,かつては「よく生きること」と「よく働くこと」が密接だったが,現代ではこの2つが乖離してるという問題意識がある.かつて2つは「労使関係」のもとで一致していたが・・・ということらしい(企業も労働組合も平和・復興・繁栄を目指す点で一致していたことが大きいとか).
現在,労働者という立場があまりに苦しい.その地位向上のために企業と交渉するにしても個人ではどうにもならず,既存のシステム(労働組合など)は上手く機能していない.そこで著者は個人と組織を繋いでいくための,労働者の新しい「居場所」の構築を模索する.
著者が望むのは直接参加型の民主主義的な何かである.具体例として,アメリカのコミュニティ・オーガナイジングが取り上げられる.多様な利害関係者が集まる円卓会議の開催.
といったようなことがタイトルに関係する著者の主張だ.とはいえ本書の半分以上が日本の労使関係の歴史に当てられているから,途中よく分からない状態になった.おそらく予測可能性が立たず読みにくかったのだろう.
それでも労使関係は詳しくないのでとても勉強になった(労使関係はどこかのタイミングでしっかり学ばないといけないと思った.学習に手頃な本がないので,本書が丁寧な説明に紙幅を割いたということだろうか).
以上から筆者の理解だと本書はもはや別内容の2つで構成される.「これまでの労使関係」と「これからの労使?関係」といったところだ. -
昔の日本は景気が良く、
生活が豊かだといわれていたのに
どうして 今は 働いても収入が上がらず
生活しづらいのだろう?
という問いに
過去の経済や企業・労働についての歴史を
解説し 回答のヒントを与えてくれるいい本です。
内容としては、
労使関係を主軸に
日本と欧米での
採用・人事評価の基準をはじめ
日本とアメリカ・欧州の経済と
労働・労働組合の歴史、
また働き方の違いを比較・分析し
労働者がより良い働き方と生活を送れるように
導くことができる制度を
どうしたら作れるのかについて
問題提起・提案しています。
就活を迎える前の学生や
転職を考えている方にオススメしたい本です。 -
【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001630085 -
めも: コミュニティ・オーガナイジング
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複業サラリーマンになろうと思い立った時から、「働く事」について考えてきました。
タイトルがそのものズバリの本を見つけたので読んでみると、サラリーマンという労働スタイルが、その始まりから「一人ひとりが自分の関わった仕事の成果がどのようなものであるのかを難しくさせる」事が課題だったと知り、物凄く納得しました。
働く事、特にサラリーマン生活について疑問を感じている人には、色々と得る事が多くとても面白く読めると思います。おススメです。
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「労使関係は参加型民主主義のもっとも小さな単位だ」という考えのもと、「なぜ働くのか」「どのように生きるべきか」という問かけをもとに、戦後日本の労使関係を紐解く。
グローバル化が進む現代において、迷走する労使関係の解決の鍵として、直接参加型の民主主義を説く。 -
2015年2月新着
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労組の話し? 難しそう!
と思いましたが、一気に読めるおもしろさ。
経営が、欧米…フォード生産方式、日本…デミング式 ということを初めて知りました。 -
表題からはどうしても「哲学的」なものを感じてしまうのは自分だけかもしれない。
内容は労働組合、経営者と主として経済学的見地から。
あとがきにあるように、決して働くことの意義が最終的に述べられているわけではない。 -
勉強になりました。
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求める能力が絶えず変化するとっともに、そうした能力が陳腐化するすぴーとも早い。だかっら企業はニーズにあった能力をもった人材を育成しようとする。
そもそも欧米諸国には定年がないか廃止する方向に向かっている。
目標、自分の組織の課題、連携基盤と敵対者、ターゲット、戦術。 -
366.5||Ya
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