タックス・イーター――消えていく税金 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315179

作品紹介・あらすじ

国民の税金を食い荒らし、富を奪い取る者は誰だ。政治と経済に隠然たる力を及ぼし、法を逆手にとりながら、文明の対価であるべき税を掠めてゆく。揺らぐ財政の屋台骨。国を存立の危機に追い込む悪行を見過ごしてよいのか。その不正と複雑なからくりを解明し、日本の暗部に切り込む。好評『タックス・ヘイブン』の続編。

感想・レビュー・書評

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  • 税金、いっぱい取られてるよね。買い物をすればもれなく消費税を
    取られるしさ、お酒には酒税、煙草にはたばこ税、温泉を利用すれば
    入湯料、ホテルに宿泊すればサービス税。その他諸々。

    納税は国民の義務だけれど、その使い方についてはまったくと言って
    いいほど知らされない。政治家やエライお役人様が、まるで自分の財布
    のごとく、湯水のように税金を無駄遣いしている。

    時折、会計検査院の調査でとんでもない無駄遣いが判明して報道される
    ことがある。その無駄遣い、誰が返してくれるのかと言えば誰も返済して
    くれない。

    そうして国は言うんだよね。「財源がないから増税します」って。

    消費増税とセットのはずだった議員定数の削減の話はどこへ行って
    しまったんでしょうね。増税だけして議員定数の削減には今のところ
    知らんぷりのようだけれど。

    さて、本書。元財務官僚の著者が昭和からの税金の歴史を解説しな
    がら、私たちが払った税金が食い物にされているかを暴露している。

    分かってはいたけどね。不必要な箱物ばっかり作ったり、族議員が
    予算の分捕り合戦をしていたりはさ。

    結局さ、どんなに消費税率を上げようと、分捕れるところから分捕ろうと
    新しい税金を考え出しても日本が抱えている負債ってのは減らないの
    ではないかね。

    納税の義務に対し社会保障を受ける権利があると思うんだけど、この
    権利は近い将来、消滅するんじゃないのか。

    だって年金受給年齢は段階的に引き上げられ、受給金額は実質
    引き下げが続いている。まして超少子高齢化なんだよね。お先、
    真っ暗か、日本。

    外遊先で大盤振る舞いしている安倍晋三だけれど、他国にお金を
    ばら撒いている場合じゃないぞ~。

    あ…そうか。社会保障が破たんしているから「一億総活躍社会」
    とかで「一生働けっ!」ってことなのね。

    悠々自適な老後は幻か。

  • p169-170にある次の記述はゾッとする.
    「社会保障全体の支出ベースの規模は100兆円を超えていて、一般会計社会保障関係費30兆円の支出は、じつはそのごく一部に過ぎない.厚生労働省は、社会保障関係費の一般会計ベースの30兆円が今後1兆円ずつ増えていくというが、一般会計には計上されない100兆円を優に超える社会保障の支出までカウントすれば毎年3~4兆円ずつ増えていく.」
    多国籍料理の租税回避の実態はどうしようもない段階にあり、全世界で取り組む問題だろう.読後感はとても暗い感じだ.

  • 巷間よく言われてきた話題だと思うけど,ここまでひどいとは。「給与生活者ば馬鹿をみる」。やはり官僚組織にメスを入れていくしかないのかな。いまの政治家にあまり期待はできないけど。原発等に関する各政策への無駄な投資についても実態を暴き出してほしかった。「もんじゅ」をやめるだけで,どれくらいの金額が福祉や教育にまわせるかと考える。

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】
    ・ニーモシネ

    ・メッセージとしては銀英伝的。つまり、きちんと自分の税金の使われ方をウォッチしなさいということ。そこに無関心なのは怠惰であって、タックス・イーター達に貪り食われても仕方がない、とまでは言わないにしても、その助長に歯止めをかけることはできない。

    【目次】

  • 結構難しい

  • 趣向が違うのでしょうがないと思うけど、タックスヘイブンみたいな面白さはなかったな

  • タカリの構造をなんとかしない限り,財政は良くならない。

    情報処理学会誌の書評で紹介されていたので,図書館から借用。

  • リアルに財務省主税局に関与した著者によって、日本財政の支出垂れ流しが明らかにされる。円高フォビアに支配される「輸出主体」の財界、特別会計の闇、国民年金の破綻隠しシステムなど。問題はどれも深刻だが、現在の政治システムと政治家によって目が覚めるような改革が実現するとは、およそ思えない。「革命」を主導する勢力が本格的に跋扈し始めるまでに、民主的なプロセスで流れを逆転させるにはどうすれば良いのか。右からも左からも、パターナリズムからもリバタリアンからも有効な主張はまったく聞かれず、ひとり財務省のみが・・・ という図式か?

  •  現在の財政赤字のいったいどのくらいが、タックス・イーターの口に入り、全くの無駄になったのだろうか。本書には「絶望」しかない。この国を支配している政治家、官僚と資本家たち。税の再分配こそが政治・行政の最も重要な仕事のはずが、実際には中間層から「巻き上げた」税金は、政治家、官僚と資本家を富ませるだであった、と本書はいう。政治家と官僚、資本家が税金を食べていく、その手口は凄まじいばかりに多様で、ある意味税制、予算はそのためのつくられている。このことを知ると、税制や予算に関するニュースが全然別の見え方をしてくる。

     国民は怒らなければならない。しかし、新聞や出版が軽減税率(この場合、新聞や出版はタックス・イーターそのものになる)を求めるような社会では、メディアがそのことを追求することは決してないのだろう。

  • タックス・ヘイブンの続編。前作の自身の官僚生活の自慢話から打って変わって、こちらは日本の税制にまつわる政官財の仕組み、問題点の解説を中心としたまっとうな新書だった。自慢話は100分の1ぐらに減ったし、解説もそれなりに分かりやすく、かつ、どうしたらよいかという解決策も提示されている。タックス・ヘイブンの話も含まれているので、こちらを読めば十分だと思う。

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