農山村は消滅しない (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315193

作品紹介・あらすじ

増田レポートが「どっこい生きている」地方にショックを広げている。このままでは地方は消滅するのか?否。どこよりも早く過疎化、超高齢化と切実に向き合ってきた農山村は、この難問を突破しつつある。現場をとことん歩いて回る研究者が丁寧にその事例を報告、地方消滅論が意図した狙いを喝破する。

感想・レビュー・書評

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  • 著者:小田切徳美
    通し番号:新赤版 1519
    刊行日:2014/12/19
    ISBN:9784004315193
    版型:新書 並製 カバー
    頁数:254ページ
    在庫:僅少

    増田レポートによるショックが地方を覆っている.地方はこのままいけば,消滅するのか? 否.どこよりも先に過疎化,超高齢化と切実に向き合ってきた農山村.311以降,社会のあり方を問い田園に向かう若者の動きとも合流し,この難問を突破しつつある.多くの事例を,現場をとことん歩いて回る研究者が丁寧に報告,レポートが意図した狙いを喝破する.


    ■著者からのメッセージ
     「地方消滅論」が農山村に強いインパクトを与えている。「どうせここは消滅する地域なのだ」という「諦め」の気持ちは確実に拡がり始めている。「消滅論」は「地方創生にむけた警鐘」どころか、政治的な「地方たたみ」の尖兵となりつつある。
     他方で、農山村の内発的な「地域づくり」は、自らの地域の課題に立ち向かっている。その取り組みは、現場の知恵にあふれている。そして、そこには都市の若者を中心とする応援団が合流しつつある。「田園回帰」の動きである。「地方消滅論」が見逃した、農山村の可能性がここにある。
     いま、農山村では「諦め」と「可能性」がつばぜりあいを演じている。これが、日本の将来に直結する農山村の現実である。それに対して、私たちは何ができるのか。読者とともに考えたい。
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b226306.html


    【目次】
    はじめに

    序章 「地方消滅論」の登場

    第I章 農山村の実態――空洞化と消滅可能性
    1 進む農山村の空洞化
    2 強靭な農山村集落
    3 農山村の展望――増田レポートを考える

    第II章 地域づくりの歴史と実践
    1 「地域活性化」から「地域づくり」へ
    2 「地域づくり」の体系化への挑戦
    3 地域づくりのフレームワーク
    4 地域づくりの三つの柱

    第III章 地域づくりの諸相――中国山地の挑戦
    1 地域づくりの先発事例――山口県山口市仁保地域開発協議会
    2 新しいタイプの地域づくり
     (1)コミュニティによる住宅整備――広島県三次市青河地区
     (2)新たな「村」の創造――岡山県津山市阿波地区
    3 なぜ、中国山地か――事例の位置づけ

    第IV章 今、現場には何が必要か――政策と対策の新展開
    1 補助金から交付金・補助人へ
    2 支援主体のあり方
    3 新しい政策の位置づけ
    4 「補助人」の役割と課題

    第V章 田園回帰前線――農山村移住の課題
    1 田園回帰の今
    2 農山村移住の実態――「あったかく」「かっこいい」地域へ
    3 農山村移住への支援策
    4 農山村移住の課題

    終章 農山村再生の課題と展望
    1 消滅しない農山村の仕組み
    2 政策論議の争点――農村たたみ
    3 都市・農村共生社会に向けて――国民的議論と選択


    あとがき



    著者略歴
    小田切徳美(おだぎり・とくみ)
    1959年生まれ。明治大学農学部教授。農政学・農村政策論・地域ガバナンス論。東京大学大学院農学研究科博士課程単位取得退学(農学博士)。(財)農政調査委員会専門調査員、高崎経済大学助教授、東京大学大学院助教授などを経て、現職。
    著書に『日本農業の中山間地帯問題』(農林統計協会。1996年日本農業経済学会奨励賞受賞)、『共生と協働によるまちづくり読本』(共著、ぎょうせい)、『日本農業――2005年農業センサス分析』(編著、農林統計協会)、『農山村再生 「限界集落」問題を超えて』(岩波ブックレット)、『農山村再生に挑む――理論から実践まで』(編著、岩波書店。2014年地域農林経済学会特別賞受賞)、『地域再生のフロンティア』(共編著、農山漁村文化協会)など多数。

  • もうこれは、表装の裏表紙で既に回答が出てるので‥強いて挙げるので、あれば… #YouTube や #TikTok 、に加えて #Periscope ( #Twitter 公式関連の配信アプリ)更に‥ちょっと昔ならば #ツイキャスライブ や #IGTV ( #Instagram の同)や、 #Facebook ‥等等(などなど)の #Streamer とか出る様に…演劇等の魅せられる舞台等も有れば(適用外の該当者の自分だから敢えて評出来ます)…相当の人じゃ無ければ…地元に残りますので…自治体がそういう設備の整備と、体裁による圧し附けの性悪を問い質(ただ)せば…事実上は解決しますよ。浅慮(せんりょ‥浅知恵)で申し訳ございませんが‥これが現時点での評です。

    PS
    読み重ねての、修正を行いますのですが、それは‥深化して理解した証ですので…悪しからず…。

  • 最後の2ページで少しがっかりしたけど、そんなに簡単な問題ではないので致し方なし。
    事例紹介、反論までは論拠があるんだけど、改善策に具体性を持たせないといけない。

    …無論自分にもアイデアがないので、文句言える立場ではないんだけど。

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • <内容紹介より>
    増田レポートが「どっこい生きている」地方にショックを広げている。このままでは地方は消滅するのか?否。どこよりも早く過疎化、超高齢化と切実に向き合ってきた農山村は、この難問を突破しつつある。現場をとことん歩いて回る研究者が丁寧にその事例を報告、地方消滅論が意図した狙いを喝破する。

    ――――
    『地方消滅』で描かれた、増田レポートによる地方の人口再生力の低下とそれに伴う地方人口の激減(=消滅)に対する反論として執筆された本です。

    単純に「再生人口(20~40歳の女性人口)率」だけで議論するのではなく、地方において「何人」田園回帰による「流入」があれば地方の農山村がその生活を維持できるか、という実数を上げたり、これまでに取り組まれてきた、各地方農山村が自らの魅力を確立していく(人口の流出を食い止め、新たに移住者を集めるきっかけとなる)事例を紹介したりして、増田レポートの主張が間違っていることを証明しようとしています。

    個人的には、どちらの見方も「完全に間違っている」ということはないのだろうと感じています。

    東京を中心とする大都市圏に若者が流入していることは確かでしょうし、それに伴う地方の「空洞化」は進行しているでしょう。一方で都心から農山村へと「田園回帰」して移住を決めている人もゼロではありません。

    「このままでは農山村がしょうめつしてしまうかもしれない」という危機感を抱きつつ、本書に描かれているように「諦め」ることなく各地の”魅力”を高め、それぞれの地方が(外部の資産(リゾート開発など)によらずに)人(移住者や観光客)をひきつけることができるような体制を作っていくことが必要だと思います。

    農山村があるからこそ、「都市」が生活できている、という側面もきっとあるはずです。これからのバイオマス燃料や食糧自給問題など、今後も農山村がはたす役割は決して少なくはないと感じます。
    都市部に暮らす者として、地方の”再生”にしっかりと関心をもって考える必要性を痛感させられました。

  • 増田元総務大臣が提出した「増田レポート」に対するアンサー本になっている。『地方消滅』も合わせて読むと、各々の識者がどんな立場にたっているのかよくわると思う。

    著者は「増田レポートは、外観的かつマクロ的で若者を中心とした田園回帰というミクロの動きを捨象して地方論を論じており、論が粗い」と主張する。加えて、こういった地方消滅というセンセーショナルな論は、地道に活動している農山村の方々に対する喪失感につながる可能性があり、懸念されると主張している。

    中身は、著者が調査してきた農山村の事例を中心に地方のミクロの動きを活写している。個人的にも、「地方」という1つ切り口だけで全体を話すのは非常に危ういと考えるので、今回の増田レポートは著者が言うように「安倍政権の地方創生施策を後押しする政治的役割が強い」という主張に同意する。

    しかし、著者はまだまだ社会学者としての枠組みを抜け切れていないと言わざる得ない。じゃあどうすれば良いのか、地方、農山村、都市を含めた100年先の国家のビジョンをしっかりと示さないと本当の意味にでの増田レポートに対するアンサーにはなっていないだろう。細かい政策論は、行政マンがしっかりち考えるが、現場で頑張る方々が共有、共感できるビジョンをしっかりと提示できない限り、いくら「農山村は消滅しない」と言っても絵に描いた餅であろう。

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著者プロフィール

〔略歴〕 明治大学農学部教授。1959年、神奈川県生まれ。
東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程単位取得退学。博士(農学)。

〔主要著書〕 『農村政策の変貌』農山漁村文化協会(2021年)など。

「2023年 『新しい農村政策 その可能性と課題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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