- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004315261
感想・レビュー・書評
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天明の大飢饉から大政奉還まで、1780年代から1860年代までを対象とする通史。近年の江戸時代後期の通史は、国際関係と日本国内の社会変動の関連がうまく把握できていないことが多いが、本書では明治維新を生み出した必然的な国内・国際要因の関係性がバランスよく叙述されている。ただし狭義の幕末期については、近年の近代史サイドの研究潮流とは異なり、伝統的な「植民地化による民族の独立の危機」「尊皇攘夷と公武合体の対抗」といった枠組みを前提とし、なおかつ近代主義的な発展段階説に拠っており、異論があろう。琉球にほとんど言及がないのもマイナス。
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<目次>
はじめに
第1章 近世の曲がり角~維新の起点
第2章 内憂外患の時代へ
第3章 近代の芽生え
第4章 開国・開港
第5章 幕末政争から維新へ
おわりに
<内容>
岩波新書近世史シリーズの最終巻。よかったのは、宝暦・天明期から化政期の文化がコンパクトにまとまっていたこと。政治史の流れはかなり早めだけど、要点は抑えてあるので、受験生も教科書を一通り読み終えたらこのシリーズを通して読むのもいいかもしれない。 -
静かに幕末維新期の歴史が語られる。幕末物はどうしてもドラマティックな人物中心の歴史が語られがちで、それを期待してしまうが、実際はこのような本の記載が正しく時代の様子を表しているのだろう。
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ペリー来航より前から、ロシア南下も幕府をあわてさせている。