子どもと本 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 309
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315339

作品紹介・あらすじ

財団法人東京子ども図書館を設立、以後理事長として活躍する一方で、児童文学の翻訳、創作、研究をつづける第一人者が、本のたのしみを分かち合うための神髄を惜しみなく披露します。長年の実践に力強く裏付けられた心構えの数々から、子どもと本への限りない信頼と愛が満ちあふれ、読者をあたたかく励ましてくれます。

感想・レビュー・書評

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  • 中野区にある東京子ども図書館は、その佇まいだけでひとを魅了する。中はより一層。
    ここで本を選べる子どもたち、お話会を楽しむ子どもたちはなんて幸せなことだろう。
    「自分が子供の頃にもこういう場所があったなら。」

    訪れた多くの人から同じ感想が漏れるらしいが、館長である著者は決してそれを喜ばない。
    「ここが特別の場所であってはいけないのです。
    どこに住んでいても、子どもが歩いて行けるところに、
    これと同じ図書館があるのが本当なんです。」

    名称に「東京」と入るから、私はてっきり東京都の施設だとばかり思い込んでいた。
    しかし、1974年の設立時から公的な助成も企業の援助も一切受けずに、ぎりぎりの財政の中で運営してきたという。しかも児童図書館員という名称さえなかった時代からである。
    図書館員を志すまでの様々な体験と出会いがこの本の前半部分で語られ、まさに目からウロコ。
    留学先のアメリカで勤務した図書館での経験から、日本の現状を見た際の義憤。
    道を拓こうとする過程で、渡辺茂男さん・石井桃子さん・松居直さんという、児童文学の先達者たちの名前も次々に登場する。
    語りかけるような優しい言葉の底に、掲げ続けた理念と子どもと本への限りない愛情をひしひしと感じる。

    多くの子どもたちと接してきた体験を裏付けにした、昔話への深い理解も語られる。
    「子どもが心の奥深くで求めているものを、子どもによく分かる形でさしだしたのが昔話」
    繰り返しお話を聞くことで自分だけの空想の世界を持つようになり、そこに逃げ込み休憩し、新しい戦いに備えて力を蓄えることが出来るという、力強い励ましの章だ。

    そして「本を選ぶことの大切さと難しさ」も語られ、図書館がはっきりした選書方針を持つこと・選書の仕組みを作ること・図書館員の資質を高めることと、力説する。
    それには、図書館員ひとりひとりが、子どもたちと向き合うことが基本であると。
    子どもの心を育む上で、本以上に大切なことがあるのだとあらためて学ばされる。

    巻末には「文中で挙げた人名・書名・その他について」が載せられ、大変丁寧で親切なつくり。
    子どもに本をおくる活動をされているすべての方におすすめ。
    汲めども尽きぬ泉のような子どもと本への深い愛情に包まれ、しみじみと幸福な読後感だった。

  • あ、なんかうまく言えへんけど、こういうのが本来の「本」やったんちゃうかな、とか思った。静かやけど、伝わってくるものがある。ぜんぜんいやらしさもなく。このひとが書くと、絵本ってそんなにいいものか、とかって思ってまうもん。子どもの発達についての知識もちゃんとあって、信頼できる。文字の大きさとかも、ぜんぶがよく見えた。いい本に出会えた。

  • 図書館がおくる、「クラブ・サークル向けおすすめ図書」

    クラブ・サークル名 児童文化ひまわりサークル

    請求記号:I-1533 図書ID:20004786

  • もっと早くに読みたかったな~と思ったけど2015年刊行ならその時すぐに読んでても同じこと言ってたな。
    *の説明が巻末にあるってなってるけど、どこ?ないんですけど。
    落丁なのだろうか。
    内容はいいけどそこが気になっちゃので集中できなかった。

  • 子どもと本に対する愛情にあふれた、ほっこりする本。絵本の心理学的研究など学術的な内容も多く、感情的・経験的ではない絵本の重要性が述べられていて、とても興味深い。

  • ◆きっかけ
    ブクログ 2017/6/11
    ◆感想
    い図。『子どもが読書に夢中になる魔法の授業』のあとに読んだ。この2冊、合わせて読むの面白い。前半の、筆者がアメリカ留学し、その流れでアメリカの図書館で就労することになった時の述懐が、興味深かった。昔話について、なるほど。2017/8/18

  • 読みやすかった。
    昔話かぁ…。

  • 2015年9月20日に開催された第1回ビブリオバトル全国大会inいこまで発表された本です。予選E会場チャンプ本。

  • 図書館で借りる。子どもの本の選書バランスが書かれる。子どもと本について。

  • 民話部分も面白いが、最後の図書館職員論は必読。

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著者プロフィール

"神戸市生まれ。神戸女学院大学英文学科、慶應義塾大学図書館学科卒業。1961年渡米。ウェスタンミシガン大学大学院で児童図書館学専攻の後、ボルチモア市立イーノック・プラット公共図書館に勤務。帰国後、大阪市立中央図書館を経て、自宅で家庭文庫を開き、児童文学の翻訳、創作、研究を続ける。特に子どもたちへ本やお話を届ける活動の普及に力を注いでいる。1974年、石井桃子らと財団法人東京子ども図書館を設立、現在、同館名誉理事長。著書に『子どもと本』『えほんのせかい こどものせかい』創作に『なぞなぞのすきな女の子』『うれしいさん かなしいさん』、翻訳に『しろいうさぎとくろいうさぎ』、「うさこちゃん」シリーズ、「パディントンの本」シリーズなど多数。

「2018年 『おぼえること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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