異常気象と地球温暖化――未来に何が待っているか (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315384

作品紹介・あらすじ

熱波や大雪、「経験したことがない大雨」など人々の意表をつく異常気象は、実は自然な変動の現れである。しかし将来、温暖化の進行とともに極端な気象の頻度が増し、今日の「異常」が普通になる世界がやってくる。IPCC報告書の執筆者が、異常気象と温暖化の関係を解きほぐし、変動する気候の過去・現在・未来を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 異常気象とは何か、気候とはどういうメカニズムで成り立っているのか、これからの地球の気候は、はたまた日本の気候はどのように予測されているのかなどなど、とにかくひたすら気象と気候の話が語られている。ちょっと専門的な用語表現や細かい数値による説明が多いので、スーッと読めるという感じではないが、気象に関して非常に多角的に取り上げているので、興味のある人にとっては有用だろう。筆者は、IPCCの第1次作業部会、第2次~第5次評価報告書の執筆者でもある理学博士。

  • 【つぶやきブックレビュー】東京はここ数日涼しいですね。関東の梅雨明けはまだか?

    http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB1826083X

  • 著者の鬼頭昭雄氏(1953年~)は、京大大学院理学研究科卒の地球物理学者で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」評価報告書の執筆者を務めており、本書は、その評価報告書の内容を中心に最新の情報・取り組みについて記したもの。
    IPCCの評価報告書は、地球温暖化に関する概ね世界標準の見解とは言えようが、この問題については、一方で、温暖化が進んでいるということ自体への懐疑論や、温暖化の原因は人為的なものではないという懐疑論があるのも事実であり、著者の立場を認識して読む必要はある。
    著者の主張は概ね以下である。
    ◆地球の「気候システム」を駆動する力は太陽エネルギーで、地球が太陽から受け取るエネルギーの収支が、地球全体の温度を決める。現在のエネルギーの収支から算出される地球の気温はマイナス18℃であるが、温室効果ガスの存在のために平均地上気温は15℃程度になっている。
    ◆地球の長期的気候変動は、主に自転軸の公転軸に対する傾きの変化が要因で、最近は約10万年周期で氷期と間氷期が繰り返されている。直近の氷期は約1万年前に終了し、現在は間氷期である。千年単位の過去の世界の気温は、19世紀までは全地域で寒冷化しながら、20世紀には南極以外の全地域で温暖化へ転換しており、世界の平均気温の上昇率は直近100年あたり0.69℃である。それは温室効果ガス濃度の増大が要因であることを示唆している。
    ◆異常気象とは30年間に一回以下の頻度で発生する現象であり、その発生には、エルニーニョ現象、ブロッキング(通常西から東へ移動する偏西風の蛇行が長期間固定される状況)等が関わっているが、最近のその頻度の高まりは気候そのものが変わってきていることを示している。
    ◆世界中の気候モデルで近年一斉実施したシナリオ予測によると、21世紀末には0.3~4.8℃気温が上昇し、その結果、熱帯の拡大、降水量の差の拡大、雪氷圏の縮小、海洋の酸性化、海面水位の上昇などが予想されている。気候モデルによる計算では、長期的な間氷期から氷期への移行が、現在進む温暖化を相殺することはない。
    ◆こうした長期的な気候変動は、水循環の変化、自然生態系の変化、農作物や人間の健康への悪影響、更には不平等・貧困の拡大、暴力的紛争の発生を引き起こす。緩和策として、温室効果ガス排出の抑制、省エネや再生可能エネルギーの導入、森林などの二酸化炭素の吸収源対策など、適応策として、渇水対策、治水対策、熱中症予防、生態系の保存などがあるが、様々な対策を組み合わせて実施することが不可欠である。また、成層圏へエアゾールを注入し地球を冷却する太陽放射管理や、プランクトンの栄養源となる鉄を海洋へ散布し二酸化炭素吸収を増やす二酸化炭素除去のような、気候工学が議論されているが、副作用を含めて現実的ではない。
    ◆2100年時点で世界の気温上昇を2℃に抑えるためには、2050年に温室効果ガス排出を2010年比40~70%削減した上で、2100年には排出量をゼロにする必要があるが、現実的には困難。それ以上の気温上昇を想定して、対応策を考えておく必要がある。
    本書出版後、2015年にCOP21で採択され、2016年11月に発効したパリ協定から、トランプ米大統領が脱退すると発表したことが世界を揺るがせている。
    近年、地球の気候が安定相から相転移する前触れともいえる現象が頻発していることは事実であり、それが人類の将来に大きな影響を与えることもまた間違いはない。こうした事実について考える材料となる一冊である。
    (2015年4月了)

  • 勉強になりました。

  • 配架場所 : 新書
    請求記号 : SHIN@451@K100@1
    Book ID : 80100014070

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002464505&CON_LNG=JPN&

  • 2015年5月新着

  • 冷静沈着な解説がいい。
    それにもかかわらず・・・・、二酸化炭素排出量をなんとかしなければ、たいへんなことになる・・・ようなことがひしひしと伝わる。

  • 451.85||Ki

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