右傾化する日本政治 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315537

作品紹介・あらすじ

日本は右傾化しているのか、それとも「普通の国」になろうとしているだけなのか。いったい、どちらなのか?-政治主導のもと、寄せては返す波のように時間をかけて、日本社会の座標軸は右へ右へと推し進められていった。そのプロセスを丹念にたどりつつ、新しい右派連合とその「勝利」に直面した私たちの現在を描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 「右傾化」という言葉が言われはじめて久しいが、実際に日本は「右傾化」しているのかどうか、しているのならばどのような経緯を経ているのかを、国政レベルで検討している。本書では「右派連合」の新旧を分けるものとして経済/新自由主義との距離があげられている。ナショナリズムの称揚と新自由主義が結びついていく点に関しても、政策決定や政党政治の力学から分析されていて興味深い。

  • 派閥の領袖や大物議員など永田町に君臨するボスを頂点に、ヒラ議員、県議会、町議員へと親分子分関係の連鎖として階層的に構成される恩顧主義の政治では、上位者から庇護をうけるためには、その軍門に下り忠誠をつくさないといけない。これが田中派の鉄の結束だった。

    安倍政権にとって最大の標的はかねてからNHKt朝日新聞。

  • 長い時間をかけて振り子のように揺り戻しを繰り返しながら段々と右傾化している、という分析。

  • 頭スッキリ。

  • 配置場所:2F新書書架
    岩波新書 ; 新赤版1553
    資料ID:C0036896

  • ☆第一次政権をあれだけの失態で閉じた安倍が、驚くべき復権を遂げた拝啓は2つの要因がある。
    ・野党化した自民党が、さらに右傾化していた
    ・有権者の政権選択が可能となる競争システムが、民主党政権の挫折とともに崩壊したこと
    ☆リベラル左派連合再興のための基礎条件
    ・小選挙区制の廃止として選挙制度改革
    ・リベラル勢力が新自由主義と決別すること。
    ・左派運動の在り方の転換

  • 「自由主義的な国際協調主義の高まりで膜を開けた新右派展開の動きが、いかにして偏狭な歴史修正主義を振りかざす寡頭支配へと帰着してしまったか、本書はその政治プロセスを解き明かすことを目指してきた」P173

  • ポイントを抑えた的確な現状認識にはうなるほかないが、読み進むたび随所でため息をつかざるを得なくもなる。最後に記された処方箋も正直なところ実現できなさそうなのが切ない。

  •  本書のユニークかつ斬新な点は、1980年代以降の政治右傾化プロセスを「支点が徐々に右に動く振り子」のような「揺り戻し」を含む曲線運動と捉えていることにある。「振り子が右に振れるとき支点も一緒に右に動き、やがて振り子は左に振れるわけだが、前の周期の左端まではもどらず、もっと右の位置で留まる」。これにより「改革の後退」「改革の修正」とみなされる時期や政策が、結局のところ本質的には新自由主義化の動きそのものを停止させるに至らない力学が説明可能になる。

     他方、今日の右傾化プロセスの因果関係を探求する上で最大の難問は、経済面でのグローバル化=自由化と、一見それに逆行するような国内政治局面でのナショナル化=反自由化の関係性をいかに矛盾なく単一の枠組で内在的に明らかにすることだが、その点はインターネットのブログ言説レベルの表層的な分析にとどまっており、正直なところ期待外れだった。偏狭な排外主義や復古的な国家主義の台頭を単に「格差社会」の矛盾から目を逸らすプロパガンダと見なしているだけでは、その意外な強靭さや拡散浸透を説明しえない。本書はこの30年余りの政治史を新自由主義と国家主義の「新右派連合」の「勝利」の過程として描いているが、例えば公共事業の在り方が小泉政権と現在の安倍政権では180度異なる点でも「新右派連合」の内実は相当な開きがあり、より精緻な解析と理論構築が必要だと思われる。

  • 15/09/11。

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著者プロフィール

なかの・こういち
1970年、東京生まれ。上智大学国際教養学部教授。
専門は比較政治学、日本政治、政治思想。
主著:
『私物化される国家――支配と服従の日本政治 角川新書』
(KADOKAWA)、
『つながり、変える私たちの立憲政治』 (大月書店)、
『右傾化する日本政治 岩波新書』(岩波書店)、
『戦後日本の国家保守主義――内務・自治官僚の軌跡』
(岩波書店)他多数。



「2018年 『いま、朝鮮半島は何を問いかけるのか(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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