人間・始皇帝 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315636

感想・レビュー・書評

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  • 最近の考古学の成果を活用して史記の記述を再検討している。始皇帝が東方の進んだ文明や祭祀を積極的に取り込んで行った様子、北と南の戦争で中華と蛮夷を区別したこと、統一後の皇帝という称号の選択や李斯を中心とした法家による支配などがわかる。また胡亥の二世皇帝は始皇帝の指名だった可能性、実際の年齢が12歳でしかなかったこと、趙高がいわゆる宦官ではなく法家だったことなどが意外で面白かった。また考古学の成果から当時の官吏の仕事や夢占い、28宿と四神の対応などがわかる。

  • 39歳で中国統一。今の私と同じ歳。

  • 始皇帝の波乱に満ちた生涯を追う。
    司馬遷『史記』の記述が取っ掛かりではあるが、近年出土した多数の竹簡や、陵墓の発掘や解析といった「最新資料」を基に、史実を丁寧に捉え直すことが試みられている。

    例えば「焚書坑儒」については、あくまでも北の匈奴や南の百越との対外戦争を批判する知識人に対する言論弾圧(儒教弾圧というのは、後の儒者により作られた「イメージ」)であり、始皇帝自身、儒教的価値観(君臣父子等)を大切にしていたというのが史実のようである。

    中国の古代史や地理の予備知識が少ないと、十分に読みこなすのは難しいが、地図、人物紹介、年表といった参考資料が豊富であり、親切な作りとなっている。

    始皇帝やその周辺人物が織り成す人間ドラマはとても興味深い。
    今後も、新たな出土資料等により新たな史実が発見される可能性は高く、歴史のロマンが強く感じられる。

  • ここ数年中国の枯れ井戸から発掘された竹簡から古代中国の実状が判明しつつあるらしい。

    これまで司馬遷の史記などで語られてきた「歴史」は、その時々の覇者の都合で歪められていて、始皇帝像もその例外ではない。

    それにしても皇帝を名乗ってからの在位わずか11年で、いかにしてこれだけの制度や国土の整備を行えたのか。

    城の水攻めや刀狩りなど、秀吉の実績の前例が約二千年前の中国にあったとは。

  • 出土資料等によって史記の記述の補正、補足を行うという書物。

  • 2016/01/22:読了
     少し固い内容。
     もう少し、読みやすいと、興味深い内容なんだけど...

  • 秦の始皇帝について、最近数多くの文献が出土していて100年以上あとに書かれた史記の記述を上書きしなければならない状況になってきている。
    秦は内陸国家にとどまらず、海まで視野に入れた国家である。焚書坑儒というが、それは後の漢代から見た記述であり、北と南の武力行使のための内部統制として言論を封じ込めたものであり、必ずしも儒家を狙い撃ちしたわけではない。また、始皇帝が崩じたあと第二皇帝は陰謀の末と史記ではなっているが必ずしもそうではない文献がある。始皇帝廟は、まだまだ発掘の余地がある。

  • 始皇帝って、日本の戦国時代に例えると織田信長か。その少し後の時代の、劉邦・項羽に比べると、今ひとつ人間的にどういう人かよくわからんのだなぁ。史記は漢の時代に書かれただけあって、漢のフィルターがかかった始皇帝像なわけだが、この本は近年の研究成果から本当の姿に迫ろうとしていてかなり興味深い。
    そもそも、本来の名前は贏政でなく趙生というところからして目ウロコ。
    キングダムは一応読んどいたほうが良いかなぁ。

  • キングダムの影響で読んだ。広大な中国を30年足らずで統一するっていうのは改めて驚かされる。存在が偉大すぎて死去後3年で崩壊するとは。

  • 司馬遷の仕事をディスらないで!!あと古井戸はゴミ捨て場じゃないから!!

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