- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004315667
作品紹介・あらすじ
「美しく誇りある」父のような国家が、国民一人ひとりを子のように指導し、守っていく-。異次元緩和や賃上げ税制など経済政策から教育、憲法改正、安全保障法制まで、安倍流国家介入型政治に通底するのは「国家の善意」である。その思考と意志を、国会審議や諮問会議議事録など「首相自身の言葉」から探る。
感想・レビュー・書評
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/706051詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
安倍の国家観は次の通り。「民主主義体制下では国家は個人の自由、権利を守る存在である。それを指導する資格があるのは、選挙で国民の審判を受けた国会議員の中から選出される首相である。」しかし、これは傲慢な考えだ。また安倍は「国家権力を憲法で縛るという立憲主義について、専制主義的な王政時代の古色蒼然とした考え方」と位置づけている。しかし、太平洋戦争、ハンセン氏病など、国家も間違った判断をすることがあり得る。従って、権力、権限の行使は抑制的でなければならない。にもかかわらず、安倍は聞く耳を持たないという。
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【つぶやきブックレビュー】10日は参議院選挙。選挙を考える新書を紹介します。
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB19754868 -
配置場所:2F新書書架
岩波新書 ; 新赤版1566
資料ID:C0037102 -
秀作。
腑に落ちる内容が多い。
安倍は、国家の肯定的な面を高く評価する一方、否定的な面には余り触れない。
国家の性善説。私は、危険を感じる。歴史を振り返れば、歴然だ。
政府が関与する事で実現した大企業の賃上げの経緯を、公表されている情報のみで解説しており、分かりやすく、見事。 -
2015年12月新着
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安倍晋三には、ホッブスの『リヴァイアサン』を読めと言いたい。国家とは人間がしょうがなく作り出したペシミズムを基底に置くフィクションだ。国家が積極的になったことでろくなためしはない。白井聡が描く安倍晋三像とはある部分重なりつつも異なった像が描かれている。この本の著者が十分に言及していないのは、戦後の日米の政治的関係だと思う。日本が米国の従属国家であるということ。これを著者はどう考えるのだろうか?
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安倍政権について、ジャーナリズムの観点から分析した作品。
安倍晋三を貫く物は「新国家主義」であり、その系譜は祖父岸信介から受け継がれているものといえる(もっとも、安倍の場合は岸そのものを受け継いでいるというわけではない)
端的に言えば国家性善説というべきもので、国民が存在しうるのは国家があるからであり、国家性善説の立場からは、国家意思=首相の意思は同一視され、首相の権力は小選挙区制度による選出に由来するとされる。
この点は非常に本質を突いていると思う。
つまり、安倍首相は「保守主義」というワードでくくれるものではなく、「新国家主義」というべきものに近いのかもしれない。(おそらく、本来の保守思想=家父長制の容認などの立場からも隔てているし、天皇への絶対的な忠誠心というのもなさそうである…現天皇陛下の御意志に沿うているとは思えないし。) -
著者は意外に思われるかもしれませんが、読後はむしろ安倍ファンになりそう。過去の言動から一貫しており、スジが通っている。国家主義を悪者のように言う著者の方がおかしい。国家とは・・・から、学ばれた方がいいのでは。
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312.1||Ka