蘇我氏の古代 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 106
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315766

作品紹介・あらすじ

大化改新前夜、クーデターによる暗殺をきっかけに「滅亡」したとされる蘇我氏。仏教導入をすすめ、推古天皇の信頼も厚く、「大臣」として政権を支えた蘇我馬子を筆頭に、ヤマト王権の紛れもない中心であった一族は、なぜ歴史から姿を消したのか?その後の藤原氏の台頭までを視野に、氏族からみた列島社会の変化を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 古代ヤマト王権を外戚の立場から権勢を振るった蘇我氏の成り立ちから、その活躍ぶり、乙巳の変以後の蘇我氏、蘇我氏と藤原氏の興隆の相違点など、盛りだくさんのテーマで、飛鳥時代と奈良時代が語られていく。本当にこの時代、好きだなあと思う。奈良旅行の際には、是非とも蘇我氏ゆかりの地に訪れてみたいもの。

  • 歴史上好きな人物は?と聞かれたら、藤原不比等、天武天皇、聖徳太子、千利休、と言うのだけど、それにしては蘇我一族のことはいつも気になるんですよね。
    利休なんかよりも定期的に蘇我一族の本の方が読みたくなるのです。

    この本は古代史好きな方のレビューを読んで興味を持ち、積読リストに入れていたものです。

    でも、全体的には巷で言われてる王道の意見そのままで、意外な主張はあまりなくちょっと肩透かしな感じでした。
    例えば、入鹿が上宮王家を滅ぼし自ら天皇になろうとしていた、とか、蝦夷は冠位を息子に与えた、これは明らかに天皇大権の侵害だ、とかね。こんな感じで専横が過ぎた為蘇我氏本宗家は皇族によって打倒された。ですって。さらっと事実のように書かれていてちょっと悲しかった(涙)
    そういう意味では前に読んだ遠山さんの「蘇我氏四代」の方が刺激的でした。

    とはいえ、もちろん勉強になったこともありました。

    例えば蘇我氏のルーツが葛城氏の分家っていうのは王道の意見だけど、その理由が分かりやすくて納得感がありました。
    →蘇我氏は父系でつながれた直系継承で、満智(マチ)-韓子(カラコ)-高麗(コマ)-稲目-馬子ー蝦夷ー入鹿まで続く。
    満智を百済の高官「木満至(モクマンチ)」と同一人物とみる説があるが、そうだとすると、その子が韓子、高麗と、敵国の名前になる説明がつかない、と言っていて、単純なことだけど随分納得感がありました。。
    こういう説明をしてくれた人が今までいなかったから、いつまでも蘇我氏は百済王家の末裔では?!という考えが完全には払拭できずにいたのよ。

    あとは、中臣鎌足が藤原姓を賜り、名負いの氏から律令官人として活躍しはじめたのと同じで、蘇我も石川に改姓することによって本宗家は滅亡したけれど傍系は官人として中央で活躍する場を得たのでは、というのには知っていたけど気が付かなかったので面白いなと思いました。ちょっと時代は遡るけど、物部、大伴など名負いの氏は結局は滅びていますからね。

    とにかく、蘇我氏の、律令国家成立までの古代国家の文明化に果たした役割は大きいのです!

    これからも、蘇我氏の謎、定期的に追って行こうと思います。。

  • 蘇我氏とは何者か?この問いに、そもそも氏とは何かから始める。血縁集団と職能集団、そして地縁集団が氏で、現在の姓とは全く違う。そして蘇我氏が登場。新興氏族として、活躍を始める。

  • 歴史上で藤原氏についで有名な蘇我氏について、その時代背景とともに書かれています。まだ律令制ができる前、身分はどのようなものだったのか、日本という形はどのように出来上がっていったのかを学ぶことができます。氏という日本独自の身分とは何だったのか。それがどのように作用したのかを知ることで、古代に蘇我氏が力を持ち、衰退してしまった理由について知ることができました。首長の集まりである古代国家から、天皇が中心の律令国家に移り変わる時代を感じることができました。

  • 天皇家以外で知られている人物が葛城襲津彦であるということは興味深い。倭の5王の苗字が「倭」と宋書に書かれている!新鮮。蘇我蝦夷・入鹿が滅んだが、蘇我氏は天智・弘文朝に仕え、しかも石川氏として有力官僚貴族としてずっと継続していた。
    祖とされる武内宿祢、葛城氏、そして実在確実の稲目、馬子ら、遡っての分析は興味深い。雄略天皇の即位までの経緯など、日本書記に詳しく書かれていることはどこまで事実か分らないものの、天皇家の祖先の生々しい血塗られた歴史が書かれていることに驚き。
    藤原氏の4家の成立まで、詳しく。蘇我氏を中心にした一般的な日本史の本であるとも言える。

  • 興味深い点が沢山あり、勉強になった。

     とくに、「乙巳の変」が、ヤマト朝廷の内部の権力闘争であったが、同時に、唐の成立を背景とした、朝鮮半島の政変が波及してきたものという。

     これは孝徳朝以降、豪族の姿が見えなくなり、国家権力の集中という展開と重なり、豪族の連合政権から、大王が中心となり自律的行動が可能になる国家体制への転換がなされたということであり、古代史における王権の確立という点から見ると、非常に興味深いと思われる。

  • 2016年2月新着

  • 「滅びた」と言った方がおもしろくなりますからね。改名ということがありました。
    「ふじわらのかまたり」の「の」の意味もわかります。

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